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【注目Radeonピックアップ!第33回】

ミドルレンジながら高耐久部材を採用したASRock「RX 6700 XT Challenger Pro OC」をレビュー(2/2)

RTX 3060 Tiより1割ほど高速
多くのゲームが快適にプレイ可能

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード ASRock「Radeon RX 6700 XT Challenger Pro 12GB OC」(Radeon RX 6700 XT)、
NVIDIA「GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition」
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

それでは、RX 6700 XT Challenger Pro OCのテスト結果に移ろう。今回、比較対象には同じミドルレンジ向けということで「GeForce RTX 3060 Ti」(以下、RTX 3060 Ti)を用意した。RX 6700 XT Challenger Pro OCのグラフィックスドライバは「Radeon Software Adrenalin 21.5.2 Optional」で、RTX 3060 Tiは「GeForce Game Ready ドライバー 466.47」をそれぞれ利用している。それ以外のテスト環境は表のとおり。

まずは「3DMark」(Version 2.18.7185)からだが、RX 6700 XT Challenger Pro OCは、Fire StrikeでRTX 3060 Tiにおよそ10~17%の差を付けた。特に、テスト解像度が2560×1440ドットとなるFire Strike Extremeで両者の差が最も広がっている点は興味深い。

その一方で、DirectX 12のテストとなるTime Spyでは、RX 6700 XT Challenger Pro OCはRTX 3060 Tiの後塵を拝す形となった。これは、RTX 3060 Tiを始めとしたAmpere世代のGPUが、Time Spyで高いスコアーを出す傾向があるためだ。

では、実際のゲームではどうなのか、「BIOHAZARD VILLAGE」の結果を見てみよう。ここでは、オプションからグラフィックス自動設定で「画面品質重視」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートをGPUOpenの「OCAT」で取得している。

なお、OCATの仕様上、最小フレームレートの代わりに全体の1%のデータが位置する1パーセンタイルフレームレートを使用し、グラフ中の表記はMinimum(1%)としている。その結果だが、RX 6700 XT Challenger Pro OCは3840×2160ドットでも、常時70fps以上のパフォーマンスを発揮。1920×1080ドットに至っては、1パーセンタイルフレームレートでも約190fps以上と、RTX 3080 Tiから10%ほどフレームレートが向上している点は評価に値する。

続いて「Call of Duty: Warzone」では、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイ。その間のフレームレートを先ほどと同じくOCATで取得した。その結果だが、RX 6700 XT Challenger Pro OCは、平均フレームレートでRTX 3060 Tiからおよそ8~12%ほど差を付けている。

さらに1パーセンタイルフレームレートでは、3840×2160ドットこそRTX 3060 Tiに追いつかれているものの、それ以外の解像度ではおよそ13~15%も引き離しており、ゲームの快適性はRX 6700 XT Challenger Pro OCに軍配が挙がる。

「DEATH STRANDING」では、最高プリセットを適用してゲームをプレイし、これまでと同じくOCATでフレームレートの取得を行なっている。ここでは、両者の差は平均フレームレートで2~5%に詰まってはいるものの、RX 6700 XT Challenger Pro OCの優位性は変わらない。

1パーセンタイルフレームレートを見ると、やはり3840×2160ドットではRX 6700 XT Challenger Pro OCはRTX 3060 Tiを引き離せていないもいのの、1920×1080ドットでは10fps近く向上している点は目を見張るものがある。この結果を見れば、どちらがより快適にプレイできるかは言うまでもないだろう。

その一方で、Radeonシリーズが不得手とする「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、その例に漏れずRX 6700 XT Challenger Pro OCはRTX 3060 Tiに遅れを取っている。ここでは、描画負荷が最も大きくなる最高品質でベンチマークを実行しているが、RX 6700 XT Challenger Pro OCは、RTX 3060 Tiにおよそ7~11%ほど離されてしまっている。

これは、同ベンチマークがGeForceシリーズへの最適化が進んでいるためだが、それでもRX 6700 XT Challenger Pro OCは、3840×2160ドットで9000以上のスコアーを発揮。スクウェア・エニックスの指標では、スコアー7000以上が最高評価とされており、それを踏まえるとRX 6700 XT Challenger Pro OCは、3840×2160ドットでも十分な評価だ。

ただ、3840×2160ドットでは最小フレームレートが20fpsまで低下してしまうが、より快適なプレイを目指したいのであれば、最小フレームレートが60fpsだった1920×1080ドットを選択するとよいだろう。

価格は11万円以上と高価だが
性能や機能など費用対効果は十分

以上のテスト結果から明らかなとおり、RX 6700 XT Challenger Pro OCのポテンシャルはかなり高い。ゲームによっては4K解像度でも快適なプレイが可能で、FPSやTPSで高フレームレートを狙いたいのであれば、1920×1080ドットを選択することでそれは十分可能だ。ゲームを快適にプレイしたいのであれば、RX 6700 XT Challenger Pro OCは魅力的な1枚ではないだろうか。

RX 6700 XT Challenger Pro OCの価格は、実売で11万4000円~11万9000円前後と、ミドルレンジ向けの製品としては高価な感は否めない。ただ、パフォーマンスの高さや基板の品質の高さ、それにGPUクーラーの豪華さを考えると、費用対効果は十分と言える。ミドルレンジのグラフィックスカードの購入するのであれば、このRX 6700 XT Challenger Pro OCは一考の価値ありだ。


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