製品名:X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)
メーカー:GIGABYTE
実売価格:4万4000円前後
AMD X570チップセットを搭載する2021年リフレッシュモデルが、各社から続々と登場している。その中から今回は、GIGABYTEのX570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)をピックアップしてみよう。
「X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)」の主なスペック | |
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対応ソケット | Socket AM4 |
チップセット | AMD X570 |
フォームファクター | ATX |
メモリースロット | DDR4×4(最大128GB) |
対応メモリークロック | DDR4-5400+(OC)~3300(OC)、DDR4-3200~2133 |
拡張スロット | PCI Express 4.0 x16×2(x16/-、x8/x8)、PCI Express 4.0 x16(x4)×1 |
ストレージインターフェース | SATA 3(6Gbps)×6、M.2(PCIe 4.0 x4)×3(#3利用時はSATA #5-6と排他) |
ネットワーク | 2.5Gb LAN(Intel I225-V)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200) |
サウンド | 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC1220-VB) |
リアインターフェース | USB 3.2 Gen 2×2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×4、USB 3.2 Gen 1 Type-A×3、USB 2.0×4、HDMI 2.1×1、オーディオ端子×5、S/PDIF×1など |
M/B上インターフェース | アドレサブルRGB LEDヘッダー×2、RGB LEDヘッダー×2、CPUクーラー用LEDヘッダー×1、USB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダー×1、USB 3.2 Gen 1ヘッダー×2、USB 2.0ヘッダー×2、Thunderbolt AICヘッダー×1、TPMヘッダー×1など |
リフレッシュモデルでは「X570S」の呼称を用いるものが多いが、チップセットとしてX570Sがあるわけではない。「S」は従来のモデルとリフレッシュモデルを区別するために追加されたものだ。
AMD X570チップセットが登場したのはRyze 3000シリーズのタイミングで、今から2年前のことだ。当時から先進的だったAMD X570チップセットは現在でも問題なく通用するが、2年という間により高速のUSBが登場したり、デザインのトレンドに変化があったりした。今、新規にPCを組もうという方から見れば、2年前のスペックやデザインのものよりも現在のトレンドに即した製品のほうがより魅力的に映るだろう。
また、X570Sを謳う製品が従来のX570マザーボードと異なる点として、チップセットファン不要というところが異なる。既存のX570マザーボードでも特別なヒートシンクでファンレスを実現しているモデルはあるが、そうした製品は高級なものが多い。対して今回のX570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)は、ハイエンドではあってもフラッグシップではない。つまりファンレスがより身近なものになる。チップセットファンのノイズを懸念していた方にとっては、こうした点がX570Sのポイントになるだろう。
X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)の前身はX570 AORUS PROだが、デザインはかなり異なる。チップセットファンの有無だけでなく、チップセットヒートシンクからM.2ヒートシンクまでが一体型になり、見た目のインパクトが大きくなった。デザイン的にもAORUS PROがよりハイエンド寄りになった印象だ。
VRMヒートシンクは前モデルと同様に、放熱面積を増やす「Fins-Array」とブロック型ヒートシンクを組み合わせている。ただし、X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)ではFins-Array IIへと進化した。Fins-Array IIはフィンの実装をより高密度化し放熱面積を拡大、冷却性能が向上している。
VRMの12+2フェーズ構成は数の上では同等だ。ただし、チップ構成は違っている。X570 AORUS PRO (rev. 1.0)はInfineon製PWMコントローラを採用していたのに対し、X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)はRenesas Electronics「RAA229004」を採用している。RAA229004を採用しているがPCB裏にフェーズダブラーは見られず、1系統に2つのMOSFETを直接接続する方法を採用しているように見える。
組み合わせるMOSFETは12フェーズ側を60A対応のON Semiconductor「NCP252160」とし、アンコア側残り2フェーズにVishay Intertechnology「SiC654A」(50A)を組み合わせている。すべてを60A対応とせず、比較的要求が緩いアンコア側を50A対応品とするあたりは合理的な設計と言えるだろう。