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強力な冷却性能と多彩なサウンド機能を併せ持つAMD Ryzen 7 5800H モバイル・プロセッサー搭載ゲーミングノートPC<Legion 560 Pro>

宮崎真一 編集●村野晃一(ASCII)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

ゲーミング向けで自作PC市場を中心に、AMDのCPU「Ryzen™」が、比較的安価ながらもコア数が多いコスパのよさから快進撃を見せている。とくに、最近はPCでただゲームをプレイするだけでなく、実況配信したり、プレイ動画を録画したりと、SNSを活用しながらゲームをプレイするために、CPUのコア数も重要視されてきているというのが、その背景にあるのだろう。

それは、ゲーミング向けノートPCでも同じで、最近の半導体不足からまだモデル数が潤沢とはいえないものの、AMDのZen 3アーキテクチャーを採用したモバイル向けAMD Ryzen™シリーズは、市場の注目を集めている。NVIDIAもモバイル向けGeForce RTX 3000シリーズを投入しており、それらを組み合わせたモデルは、ゲーマーにとって垂涎の的と言っても過言ではないだろう。

レノボ・ジャパンが発売する<Legion 560 Pro>も、そうしたモバイル向けAMD Ryzen™とモバイル向けRTX 3000シリーズを組み合わせたゲーミング向けノートPC。CPUには「AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー」を、GPUには「GeForce RTX 3070 Laptop」(以下、モバイル向けRTX 3070)を搭載し、このクラスでは珍しい16型液晶パネルを採用したモデルだ。では、この<Legion 560 Pro>で、ゲームはどの程度快適にプレイできるのだろうか。<Legion 560 Pro>の仕様を紹介するととも、実際にテストを行いそのポテンシャルに迫ってみたい。

Legion 560 Proの主なスペック
CPU AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサー(3.2GHz~最大4.4GHz)、
8コア/16スレッド
グラフィックス GeForce RTX 3070
メモリー 16GB(8GB×2)
ストレージ 512GB SSD(M.2接続/NVMe対応)/1TB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレイ 16型(2560×1600ドット)、IPSパネル、リフレッシュレート165Hz、
Dolby Vision、AMD FreeSync、NVIDIA G-SYNC、ノングレア
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェース USB 3.1 Type-C×2(左側面はDisplayPort出力機能付き、
背面はDisplayPort出力機能、Powerdelivery対応)、USB 3.0×4、HDMI出力、有線LAN端子、
マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
内蔵カメラ 720pウェブカメラ、プライバシーシャッター(電子式)採用
Office Office Home & Business 2019/ー
サイズ/重量 およそ幅356×奥行264×高さ26.85mm/約2.45kg
OS Windows 10 Home(64bit)

強力な冷却機能で高性能を発揮
Nahamic採用で多機能なサウンド周りを実現

冒頭でも述べたとおり、<Legion 560 Pro>はCPUにAMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサーを採用。このAMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサーは、8コア16スレッドのCPUで、定格クロックは3.2GHzと抑えめながらも、ブーストクロックは4.4GHzまで上昇する。Zen 3アーキテクチャーを採用しているため、デスクトップ向けの「AMD Ryzen™ 7 5800X プロセッサー」の低クロック版と捉えると、AMD Ryzen™ 7 5800H モバイル・プロセッサーのパフォーマンスをイメージしやすいのではないだろうか。

「CPU-Z」(Version 1.96.1)の実行結果

一方のGPUは、モバイル向けRTX 3070で、デスクトップ向けRTX 3070と同じ「GA104」コアを採用している。モバイル向けRTX 3070には5120基のCUDA Coreが搭載され、これはデスクトップ向けRTX 3070の87%ほどの規模にあたる。また、第2世代となったリアルタイムレイトレーシング向け演算ユニット「RT Core」や、第3世代のAI推論エンジンアクセラレータである「Tensor Core」を搭載している点はデスクトップ向けから変わっていない。なお、グラフィックスメモリーにはGDDR6が8GB組み合わされている。

「GPU-Z」(Version 2.39.0)の実行結果

NVIDIAコントロールパネルから確認したシステム情報の詳細 その1

NVIDIAコントロールパネルから確認したシステム情報の詳細 その2

さて、これらの強力なCPUとGPUがフルに性能を発揮できるよう、<Legion 560 Pro>では「Legion Coldfront 3.0」と呼ばれる独自の冷却機能を用意。この「Legion Coldfront 3.0」は、2つのファンの間を4本のヒートパイプで接続し、これらのファンの回転数を「Lenovo Legion AI Engine」という独自AIが最適化し、ゲーム中何時間も最高のクロック速度を維持する。

なお、付属アプリケーションの「Lenovo Vantage」では、サーマル・モードとして「パフォーマンス」「バランス」「静音」の3つのモードを用意。工場出荷時設定はバランス・モードで、パフォーマンス・モードではファンの回転速度と消費電力の上限を引き上げ、パフォーマンスの向上を図ることが可能。一方の静音モードでは、消費電力とファンの回転速度を抑えて、その名のとおり静音性の向上が可能になっている。また、サーマル・モードは、わざわざ「Lenovo Vantage」を起動しなくても、”Fn” + ”Q” キーで切り替えることも可能だ。

CPUとGPUのそれぞれのファンを核にした冷却システムの「Legion Coldfront 3.0」を搭載

底面は3分の1強の面積がスリット状の吸気孔となっており、側面と合わせて背面へとエアフローはかなり強力だ

付属アプリケーションの「Lenovo Vantage」

「Lenovo Vantage」には3つのサーマル・モードが用意されている

ストレージには、NVMe接続でM.2タイプSSDを500GB搭載。試用機では、SSDにはWestern DigitalのSN730シリーズが採用されていた。なお、ラインナップにはストレージのSSDを1TBに変更したモデルも用意されているので、多くのゲームをインストールしたり、動画編集を行ったりするユーザーであれば、そちらを選ぶとよいだろう。

「CrystalDiskInfo(Version 8.12.0)」から搭載しているSSDの詳細を確認したところ

サウンドユーティリティには「Nahimic」を装備。この「Nahimic」では、バーチャルサラウンドが利用可能なほか、爆発音などを大きく再生するバスブースト機能なども用意されている。ゲーマーにとっては、足音などで敵プレイヤーの位置を把握するシーンがあるが、その位置を正確に示すサウンドトラッカーは使い勝手が高い。また、2つのヘッドフォンへの同時出力もできるなど、この「Nahimic」により、サウンド周りは非常に多機能となっている。

スピーカーは底面の前方寄りの両側面に1基ずつ搭載されているが、その音質は筆者の主観であることを断ったうえで述べると、非常にクリアな印象を受けた。「Nahimic」と組み合わせることで、低音も十分強調されるあたりは評価できるポイントだろう。

サウンドユーティリティの「Nahimic」を使えばバーチャルサラウンドが利用可能

「Nahimic」にはマイクのエコー除去や正面だけの音声を拾うビームフォーミングといった機能も用意されている

サウンドトラッカーを利用すると、ゲーム内で音が発生した位置を正確に把握することができる

複数のヘッドフォンに同時出力が可能なSOUND SHARING PLUSはなかなかユニークな機能だ

そのほか、1000BASE-Tに対応した有線LANを備えるほか、Wi-Fi 6をサポートした無線LANを装備。Wi-Fi 6の真価を発揮するには対応ルーターが必要となるが、それでも場所を選ばず高速なデータ転送が利用できる点はかなり魅力的だ。

165Hz駆動の16型液晶パネルを採用
キーボードの打鍵感は上々

続いては、<Legion 560 Pro>の外観を順に見て行こう。外観は黒一色で、天板に配されたLegionロゴが光る程度と、ゲーミング向けモデルとしてはかなり落ち着いたデザイン。そのため、ゲーミング向けモデルではあるが、仕事用や家庭用に使ってもまったく違和感はない。

液晶ディスプレイは、16型のノングレアタイプのIPS方式で、最近では珍しいアスペクト比16:10のものを採用。解像度は2560×1600ドットまでサポートする。両側のベゼルは、実測で5mmほどしかなく、16型という画面サイズも手伝って画面の迫力はかなり大きい。また、リフレッシュレート165MHzをサポートしている点も、ゲーマーにとっては見逃せないポイントだ。さらに、Dolby Visionをサポートするほか、HDR 400に対応した500nits以上のピーク輝度、それにsRGB色域カバー率は100%を誇るなど、画質の高さも特筆すべきトピックの1つと言える。

5mmほどしかない狭縁デザインの液晶パネル。16型という画面サイズも手伝い、画面のインパクトはかなりのもの

キーボードは、日本語配列のテンキーを含めた105キータイプのものを搭載。キーピッチは実測で約19mmとゆったりしており、キーストロークも同1.8mmと、ノートPCとしては比較的深めで、打鍵感は上々だ。キーボードは、内部の熱で温かくはなるものの、長時間使い続けても熱いと感じることはまったくなかった。このあたりは、前述した「Legion Coldfront 3.0」により、効果的な冷却が行われていると捉えてよさそうだ。キーボードにはバックライトLEDが備わっている。これらのLEDは、4ブロックに分かれており、ユーティリティアプリ「Lenovo Vantage」から色や光り方の変更が可能。ここで、「ウェーブ」などを選択すると虹色に流れるように点灯し、かなり派手めに演出できる一方で、全部白色にすると、かなり落ち着いた雰囲気にすることも可能だ。

テンキーも用意された日本語配列の105キータイプのキーボード。カーソルキーが少し離れて配置されているあたりは使いやすい

Lenovo VantageからキーボードのバックライトLEDの制御が可能

入出力インターフェースも確認しておこう。左側面は、USB 3.1 Type-Cとヘッドセット入出力端子という構成。このUSB 3.1 Type-Cは、DisplayPortに対応しているため、ここから映像出力も可能になっている。一方の右側面は、UBS 3.0が1つのみだが、内蔵カメラのオン/オフ切り替えスイッチが用意されている点はおもしろい。PCでボイスチャットする際に、意図せず内蔵カメラが有効になってしまたっという話はよく聞くが、このスイッチで明示的に無効にしておけば、そういう失敗も起こることがなくなるというわけだ。そして、背面にはUSB 3.0が3つとUSB 3.1 Type-C、それにHDMIと有線LANのRJ-45端子が並ぶ。背面のUSB 3.1 Type-CもDipslayPort出力に対応しているほか、USB PDもサポートしている。USB PD対応機器を接続する場合は、左側面ではなく背面のポートを使用する必要がある点は注意しておきたい。

左側面はUSB 3.1 Type-Cとヘッドセット入出力端子が並ぶ

右側面のインターフェースはUSB 3.0が1つだけというシンプルな構成

背面にはUSB 3.0×3、USB 3.1 Type-C、HDMI、RJ-45、電源端子が用意されている

レイトレを有効にしても快適プレイを実現
165Hz駆動の液晶パネルを活用できる性能

それでは、<Legion 560 Pro>のパフォーマンスを、「3DMark」(Version 2.18.7185)のベンチマーク結果から順に見て行こう。<Legion 560 Pro>は、Fire Strike“無印”で2万以上のスコアを発揮し、テスト解像度が4KとなるFire Strike Ultraでも6000台と、非常に良好なスコアを残した。このあたりは、GPUのモバイル向けRTX 3070が真価を発揮している。これは、DirectX 12のテストであるTime Spyも同様で、さすがにTime Spy Extremeにもなると描画負荷が大きいため5000を割ってしまうものの、Time Spy“無印”では1万に迫る勢いを見せている点は立派の一言。

では、実際のゲームパフォーマンスはどうなのか、『Cyberpunk 2077』の結果に移ろう。ここでは、「レイトレーシング:中」プリセットに指定してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.2)で取得した。<Legion 560 Pro>の液晶パネルのアスペクト比が16:10ということもあり、テスト解像度は2560×1600ドットと1920×1200ドットを選択している。その結果だが、レイトレーシングを有効にしていることもあって、フレームレートは全体的に低め。とはいえ、2560×1600ドットでは常時40fps以上、1920×1200ドットで常時50fpsと、快適なプレイが実現できている。レイトレーシングを使用しても、これだけ高いパフォーマンスを発揮している点は、<Legion 560 Pro>の強みと言えよう。

さらに『Tom Clancy`s Rainbow Six Siege』ではどうなのだろうか。ここで、最高プリセットに設定し、ゲームに用意されたベンチマークモードを実行している。その結果だが、<Legion 560 Pro>は2560×1600ドットで最小フレームレートは200fpsに迫る勢いを見せており、1920×1200ドットなら常時200fps以上のフレームレートを実現。FPSやTPSでは、高リフレッシュレートの液晶ディスプレイと組み合わせて有利な立ち回るというのが1つのトレンドになっているが、<Legion 560 Pro>は165Hz駆動の液晶パネルと合わせて、そのトレンドに即したゲーム環境が構築できているというわけだ。

『Apex Legends』でも<Legion 560 Pro>のパフォーマンスは良好だ。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得した。<Legion 560 Pro>は、2560×1600ドットで常時120fps以上のパフォーマンスを発揮し、1920×1200ドットになると最小フレームレートは170fps台まで向上した。ここでも165Hz駆動の液晶パネルを活用したいのであれば、1920×1200ドットでのプレイをオススメしたい。

『Fortnite』では、最高プリセットを適用し、ゲームをプレイ。『Apex Legends』と同様にFrapsでフレームレートを計測している。『Fortnite』では、最高プリセットだと描画負荷が大きく全体的にフレームレートは低めだが、それでも2560×1600ドットで常時60fps以上という高い性能を発揮。1920×1200ドットになると、常時100fps以上のフレームレートを実現しており、ここでも快適なプレイができていることは誰の目にも明らかだろう。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。ここでは、最高品質に指定してベンチマークを実行しているが、<Legion 560 Pro>は2560×1600ドットでも14000弱という高いスコアを叩き出している。スクウェア・エニックスの指標では、スコア7000以上が最高評価とされており、<Legion 560 Pro>は2560×1600ドットでその倍近いパフォーマンスを発揮していることになる。スコアの詳細を確認すると、2560×1600ドットでも<Legion 560 Pro>は最小フレームレートが40fpsと、プレイにまったく支障がない結果を残している。

ゲーム以外のパフォーマンスもチェックしておきたい。そこで、「PCMark 10」(Version 2.1.2508)の無償版でも実行できるPCMark 10“無印”のテストを実行しておこう。その結果だが、総合スコアは6850と良好で、スコアの詳細を見ると、基本性能を見るEssentials、オフィスアプリケーションの性能を測るProductivity、コンテンツ制作のパフォーマンスを知るDigital Content Creationのすべてで1万に迫るスコアを発揮している。つまり、<Legion 560 Pro>はゲーム以外の用途でも、活躍できるパフォーマンスを備えていると言っていいだろう。

PCMark 10の実行結果

最後に「CrystalDiskMark」(Verison 8.0.1)で、SSDの性能もチェックしておこう。その結果だが、<Legion 560 Pro>は、シーケンシャルアクセスはリードとライトともに3000MB/s前後の高いデータ転送速度を発揮。ランダムアクセスも、シーケンシャルアクセスほどではないものの400MB/s前後の結果を出しており、ゲームのロードなどでストレスを感じることはまずないはずだ。

CrystalDiskMarkの実行結果

性能の高さを考慮すると十分お買い得

以上のテスト結果から明らかなとおり、<Legion 560 Pro>のゲームパフォーマンスはかなり高い。多くのゲームが2560×1600ドットで快適なプレイを実現できており、解像度を1920×1200ドットに変更すれば、FPSやTPSなどでフレームレートを稼ぎ、リフレッシュレート165Hzを活かすことも可能だ。とくに、16型の液晶パネルの迫力は狭縁デザインと相まって予想以上に大きく、ゲームの没入感はかなり高い。「Nahimic」による優れたサウンド機能、「Legion Coldfront 3.0」による、静音性を保ちながらの高い冷却性能も魅力的だ。

<Legion 560 Pro>は決して安価と言える価格ではないものの、これだけ高い性能と機能性に富んでいることを考慮すると、十分にお買い得感の高いマシンと言っていいだろう。


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提供(PR):レノボ・ジャパン

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