B550 PG Riptide
●ASRock
実売価格:未定(10月中旬予定)
ASRockのゲーミングマザーボード「Phantom Gaming」の新モデルとして「B550 PG Riptide」が登場した。Phantom Gamingを略して「PG」としたのは先にリリースされているVelocita。PG RIPTIDEのポジショニングはPG VelocitaとPhantom Gaming 4の間とされる。
たしかにAMD B550モデルで見るとPG Velocitaは2万円台半ばで、Phantom Gaming 4は1万円台前半で2つの価格はやや離れていた。この間を埋めるちょうどよい機能、ちょうどよい価格の主力製品となるのがB550 PG Riptideだ。
「B550 PG Riptide」の主なスペック | |
---|---|
対応ソケット | Socket AM4 |
チップセット | AMD B550 |
フォームファクタ | ATX |
メモリースロット | DDR4×4(最大128GB) |
対応メモリークロック | DDR4-4933+(OC)~DDR4-3466(OC)、DDR4-3200~2133 |
拡張スロット | PCI Express 4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x16(x4)×1、PCI Express 3.0 x16(x1)×1、PCI Express 3.0 x1×1、M.2 Key-E×1 |
ストレージインターフェース | SATA3(6Gbps)×6、M.2(PCIe4.0x4)×1、M.2(PCIe3.0x4/SATA)×1※Serial ATA #5-6と排他利用 |
ネットワーク | 2.5Gb LAN(Killer E3100G) |
サウンド | 7.1ch HDオーディオ(Realtek ALC897) |
リアインターフェース | PS/2×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×6、USB 2.0×2、HDMI 2.1×1、オーディオ端子×5、S/PDIF×1など |
M/B上インターフェース | RGB LEDヘッダー×2、アドレサブルLEDヘッダー×2、USB 3.2 Gen1 Type-Aヘッダー×2、USB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダー×1、USB 2.0ヘッダー×3、Thunderbolt AICコネクタ×1など |
B550 PG Riptideの「riptide」の意味は離岸流といったあたりで、ブラックの基板上に波紋をイメージしたグレーのパターンがデザインされている。全体的にモノトーンで、やや落ち着いた大人向けの配色は好印象だ。同時にヒートシンクも小ぶりになってスッキリとしている。このデザインならさまざまな用途、さまざまなケースとの相性もよいのではないだろうか。
CPU電源回路はまず電源端子が8+4ピンで、PWMコントローラはuPI Semiconductor「uP9505S」、MOSFETはDr.MOSタイプのVishay「SIC654」を採用している。ミドルレンジクラスではよく見かけるチップの組み合わせと言える。10フェーズ構成でMOSFETは50A対応、チョークは60A対応とこのあたりは余裕のあるのスペックだ。
充実した高速インターフェース
ライトニングゲーミングポートも搭載
インターフェースは、高速インターフェースを中心に充実している。有線LANは2.5GbEのKiller E3100G。USBはバックパネル側にUSB 3.2 Gen2 Type-C/Aを各1ポート、フロント用にもUSB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダーを備えている。シールド一体型ではないところはコストを抑えるためだろうか。
また、USB 3.1 Gen1 Type-A端子のうち2ポートは、「ライトニングゲーミングポート」に対応する。これは上位モデルのPG Velocitaに初搭載されていたもの。ライトニングゲーミングポートの2ポートにゲーミングキーボードやマウスを接続して利用する。
ライトニングゲーミングポートはそれぞれ個別のコントローラに1対1接続されていると言う。USB自体は転送速度的に十分だが、複数のデバイスを1つのコントローラが制御する一般的な接続方法ではデータの転送タイミングにわずかなズレが生じると言う。ライトニングゲーミングポートはそれを解消でき、キーボードとマウス、どちらもスムーズに、ユーザーの操作どおりのレスポンスが得られると言う。
キャプション:( 11.JPG )バックパネル ライトニングゲーミングポート クローズアップ◎ 同社独自のライトニングゲーミングポートを搭載。高性能ゲーミングキーボードやマウスの性能を引き出しスムーズな操作を可能にする キャプション:( 18.JPG ) ライトニングゲーミングポートの帯域をカバーするためか、そのほかのUSBポートに接続していると思われるUSBハブチップが2つ搭載されていた
ストレージはSerial ATA 3.0 x6およびM.2×2。M.2スロットはCPU直結側がPCI Express 4.0 x4対応で、もう一つのチップセット接続側がPCI Express 3.0 x4またはSerial ATA 3.0。
ただしチップセット接続側M.2スロット利用時はSerial ATA 3.0ポートの#5および#6が利用不可になる。そのほか、無線LANを後から追加するためのM.2 Key-Eスロットも備えている。バックパネルにはアンテナ端子用の穴が2つ設けられている。
拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI Express x1×1。x16スロットは#1がPCI Express 4.0 x16対応。残りのx16スロットはチップセット側に接続されたPCI Express 3.0でレーン数はx4およびx1だ。ビデオカードやx4拡張カードを利用した場合もスロット間隔が空くため、エアフローはよさそうだ。
スロット補強は#1のみで、ビデオカード1枚というスタンダードな構成向きだ。補強についてはアンカー6点に加えてラッチ部分にも金属を用いたものとなっている。加えて、最近の同社ハイエンドマザーボードに付属する「グラフィックスカードホルダー」が同梱されている。マザーボードのサイズをはみ出すハイエンドビデオカードの後部を金属製のグラフィックスカードホルダーが支え、たわみの発生を抑えてくれる。
オーディオ機能はコーデックチップにRealtek ALC897を搭載し、これにNahmic Audioをバンドルしている。コスト重視であれば十分と思われるが、おそらく高音質を追求する方は外付けDACを導入するだとうという考えのもとの採用ではないかと思われる。
LEDはチップセット部分に搭載されている。ワンポイントのアクセントといった感じだ。各種LEDヘッダーも搭載しており、同社Polychrome SYNCによって制御できる。
すぐれたコスト/機能比に注目!
シンプルなヒートシンクはデザインでカバー
B550 PG Riptideは、ゲーミングPC向けに最適であるが、その中でもコストに対する機能を求める方に適しているだろう。注目したいところは3つだ。AMD B550世代で高速インターフェースと呼ばれるものは、無線LANを除けばすべてカバーしている点。部品自体はコストを抑えているもののDr.MOSを用いた10フェーズVRMという電源回路面。
そしてライトニングゲーミングポートやグラフィックスカードホルダーといった付加価値だ。コスト重視であれば妥協する部分だが、これが搭載されていることでほかの用途でも快適で長く愛用できるPCに仕上がるだろう。