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「コンパクトなカジュアルゲーミングPC」の実力チェック
実際に組み立てたPCでどのくらいの性能があるのか、気になるところ。そこで、いくつか定番のベンチマークソフトで性能を確認していこう。CPUはAMD「Ryzen 7 PRO 4750G」を使用している。
まずはCPU性能から。この確認にはCGレンダリング速度からCPU性能を測る「CINEBENCH R23」を使用した。結果はptsという単位のスコアで表示され、このスコアが高ければ高いほど高性能となる。CGレンダリングはマルチスレッド処理に向いたものとなるため、CPUの最大性能を知るのに適したテストだ。
結果は見ての通りで、マルチコアが1万1472pts。手元のデータと見比べてみると、ノートPCで採用が多いCore i7-1165G7やRyzen 5 4500Uでは5000~5400ptsあたりなので、単純にノートPCの2倍以上の性能が出ている。性能重視の人がデスクトップPCにこだわる理由が、わかってもらえるだろう。
ちなみにデスクトップPC相手であれば、Core i7-11700Kの1万3400ptsというのが近い。デスクトップPCとして見ても、Ryzen 7 PRO 4750Gはかなり性能が高い方だと分かる。
続くストレージ性能は、定番となるベンチマークソフト「CrystalDiskMark」を使用した。搭載したSSDはPCIe 4.0対応となるものの、CPU側の制限でPCIe 3.0接続となっている。
PCIe 4.0であれば7000MB/s出るSSDということもあり、この結果は頭打ちになっている状態だ。とはいえ、シーケンシャルリードの3716.25MBというのは高速なことに違いはない。将来、PCIe 4.0対応のCPUへと換装した場合、さらなる速度上昇が期待できる。
最も気になるのが、ゲーミング性能だろう。まずは軽量ゲームベンチの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下、FF XIVベンチ)と、重量ゲームベンチの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF XVベンチ)の2つの結果を見てみよう。
なお、解像度は1920×1080ドットとし、画質はそれぞれプリセットの最高となる「最高品質」と「高品質」を選んでいる。
結果を並べると分かるが、軽めのMMO RPGであれば遊べる範囲だが、重たい3DゲームとなるとさすがにフルHDでは厳しい。解像度と画質を落とせば何とか動かせるまでにはなるものの、快適なプレイからは程遠い。重量級のゲームを遊びたければ、ビデオカードは必須だ。
とはいえ、インディーズなどのちょっとしたゲームを軽く遊ぶ程度なら十分。最新の3Dゲームを高画質でガッツリ遊びたいというのでなければ何とかなるレベルだ。
もう一つ、軽めなゲームとして「ウマ娘プリティーダービー」も試してみた。軽めといってもグラフィックが意外と重たく、数年前のノートPCでは画質を「簡易版」へと落とさなければガクガクした動きになってしまう程度には厳しい。
操作のタイミングがシビアだったり、描画が遅れると不利になるといったゲームではないので、画面がガクガクしていようがゲームには影響ないのだが、見ていてストレスになってしまうのは確か。今回組んだ「コンパクトなカジュアルゲーミングPC」であれば、画質を落とさず気持ちよく遊べた。
軽めのシューティングではどのくらいの性能が出るのか気になったので、最後にもう一つ、「レインボーシックス シージ」のベンチモードで性能をチェックしてみた。なお、APIは「Vulkan」、解像度は1920×1080ドット、画質はプリセットで「最高」に設定している。
ベンチマークよりも実際のゲームの方がフレームレートが落ちるため、最低52fpsというのは少々厳しいレベルだ。また、今回は画質を最高にしていると、VRAMが足りていないという状態になっていた。解像度、もしくは画質を少し落とせば、十分遊べるレベルになってくれるだろう。
CPU内蔵グラフィックとはいえ、軽量ゲームならちょっと画質を落とすだけで快適に遊べるだけのポテンシャルがあるPCといえる結果となった。