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【注目Radeonピックアップ!第34回】

RTX 3080 Tiを圧倒する水冷モデル、Sapphire「TOXIC AMD Radeon RX 6900 XT Extreme Edition」をレビュー (1/2)

 CPUの冷却に関しては、かなり簡易水冷クーラーの普及が進んでいる。特にハイエンド向けモデルでは、空冷クーラーでは冷却性能が足りず、簡易水冷クーラーしか選択肢がないという場面も起きている。しかし、グラフィックスカードにおいては、簡易水冷タイプはあまり見かけない。その理由は、GPUクーラーを取り外すと補償範囲外になってしまうことに加えて、各社で基板レイアウトが異なる点が挙げられる。

 しかし、中には最初から簡易水冷クーラーを搭載したグラフィックスカードも存在する。Sapphireの「TOXIC AMD Radeon RX 6900 XT Extreme Edition」(以下、TOXIC RX 6900 XT EE)もその中の1つ。GPUにはAMDの「Radeon RX 6900 XT」を採用した製品で、同社がエンスージアスト向けに展開するTOXICブランドに属するモデルだ。では、このTOXIC RX 6900 XT EEはどの程度のパフォーマンスを発揮するのだろうか。簡易水冷クーラーを採用するメリットとデメリットについても詳しく見ていきたい。

オーバークロック機能のTOXIC BOOSTを実装
PerformanceとSilentの2つのvBIOS搭載

 まずは、TOXIC RX 6900 XT EEの動作クロック設定から説明していこう。TOXIC RX 6900 XT EEのゲームクロックは2375MHz、ブーストクロックは2525MHzで、リファレンス比で前者は360MHz、後者は275MHz引き上げられたクロックアップモデル。なお、メモリークロックは16Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりはない。

Radeon Softwareからスペックを確認したところ
GPU-Zの実行結果

 さらに、付属アプリケーションの「SAPPHIRE TriXX」(Version 8.3.0)には、「TOXIC BOOST」という機能が用意されており、1クリックで自動オーバークロック機能が利用可能。このTOXIC BOOSTを適用させると、ブーストクロックは2730MHzまで上昇する。これはリファレンスから480MHzも高く、冷却性能の高い簡易水冷クーラー採用モデルならではだ。

 なお、実際にTOXIC BOOSTを使用してみると、「GPU-Z」(Version 2.40.0)読みで、メモリークロックも16.8Gbpsへと引き上げられていた。

リアルタイムモニタリング機能などを備えた付属アプリケーションのSAPPHIRE TriXX
SAPPHIRE TriXXには画像をシャープにする「Radeon Image Sharpening」の設定も用意されている
1クリックでオーバークロック動作を実現するTOXIC BOOST

 TOXIC RX 6900 XT EEには、ブラケットにほど近いカード側面に用意されたディップスイッチで、3種類のvBIOSを切り替えられる。工場出荷時設定はブラケット側の「Software Switch Mode」で、これは前述のSAPPHIRE TriXXからvBIOSの変更を可能にするというもの。そのほか、ディップスイッチの中央が「Silent Mode」、ブラケットと反対側が「Performance Mode」となっている。

ブラケットのすぐ近くに実装されたvBIOS切り替え用のディップスイッチ
TOXIC BOOST適用時のGPU-Zの実行結果

 Performance Modeの動作クロック設定は前述のとおり。一方のSilent Modeは、GPU-Zの表記を見る限り、ゲームクロックが2250MHz、ブーストクロックが2435MHzと、Performance Modeから前者は125MHz、後者は90MHz低下した。

 つまり、Silent Modeはその名のとおり、動作クロックを抑えることで消費電力が低い静音向け設定と言ってよさそうだ。なお、Silent Modeでもメモリークロックは16Gbpsのままで変化はなかった。

Silnet ModeでのGPU-Zの実行結果

カード長は268mmと比較的コンパクトだが
ラジエーターの設置場所に注意

 それでは、カードそのものについて見ていこう。カード長は実測で約268mm(※突起部除く)で、RX 6900 XTリファレンスカードが同266mmだったので、それとほぼ同じ長さと言える。

 ただし、TOXIC RX 6900 XT EEはそこから40cmほどのホースが2本ラジエーターに伸びており、そのラジエーターは360mmサイズとなかなかな大きさだ。特に、すでにCPUで簡易水冷クーラーを使用している場合などはよりラジエーターの設置場所が限られるので、PCケースに設置できるかどうか事前に確認する必要があるだろう。

カードとラジエーター間には長さが40cmの2本のホースが伸びている。ラジエーターは360mmサイズと大きいため、ケースを選んでしまう点はデメリットの1つ

 GPUクーラーは、2.5スロット占有タイプで、カード全体にカバーが取り付けられ、箱のようにも見える。カード自体には100mm角相当のファンが1基搭載され、ラジエーターには120mm角ファンが3基装着されている。

 これらのファンは、GPUへの負荷が低いアイドル時には回転を停止する機能を搭載しているほか、SAPPHIRE TriXXから動作チェックが行なえる点はなかなかユニーク。また、Sapphireによると、簡易水冷クーラーを採用したことで、動作音は34dBA未満に抑えられているとのこと。

カードを横から見たところ。2.5スロット占有タイプのため、若干厚みがある

 裏面には金属製バックプレートが装着され、TOXICのロゴにLEDが埋め込まれてるほか、側面のSAPPHIREロゴ、前面のTOXICロゴやファン、それにラジエーターの3基のファンと、点灯する場所は多い。これらのLEDはSAPPHIRE TriXXで一括制御でき、明るさや光り方を自分好みにカスタマイズすることが可能だ。

カード裏面には金属製バックプレートを搭載。後方に配されたTOXICロゴがLEDにより点灯する
SAPPHIRE TriXXには、7通りの光り方が用意されている

 補助電源コネクタは、8ピン×2+6ピン×1という仕様。RX 6900 XTリファレンスカードが8ピン×2だったのと比べると、6ピン1本分の電力供給が増強されている。また、映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4×3とHDMI 2.1×1という構成。RX 6900 XTリファレンスカードにあったUSB Type-Cは省略され、代わりにDisplayPortが増えた格好だ。

補助電源コネクタは8ピン×2+6ピン×1という豪勢な仕様。なお、コネクタは切り欠きにより一段低い箇所に実装されている
映像出力インターフェース、DisplayPortが3つにHDMIが1つという、このクラスの製品ではよく見かける構成

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