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FidelityFXは古いGPUの延命にかなり有効 AMD GPUロードマップ (1/4)

大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

 今週はまたもやAMDのGPUの話題だ。ただしGPUそのものではなく、AMDが6月22日に発表した、FidelityFX Super Resolution(FSR)の話である。第一報はすでに掲載されているが、もう少し突っ込んだ解説をしよう。

 FSRは、基本的にはアップスケーリングを利用した性能改善技術である。例えば4K(3840×2160ピクセル)の画像を4Kとしてレンダリングするのでなく、フルHD(1920×1080ピクセル)としてレンダリングして、そのまま縦横2倍にすれば出力そのものは4Kながら、GPUの負荷はフルHDと大して変わらないということになる。

 もちろんそのままでは画質の細かさはフルHDのままなので、ディテールを補完することで「4Kらしく」見せる技術が必要である。

アップスケーリングテクニックのいろいろ。といっても、今までは補完技術がそれほど進化しておらず、下手をすると猛烈な負荷になるということであまり実装されてこなかった

 実はこれに関してはTV向けの方がむしろ先行していた。古いところでは2008年に東芝のREGZAに搭載された超解像技術がまさにこれである。もっとも高価な大画面TV(この2008年モデルの場合、フルHDで一番安い37V型で24万前後である)だからこそ、アップスケーリング専用チップを搭載して処理をさせることで対応したが、同じことをPCのGPUでやろうとすると負荷が大きすぎることもあって、なかなか普及してこなかった。

 ここに2018年に投入されたのがNVIDIAのDLSSである。今回のAMDのFSRを含む従来のアップスケーリングにともなう画質改善処理は基本的にはアルゴリズムベースである。これに対してDLSSは、元画像とこれを縮小した画像のセットを大量に学習させ、これを基に縮小した画像からそれに相当する元画像を出力する、という機械学習の手法を使って画質改善を図ったものだ。

 ただしこのためには膨大な推論処理が必要になる。DLSSがTensor Coreを搭載したNVIDIAのGPUでしか利用できないのは、Tensor Coreでこの推論処理を行なわせているためである。しかし、FSRでは従来型のアルゴリズムベースのアップスケーリングで、DLSSと比べても遜色ない品質を保てるとしている。

詳しくは後述するが、FSRは4段階の設定が可能で、品質と速度のバランスを取れる

 具体的にはどんな処理になるのか? 例えばQuality Modeの場合、以下の2パスで構成される。

  • 元画像を1.5倍に拡大
  • 独自のアルゴリズムで画質補完
この倍率はQuality Settingによって変化する。ちなみにこの画像そのものは説明用のもので、おそらく3枚とも一緒(Photoshopで比較してみたが差が見当たらなかった)

 描画パイプラインは下の画像の通りで、まず前段でアンチエイリアスとトーンマッピングだけ済ませてから、アップスケーリングとシャープニングを実施、後段で必要ならノイズ付加などをすることになる。

この処理はどこで動いているかといえばドライバーではなく、ゲーム内部の描画パイプラインに組み込まれる形になる(これはDLSSも同様)
おそらくこの画像も全部一緒。単に説明のためにいれただけのようなので、この画像を拡大しても差はわからない

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