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ハイエンドなRyzen搭載PCが売れる!サイコムに聞いた同社のブランドの魅力と最近のシェア

石川ひさよし  編集●AMD HEROES編集部

 自作PCではAMDの「Ryzen」を搭載するPCが人気だ。ハイエンドのCPUはライバルを上回るコア数でハイエンドゲーマーや、クリエイティブのニーズにも浸透。一方でメインストリームは、コストパフォーマンスの高さがウケている。

 そんなRyzenだが、BTO PCメーカーでも好調と聞く。そこで今回は、数あるBTO PCメーカーでも豊富なカスタマイズオプションで知られる「サイコム」に話をうかがった。

 同社のお客様は「速いPC、よいPCを求める方が多い」というハイエンド志向が強い。そう言うのは同社プロダクトマネージャーで各モデルのコンセプトはもちろん、ケースやマザーボードといったパーツを決定するなど製品企画全般を取り仕切る山田正太郎氏(以下、敬称略)だ。

個性的な全7シリーズでRyzen搭載モデルを展開

――まずはサイコムのAMD Ryzen CPU搭載ラインナップについてご紹介ください。

山田 当社のラインナップは7シリーズありますが、各シリーズでAMD Ryzen搭載モデルを展開しています。7つのシリーズと言うのは、ミドルタワー、ミニタワー、マイクロタワーなどさまざまなサイズが揃った「スタンダード」。もっとも売れているのが「ゲーミング」。ゲーミングの派生で当社看板モデルでもある「デュアル水冷」。Noctuaファンを採用した「静音PC」。法人ニーズが多い「水冷PC」と「ワークステーション」。そして標準2年保証の「Premium Line(プレミアムライン)」です。

サイコムの公式HPのトップの上部には、各シリーズごとのタブが設けられている

――それぞれどういった立ち位置のブランドなのでしょうか?

山田 特に代表的なものを挙げますと、まずゲーミングのデュアル水冷PCには業界でもめずらしいオリジナルビデオカードを採用しています。これは当社がAsetekと直接取引を行ない、オリジナル水冷ユニットを製造、搭載しているものになります。
 Asetekからは、こんな取り組みをしているのはサイコムだけだと言ってくれていますので、おそらく唯一なのでしょう。ボリューム(出荷数)については大手ビデオカードメーカーと比べれば小さいですが、当社製品のクオリティを認めてくれた格好になります。

CPUは最新のAMD第4世代「Ryzen 7 5800X」を採用し、特大360mmラジエーターの水冷クーラーを標準で搭載。国内初GeForce RTX 3080&RTX 3090を水冷化したビデオカードも加えたデュアル水冷の「G-Master Hydro X570A Extreme」(直販価格38万970円~)など、ハイエンドなCPUとGPUを同時に水冷で冷却するシステムは同社ならではの魅力

山田 静音PCシリーズは、静音ケース、静音ファンを組み合わせたというだけではなく、公的第三者機関の無響室で動作音検証、冷却ではCPU温度計測を行ない、その計測値を製品ページに掲載しております。ファンはNoctua、ケースはCooler MasterのSilencio、そのほか電源やビデオカードはセミファンレス機能付きのものを組み合わせるなどパーツ選択にもこだわっています。

無響室での実験風景。構成はあくまで一例。詳しくは既報記事をチェックして欲しい

山田 もう一つPremium Lineについては、メンテナンスやBIOS更新といったサービスに加え、数年が経過しアップグレードをご検討になる時、旧パーツを下取りしてアップグレードを行なうサービスやビデオカード換装のサービスもご用意しています。Premium Lineは長く愛用していただきたいというコンセプトのシリーズで、それを支えるさまざまなサービスをご用意しています。

先月よりPremium LineシリーズにRyzen 5000シリーズを搭載した新製品「Premium-Line B550FD-A-Mini」の発売も開始。PCケースにウォルナットの上部ウッドパネルを備えたFractal Design「Era ITX Titanium Gray」を採用し、高級オーディオのようなリビングにも調和するデザインとなっている

Ryzen搭載モデルは売上構成比で6割を占める

――AMD製品についてはいかがでしょうか。売れ筋のCPUなどを教えて下さい。

山田 AMDのCPUでもっとも売れているのはRyzen 9 5900Xです。また、コストパフォーマンスの点ではRyzen 5 5600Xも売れています。これは現在ビデオカードの価格が上昇しているため、CPUのコストを抑えてビデオカードに回そうというニーズが高まっていることもあります。
 ただし、もちろん在庫があればの話です。Ryzen 9に関する在庫のお問い合わせはよくいただきます。当社のTwitterなどで随時在庫の告知をしておりますのでご覧いただけると幸いです。

公式Twitterでは、質問箱への質問の回答なども随時行なわれている

――シェア率はいかがですか?

山田 ライバルのインテルとの出荷比率は長期スパンで見れば5:5でしょうか。ただ、Ryzen 9に在庫がある時にはRyzenが6:インテルが4になることもありますし、年末セールの際には7:3にもなりました。
 当社の顧客層は30台半ばよりも上の方が多く、自由に使える予算がある傾向にあります。また、分かっているユーザーも多いことから「一番上のPC」、「もっともよいPC」を選ばれる傾向にあります。その点ではRyzen Threadripperも売れています。複数のシリーズでThreadripper搭載モデルをご用意しています。

32コアなど、非常にコア数の多いRyzen Threadripper搭載モデルは、高画質のCGや映像編集を扱うクリエイター、とにかくハイエンドなPCが欲しいエンスージアストのユーザーに人気。高価ではあるが、使用用途によっては、その分確かな満足度が得られる

Ryzen搭載PCならPCI Express Gen4対応の
最新Ryzen 5000シリーズ搭載モデルがイチオシ!

――Ryzen 5000シリーズの在庫が足りないという声をよく聞きますがいかがでしょうか。

山田 当社としては常に最新のRyzen 5000シリーズを推しています。ただし在庫が揃わないものもありまして、Ryzen 3000シリーズを搭載するモデルも展開しています。3000シリーズの中ではRyzen 7 3700Xがよく売れています。ただしハイエンド志向のお客様が多いこともあって、Ryzen 5 3600Xモデルはあまりパッとする売れ行きではない印象です。また、ストレージはAMD CPUを選ぶ方の多くがPCI Express Gen4対応SSDをお選びになる傾向があります。つまりRyzen 5000シリーズですね。
 興味深いことにIntel CPUを購入されるお客様はプラットフォームとしては第11世代Coreと500シリーズチップセットでPCI Express Gen4に対応したのですがまだPCI Express Gen3対応SSDを選ぶ方が多くいらっしゃいます。こうしたところからも、Intel CPUを選ぶお客様は少し慎重な安定性重視、AMD CPUを選ぶお客様はPCの知識も豊富な性能重視の傾向と言えるように思います。

――Ryzen 5000シリーズのリリース以降、お客様の傾向やニーズに変化はありましたか?

山田 Ryzenも5000シリーズになりシングルスレッド性能が高くなりました。それに合わせて増えてきたのがゲーミングPCのニーズです。目的のゲームタイトルを聞きますと、「サイバーパンク2077」のように特に負荷が重いタイトルを楽しまれる傾向にあるようです。売れているビデオカードの傾向からもうかがえますが「レインボーシックスシージー」などの、比較的軽量なタイトルを目的に挙げるお客様は少ないです。

ゲーミングPCの「G-Master Spear X570A II」(21万1950円~)は、標準構成はゲーマーに根強い人気の「Ryzen 7 3800X」だが、最新の第4世代Ryzen 5 5600X~Ryzen 9 5950Xまでカスタマイズ可能。X570マザーボードを標準搭載し、高い拡張性と性能を有する

山田 ただし、マザーボードに関して言えば、ハイエンドゲーミングマザーボードが売れるかと言うと、どちらかと言えばゲーマーにもクリエイターにも適したASRockの「Taichi」やASUSの「ROG STRIX」が選ばれています。実際、アンケートをとるとゲーミングが主目的というよりも「ゲームもする」といったニーズがお客様の傾向ですね。

――Radeon RX 6000シリーズに関してはいかがでしょうか。

山田 購入される全体的なボリュームではGeForceに軍配が上がりますが、Ryzenとの組み合わせでオールAMD構成を選ばれるAMDファンの方はいらっしゃいます。Radeon RX 6000シリーズでもRadeon RX 6800 XTは発売当初はよく売れました。また、Radeon RX 6900 XTも当社はかなりの数を入れてまだ在庫がありますので、お探しの方は当社製品をチェックいただけるとうれしいです。

同社のカスタマイズでは、電源ユニットが850W以上の選択で、Radeon RX 6900 XTのリファレンスが選択できる
Radeon RX 6900 XTのリファレンスカード

山田 少し昔の話になりますが、Radeonでは一世代前のRadeon RX 5700 XTが予想以上に売れました。PCI Express Gen4という最新インターフェースを採用し、ライバル不在といったタイミングが相乗効果を生んだように感じています。
 Radeon RX 6000シリーズもレイトレーシングなしの純粋なGPU性能では決して負けていないと思います。Radeon RX 5000シリーズの時のようにベストなタイミングでCPU&GPUをリリースすることや、やはりお客様がAMD製品に求めているのは「新しいテクノロジーを他社に先駆けて採用する」といったところなのではないでしょうか。

スーパーカー的PCが欲しいというお客様に応える
サイコム厳選パーツの高信頼PC

――今オススメしたいモデルをご紹介いただけますか。

山田 まず小さめのミニタワー筐体でも冷えてさらに静かという使い勝手のよさで「Silent-Master NEO B550A Mini」ですね。ベース構成はRyzen 5 3600+GeForce GTX 1660 SUPERの組み合わせですが、カスタマイズでRyzen 9 5900XやGeForce RTX 3070というハイパフォーマンス構成も可能です。

「Silent-Master NEO B550A Mini」は、前述した公的第三者機関を利用した静音検証を実証したモデル。Cooler Master製「Silencio シリーズ」ケースを採用するほか、同社独自の静音ファンを備え、高い静音性と冷却性を実現している

山田 そこに「長期間の保証」やアップグレードしながら使いたいというニーズが加われば「B550FD-A-Mini」をオススメします。こちらはさらにコンパクトな筐体と24cm級の水冷CPUクーラーを組み合わせ、CPUはRyzen 9 5900Xまで、ビデオカードはGeForce RTX 3060までが組み合わせ可能です。高性能CPUが搭載できメモリも最大64GB、一方でGPUがRTX 3060でも大丈夫という点ではクリエイター用途にも最適ではないでしょうか。

――最後に読者に向けてメッセージをいただけますか。

山田 サイコムらしさは品質です。サイコムと言えばNoctua。Asetek同様、Noctuaとも直接取引をさせていただいています。また、こだわるお客様にはセンチュリーマイクロ製メモリもご用意しています。
 お客様がサイコムのPCに求めているのは「スーパーカー」ではないでしょうか。Ryzen 9 5950Xや5900X、GeForce RTX 3090などを搭載した50万円、60万円するようなPCを買っていかれるように、とにかく速いもの、上級のものを選んでいかれます。そのため、こちらも部材としてしっかりとしたものをラインナップするよう心がけています。

――今後もコダワリ抜いた製品開発に期待します。本日はありがとうございました。

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