RX 6900 XTが強みを発揮するのは限定的
RX 6700 XTでも十分快適なプレイが可能
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メインメモリー | DDR4-3200 16GB(8GB×2) |
グラフィックスカード | ASUS「ROG-STRIX-LC-RX6900XT-T16G-GAMING」(Radeon RX 6900 XT)、 Radeon RX 6800 XT リファレンスカード、 Radeon RX 6800 リファレンスカード、 Radeon RX 6700 XT リファレンスカード |
SSD | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」 (1200W、80PLUS Gold認証) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 |
それでは、SCARLET NEXUSにおけるフレームレートを実際に確かめてみたい。今回は、表に示すようなテスト環境を用意した。グラフィックスカードだけを入れ替えることで、GPUごとのSCARLET NEXUSにおけるフレームレートが取得できるというわけだ。グラフィックスドライバーには、「Radeon Software Adrenalin 21.7.2 Optional」を利用。これは、テスト時に最新バージョンとなるものだ。
さて、テストを行なうにあたり、街中を移動するシーンと、敵との戦闘シーンの2つを用意した。いずれも、「Fraps」(Version 3.5.99)を用いて1分間のフレームレートを取得するテストを2回行ない、その平均を結果として採用している。また、解像度には3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットの3つを選択した。
まずは移動シーンだが、こちらは「スオウ京 龍神区」というエリアにある大通りを移動するシーンを選択している。このシーンでは、道路を自動車が行きかい、歩道に多くの通行人がいるため、何気ない風景ではあるものの描画負荷が高めだ。ストーリーを通して、幾度となくこのシーンは登場するので、フレームレートが低いと結構ストレスを感じてしまう。
さて、その結果だが、2560×1440ドット以下の解像度であれば、RX 6700 XTでも常時60fps以上のフレームレートを発揮した。ただ、これらの解像度では、上位モデルから下位モデルにかけてしっかりと階段状に結果が並んでいるものの、RX 6900 XTとRX 6700 XTとの差は、平均フレームレートで5~6%ほど、最小フレームレートで6~8%ほどしかなく、上位モデルのアドバンテージはそれほど大きくない。これらの解像度でSCARLET NEXUSをプレイするのであれば、RX 6700 XTで十分と言って差し支えない。
その一方で、3840×2160ドットではその様相が大きく変わってくる。3840×2160ドットでは、RX 6900 XTをもってしても最小フレームレートは60fpsに届かず、RX 6700 XTにおいては平均フレームレートがほかより大きく落ち込む結果になってしまっている。
SCARLET NEXUSを快適にプレイするためには常時60fpsは必要なく、50fpsもあれば十分なので、RX 6700 XTでもそれほどゲームの快適性が損なわれているわけではない。だが、3840×2160ドットでより快適にプレイしたいのであれば、RX 6800以上のGPUを用意するほうが得策だろう。
ただ、2560×1440ドット以下の解像度の結果がそうであったように、3840×2160ドットでもRX 6900 XTのアドバンテージはあまりない。SCARLET NEXUSの描画負荷が大きくないのがその理由だろう。
では、別のシーンではどうだろうか。戦闘シーンとして、「キクチバ 上層工事区域」で敵を2体倒す間のフレームレートを、先のスオウ京 龍神区と同様にFrapsで計測した。SCARLET NEXUSは戦闘シーンが多く、その際のフレームレートがどの程度になるのかは気になるところではないだろうか。
その結果だが、1920×1080ドットでは4者で大きな差は見られなかった。RX 6700 XTでも最小フレームレートは100fpsにあと一歩のところまで迫っており、快適にプレイできることは間違いない。戦闘中に画面がカクつくといった心配はまったく無用だ。
2560×1440ドットでは若干傾向が異なり、RX 6900 XTが平均フレームレートで頭一つ抜きん出る形になった。RX 6900 XTとRX 6800 XTとでは、平均フレームレートで1割近い差があり、RX 6900 XTが上位モデルの意地を見せ付けている。
3840×2160ドットでは、RX 6900 XTがさらに強さを発揮。平均フレームレートではRX 6800XTに28%の溝を空け、最小フレームレートも90fpsに迫る勢いを見せている。
その一方で、RX 6700 XTは上位モデルと比較すると、やはりフレームレートは低めだ。とはいえ、3840×2160ドットで最小60fpsを上回っている点は評価でき、平均フレームレートも100fps弱というのは立派の一言。
このシーンでは、RX 6900 XTが最上位モデルらしく強みを発揮する一方で、RX 6700 XTでも十分快適なパフォーマンスを発揮している。下位モデルでも十分快適なプレイが可能で、上位モデルならさらに上積みが期待できる結果と言ってよさそうだ。
4K解像度でも快適なプレイを実現
これから始めたい人にとってハードルの低さは魅力的
以上のテスト結果からも明らかなとおり、SCARLET NEXUSの描画負荷はかなり低めで、RX 6700 XTでも4K解像度で快適なプレイが実現可能だ。その一方で、移動シーンなどではRX 6900 XTを選ぶ理由は見当たらないものの、戦闘シーンでは平均フレームレートがしっかりと伸びており、より快適なプレイが得られる点は評価したいところ。
SCARLET NEXUSはTVアニメ化もされており、そこからゲームに興味を持つ人も少なくない。そういった人がゲームを始めてみたいと考えたときに、RX 6700 XTでも高いフレームレートが得られるほどのハードルの低さは、かなりうれしい点ではないだろうか。
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