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【注目Radeonピックアップ!第36回】

シンプルでお買い得! WQHDゲーミングに最適な玄人志向「RD-RX6700XT-E12GB/DF」をレビュー(2/2)

2560×1440ドットで真価を発揮する傾向
RTX 3060 Tiに10%ほどの溝を空ける場面も

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード 玄人志向「RD-RX6700XT-E12GB/DF」(Radeon RX 6700 XT)、
NVIDIA「GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition」
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

それでは、RD-RX6700XTの実力を確かめてみたい。今回は、同じミドルレンジ向けモデルとして、比較対象に「GeForce RTX 3060 Ti」(以下、RTX 3060 Ti)を用意。RD-RX6700XTには、グラフィックスドライバーとしてテスト時に最新バージョンとなる「Radeon Software Adrenalin 21.8.1 Optional」を利用した。それ以外のテスト環境は表のとおりとなる。

まずは、「3DMark」(Version 2.19.7227)の結果からだ。Fire Strikeの総合スコアを見ていくと、RD-RX6700XTはRTX 3060 Tiに7~12%の差を付けた。興味深いのは、AMDがRX 6700 XTのゲーム環境として想定する2560×1440ドット解像度のFire Strike Extremeで、両者の差が最も広がっている点だ。

それは、DirectX 12のテストとなるTime Spyでも同様で、テスト解像度が3840×2160ドットとなるTime Spy ExtremeではRTX 3060 Tiに逆転を許してしまうものの、Time Spy“無印”では、2%ではあるがRD-RX6700XTがRTX 3060 Tiを上回るパフォーマンスを発揮。2560×1440ドットがスイートスポットになるように最適化が施されている印象だ。

では、実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、オプションのグラフィックス自動設定から「限界突破」を選択。その上でゲームをプレイする間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.4)で取得した。なお、ここでは最小フレームレートに代わって全体の1%のデータとなる1パーセンタイルフレームレートを採用し、文中とグラフ中ともにMinimum(1%)と表記する。

その結果だが、RD-RX6700XTとRTX 3060 Tiとの差は平均フレームレートで1~5%といったところ。特に2560×1440ドット以下の解像度でRD-RX6700XTの優位性が際立つ結果になっている。

Minimum(1%)を見ると、RD-RX6700XTは3840×2160ドットこそ60fpsを切ってしまうものの、2560×1440ドット以下の解像度であれば、安定して100fps以上のフレームレートを維持しており、快適にプレイできることは間違いない。

続いて「Call of Duty: Warzone」の結果に移ろう。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを先ほどのバイオハザード ヴィレッジと同様にCapFrameXで計測している。

その結果だが、両者の差は平均フレームレートで6~9%で、2560×1440ドットでその差が最大となっているあたりは3DMarkとよく似た傾向だ。また、Minimum(1%)の結果を見ると、RD-RX6700XTは3840×2160ドットこそRTX 3060 Tiに抜かれてはいるものの、そのRTX 3060 Tiでも50fps程度しか発揮できておらず、Call of Duty: Warzoneを快適にプレイできるとは言い難い。

そのため、実用的な解像度は2560×1440ドットまでとなるが、この解像度での平均フレームレートでは、RD-RX6700XTはRTX 3060 Tiに実フレームレートで12~13fpsほどの差を付けている点はかなり大きい。これだけの差があれば、実際のプレイでも両者の違いは体感できるほどだ。

さらに、「DEATH STRANDING」では、オプションから「最高プリセット」を選択。その上でゲームをプレイし、「Fraps」(Version 3.5.99)でフレームレートを取得している。その結果だが、RD-RX6700XTとRTX 3060 Tiの平均フレームレートでの差は1~9%ほど、解像度が低いほうが両者の差が大きくなった。

最小フレームレートに目を移すと、1920×1080ドットはRTX 3060 Tiが優位に立つものの、2560×1440ドット以上の解像度ではRD-RX6700XTが逆転を果たし、3840×2160ドットでは3%の溝を空けている。これは、RD-RX6700XTがグラフィックスメモリーを12GB搭載していることが奏功したと捉えてよいだろう。また、3840×2160ドットでは常時70fps近いパフォーマンスを発揮しており、DEATH STRANDINGを快適にプレイできることは誰の目にも明らかだ。

最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果もチェックしておこう。ここでは、描画負荷が最も大きい「最高品質」に指定してベンチマークを実行しているが、同タイトルはGeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズは苦しい戦いを強いられている。

それはRD-RX6700XTも同様で、RTX 3060 Tiに7~15%もの差を付けられてしまっている。とはいえ、スクウェア・エニックスが示す指標では、スコア15000以上が最高評価とされており、RD-RX6700XTは2560×1440ドットでもそれを満たしている点は立派。スコアの詳細を見ても、RD-RX6700XTは2560×1440ドットにおける最小フレームレートは63fpsと高い結果を残しており、キャラクターが多い場面でも快適なプレイができることは間違いない。

市場想定価格は税込みで7万3700円
シンプルで高性能なカードが欲しい人向け

以上のテスト結果から明らかなように、ゲームにおけるパフォーマンスでは、RD-RX6700XTがRTX 3060 Tiの一歩上を行っている。特に2560×1440ドットで高いパフォーマンスを発揮する傾向があり、同解像度でのゲームプレイを考えている人にとって、このRD-RX6700XTは、かなり魅力的な製品ではないだろうか。また、コンパクトなサイズで扱いやすい点も、RD-RX6700XTのアドバンテージと言っていいだろう。

RD-RX6700XTの市場想定価格は7万3700円ほどと、ほかのRX 6700 XT搭載モデルが8万円~10万円で販売されているのに比べると、かなりお買い得感は高い。シンプルで高性能なカードが欲しいというユーザーにとって、このRD-RX6700XTは食指が動く1枚ではないだろうか。


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