RTX 3080 Tiから2割以上高い性能
フルHDなら常時200fps以上が期待できる
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 （16コア/32スレッド、3.4～4.9GHz） |
| マザーボード | ASRock「X570 Taichi」（AMD X570） |
| メインメモリー | DDR4-3200 16GB（8GB×2） |
| グラフィックスカード | ASUS「ROG-STRIX-LC-RX6900XT-T16G-GAMING」（Radeon RX 6900 XT）、 NVIDIA「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」 |
| SSD | Plextor「PX-512M9PeG」（M.2、NVMe、512GB） |
| 電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」 （1200W、80PLUS Gold認証） |
| OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 |
それでは、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGのパフォーマンスを実際に確かめてみたい。今回、比較対象には「GeForce RTX 3080 Ti」（以下、RTX 3080 Ti）を用意。ハイエンドクラス同士でパフォーマンスを比較しようというわけだ。なお、グラフィックスドライバーには、「Radeon Software Adrenalin 21.7.2 Optional」を利用している。これはテスト時に最新バージョンとなるものだ。それ以外のテスト環境は表のとおり。
まずは、「3DMark」（Version 2.19.7225）からだが、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGはFire StrikeでRTX 3080 Tiに最大で21％もの差を付けた。
Fire Strike“無印”で両者は肩を並べているが、これは解像度が低いテストではCPUがボトルネックになったためだ。解像度の高いFire Strike ExtremeやFire Strike Ultraでは、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGの動作クロックの高さが奏功している。一方、Time Spyでは、Fire StrikeよりもCPU性能がスコアに与える影響が大きいため、両者の差は3～9％程度にまで詰まっている。
では、実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、オプションからグラフィックス自動設定で最も描画負荷が大きい「限界突破」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」（Version 1.6.4）で取得している。なお、最小フレームレートの代わりに、全体の1％となる1パーセンタイルフレームレートをMinimum（1％）として用いていることをここで断っておく。
その結果だが、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGは、平均フレームレートでRTX 3080 Tiに10～13％の差を付けた。3DMarkほどの開きはないものの、Minimum（1％）でも8～10％の溝を空けており、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGの快適性は申し分ない。特に1920×1080ドットでは、限界突破の設定でMinimum（1％）が200fpsを超えている点は、なかなかインパクトが大きい。
続いて「DEATH STRANDING」の結果に移ろう。ここでは、オプションから最高プリセットを選択してゲームをプレイ。先ほどのバイオハザード ヴィレッジと同様に、CapFrameXを用いてフレームレートを取得している。
その結果だが、ここでもSTRIX-LC-RX6900XT-GAMINGは、平均フレームレートでRTX 3080 Tiを7～13％ほど引き離している。さらにMinimum（1％）では、2560×1440ドットで両者の差が16％にまで達しており、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGが格の違いを見せ付けている。
「Call of Duty: Warzone」のパフォーマンスはどうだろうか。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームプレイ。これまでと同様にフレームレートの測定にはCapFrameXを用いている。
その結果だが、これまで以上にSTRIX-LC-RX6900XT-GAMINGのパフォーマンスが良好だ。平均フレームレートでは、1920×1080ドットでSTRIX-LC-RX6900XT-GAMINGがRTX 3080 Tiに23％の差を付けたほか、Minimum（1％）では同じ1920×1080ドットで200fpsを超えるパフォーマンスを発揮。実フレームレートでその差は20fpsにも達しており、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGのほうが有利に立ち回れることは間違いない。
最後に、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。ここでは、描画負荷が最大となる「最高品質」でベンチマークを実行している。
同ベンチマークは、GeForceシリーズへの最適化が進んでおり、ここではSTRIX-LC-RX6900XT-GAMINGは苦しい戦いを強いられている。とはいえ、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGは3840×2160ドットでも15000を超えるスコアを発揮しており、これはスクウェア・エニックスの指標で最高評価になるものだ。STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGでも、ゲームの快適性は十分と言える。
価格は実売で30万円以上と非常に高価だが
ゲームで最高性能を得られる逸品
以上のテスト結果から明らかなとおり、STRIX-LC-RX6900XT-GAMINGのパフォーマンスは申し分ない出来だ。やはり、簡易水冷クーラーを採用したことで動作クロックが向上し、それがゲームパフォーマンスにおいてはかなり大きな武器になることは間違いない。
価格は実売で31～36万円ほどと非常に高価であるため、万人にオススメできる製品ではないが、FPSやTPSで少しでも高いフレームレートが欲しいユーザーや、MMORPGなどを高解像度で快適にプレイしたい人には、このSTRIX-LC-RX6900XT-GAMINGはかなり魅力的な製品ではないだろうか。
