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【注目Radeonピックアップ!第34回】

RTX 3080 Tiを圧倒する水冷モデル、Sapphire「TOXIC AMD Radeon RX 6900 XT Extreme Edition」をレビュー(2/2)

RTX 3080 Tiに1割以上の差を付ける性能
4K解像度でも快適なプレイを実現

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード Sapphire「TOXIC AMD Radeon RX 6900 XT Extreme Edition」(Radeon RX 6900 XT)、
NVIDIA「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

それでは、TOXIC RX 6900 XT EEのパフォーマンスをチェックしていこう。今回、比較対象には「GeForce RTX 3080 Ti」(以下、RTX 3080 Ti)を用意。ハイエンドにおいて、TOXIC RX 6900 XT EEがRTX 3080 Tiに匹敵するポテンシャルを備えているかどうかを確認しようというわけである。

なお、TOXIC RX 6900 XT EEはPerformance Modeでテストを行ない、TOXIC BOOSTは利用していない。また、使用したドライバーは、テスト時の最新となる「Radeon Software Adrenalin 21.6.2」で、それ以外のテスト環境は表のとおり。

まずは定番アプリケーションの「3DMark」(Version 2.19.7216)からだが、テスト解像度がフルHDのFire Strike“無印”では、CPUがボトルネックとなり両者の差が詰まっている。

しかし、Fire Strikeのそれ以外の解像度では、TOXIC RX 6900 XT EEがRTX 3080 Tiに19~20%もの差を付けている点は立派。RTX 3080 Tiを始めとしたAmpere世代のGPUが得意とするTime Spyでも、Time Spy“無印”では、依然としてTOXIC RX 6900 XT EEが6%上につけ、Time Spy Extremeでようやく差が埋まるといった形だ。

では実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、オプションからグラフィックス自動設定で最も描画負荷が大きい「限界突破」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.3)で取得している。なお、最小フレームレートの代わりに、全体の1%にあたる1パーセンタイルフレームレートを利用し、Minimum(1%)と表記することをここで断っておく。

その結果だが、TOXIC RX 6900 XT EEはRTX 3080 Tiに対して、平均フレームレートで11~12%、Minimum(1%)で11~13%の溝を空けた。特にTOXIC RX 6900 XT EEは、3840×2160ドットで最小フレームレートが100fpsを大きく上回っている点は評価に値する。

続いて「DEATH STRANDING」では、オプションから最高プリセットを適用した状態でゲームをプレイ。先ほどと同様にCapFrameXでフレームレートを計測した。

ここでも、TOXIC RX 6900 XT EEは好調だ。平均フレームレートにおけるTOXIC RX 6900 XT EEとRTX 3080 Tiとの差は7~13%。また、Minimum(1%)の2560×1440ドットでは、TOXIC RX 6900 XT EEはRTX 3080 Tiを18%も引き離しており、格の違いを見せ付けている。どちらがより快適にプレイできるかは、もはや言うまでもないだろう。

さらに、「Call of Duty: Warzone」では、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートをCapFrameXで取得している。その結果だが、平均フレームレートでは、3840×2160ドットこそ詰め寄られてはいるものの、TOXIC RX 6900 XT EEはRTX 3080 Tiに10~18%もの溝を空けており、まったく相手にしていない。

また、Minimum(1%)では、2560×1440ドットで、RTX 3080 Tiが144fpsに届いていないのに対して、TOXIC RX 6900 XT EEは大きく上回っている点は、コアなプレイヤーには魅力的ではないだろうか。

最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果もチェックしておこう。ここでは、描画負荷が最大となる最高品質に設定してベンチマークを実行している。

このベンチマークは、GeForceシリーズへの最適化が進んでいるため、Radeonシリーズは不利な戦いを強いられるが、TOXIC RX 6900 XT EEもその例に漏れず、RTX 3080 Tiの後塵を拝す形となった。

とはいえ、スクウェア・エニックスの指標では、スコア7000以上が最高評価とされており、TOXIC RX 6900 XT EEは3840×2160ドットでもその倍以上のスコアを発揮。TOXIC RX 6900 XT EEは、プレイヤーキャラクターが多い場面でも、画面がカクつくことなく、快適なプレイが実現できそうだ。

価格は32万円台半ばと非常に高価
パフォーマンスや静音性の高さは魅力的

以上のテスト結果から明らかなように、TOXIC RX 6900 XT EEのパフォーマンスは非常に高い。簡易水冷クーラーを採用したことで、高い動作クロックを実現し、それがパフォーマンス向上に繋がっている。

特に、RTX 3080 Tiをほとんどのゲームで大きく凌駕している点に興味を持つ人も多いのではないだろうか。TOXIC RX 6900 XT EEは、TOXIC BOOSTを適用するとさらにフレームレートの上昇が期待でき、少しでも高フレームレートが欲しいコアなプレイヤーの食指が動く存在であることは間違いない。

ただ、TOXIC RX 6900 XT EEの実売価格は32万円台半ばと非常に高価。さらに、PCケースには320mmサイズのラジエーターを搭載できるだけの余裕が必要というデメリットもある。だが、それらの問題点をクリアできる人にとっては、GPUクーラーの冷却性能と静音性の高さ、それにゲームパフォーマンスの優秀さにおいて、魅力的なカードであることは間違いない。


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