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【AMDチップセットマザーボードレビュー第40回】

時代に合わせた2.5GbEやWi-Fi 6、USBも強化されたX570マザーGIGABYTE「X570S AORUS PRO AX」(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

USB 3.2 Gen 2×2や2.5GbE、Wi-Fi 6、
これからの時代に欲しい機能を搭載

拡張性の面では、PCI Express x16スロットが3本というシンプルなスロットレイアウトになった。前モデルではこれにPCI Express x1スロット1本が加えられていたが、それを失った格好だ。代わりに増えたのがM.2スロット。前モデルは2スロット、X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)は3スロットになる。

3本のPCI Express x16スロットの間にM.2スロットをレイアウト

インターフェースで追加されているのは、まずUSB 3.2 Gen 2×2。データ転送速度が10GbpsのUSB 3.2 Gen 2までは前モデルでも対応していたが、その倍である20GbpsになったUSB 3.2 Gen 2×2を搭載したことで、より新しい世代のストレージなどにも対応可能だ。

Intelの最新チップセットはチップセットレベルでUSB 3.2 Gen 2×2に対応したが、設計が2年以上前のAMD X570では別途USB 3.2 Gen 2×2チップを搭載することで対応する。X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)が採用しているのはASMedia「ASM3241」だ。

バックパネルにはUSB 3.2 Gen 2×2 Type-Cや2.5GbE、Wi-Fi 6アンテナなど高速インターフェースが並ぶ

USB 3.2 Gen 2×2を実現するASMedia「ASM3241」

フロントUSBはUSB 3.2 Gen 2 Type-C

そのほか、Thunderbolt AICヘッダーを搭載しており、Thunderbolt拡張カードを搭載すれば、40GbpsのType-Cインターフェースを追加できる。

Thunderbolt AICカードを追加する際に必要になるヘッダー。その横にはPOSTプロセスの進行状況を把握するためのLEDがある

ネットワークの強化もポイントだ。前モデルでは1GbEを採用していたが、X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)では現在のトレンドである2.5GbEに対応した。また、「AX」の型番のとおり、前モデルでは非搭載だったWi-Fi 6が追加されている。有線・無線ともに最新スペックに引き上げられたことでより快適なネットワーク環境を構築可能だ。

2.5GbEチップはIntel I225-V

オーディオ回路は、コーデックにRealtek「ALC1220-VB」を採用。ヘッドホンアンプ付きで接続機器のインピーダンスの自動検出といった機能を備えるほか、フロント/リアマイクのS/N比は110dBとされている。

コーデックはRealtek「ALC1220」

コンデンサはニチコン製とWIMA製が実装されていた

LEDイルミネーションは、I/Oシールドカバー部分とオーディオ回路部分のカバーに搭載している。チップセットヒートシンクは発光しない。LEDストリップ用のヘッダーは豊富に備えているが、全体としてはやや控え目と言えるだろう。

各種LEDヘッダーも用意している

AMD X570が最新トレンドを纏って蘇る
もちろんデザイントレンドも

X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)は、AMD X570チップセットを搭載したリフレッシュモデル。リフレッシュというだけに機能のアップグレードが行なわれ、「今組みたい」という方にとって機能面で見劣りすることがなくなった。

X570の旧モデルをお使いの方が乗り換えるというのはサイクルが短すぎるように思うが、CPUをRyzen 3000シリーズから5000シリーズに更新しようといったタイミングであれば、そのついでとして良いアップグレードになるかもしれない。

デザイン面では、まずファンレスな点とヒートシンクが目を引く。見た目もスッキリしたが、これに加えてLEDも大人しく落ち着いた印象だ。マザーボード自体がLEDで発光するよりも、ヘッダーを用意してユーザーに選択を任せるスタンスが徐々に増えてきているので、こうしたデザイン的トレンドを取り入れたことも、X570S AORUS PRO AX (rev. 1.0)の魅力と言えるだろう。


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