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純AMDパッケージで満足感は現行ゲーミングPCの中でもかなり上位のモデルとなるMSI「Delta 15 AMD Advantage Edition」(4/4)

石川ひさよし 編集●ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

モバイルも視野に入るバッテリー駆動時間とスリム&コンパクトなデザイン

Delta 15のデザインについてあらためて見てみたい。カラーリングはカーボングレイで、強い光の下ではややグレーが明るく、通常の照明下では濃い目のガンメタル風にも変化するシックなカラーリングだ。

光の加減で色味が変わるカーボングレイ

本体サイズは約357(W)×247(D)×19(H)mm、重量は約1.9kg。狭額縁の液晶ディスプレイを採用しているため、15.6型だが幅と奥行きがコンパクトで机の上のスペースを有効に使える。厚みが19mm、重量が1.9kgという点にも注目してほしい。いわゆるモバイルノートPCと言えるスリムさで、重量的にもモバイル可能と言える。一般的な15.6型用のノートPCバッグならDelta 15を収めることが可能だろう。

ベゼルは左右が狭額縁仕様。上部ベゼルも幅を抑えている中、92万画素のWebカメラとマイクアレイを搭載している

モバイルではバッテリー駆動が重要になる。Delta 15は大容量の4セル5280mAh、82Whrのリチウムイオンバッテリーを搭載している。バッテリー駆動時は利用するGPUが高性能のRadeon RX 6700Mから電力効率のよい内蔵GPUのRadeon Graphicsに切り換わり、電力消費をセーブする。バッテリー駆動時間は公称で約12時間(JEITA 2.0)とのことだ。

では実際にはどうだろうか。PCMark 10のバッテリーテスト(Modern Officeシナリオ)で検証してみた。電力設定をSuper Batteryとし、そのほかは変更せずディスプレイ輝度も任せ、Wi-Fiもオンの状態で9時間22分という結果。その際のスコアも6491と十分に高かった。PCMark 10のバッテリーテストではPCMark 10の通常テストのワークロードを用いているため、JEITA準拠のものよりも実運用時に近い。高性能モバイルニーズにも十分に対応できる製品だ。

PCMark 10のModern Officeシナリオで9時間22分、6491というパフォーマンススコアをマーク

キーボードは10キーレスの日本語配列でLEDバックライトも搭載している。LEDは各キー個別対応ではなく全体で発光するタイプだが、マルチカラーに対応している。

ゲーミングを意識しすぎず標準的なレイアウトのキーボード。バックライトはマルチカラー対応だが全体が同じ色で発光する

最後にインターフェース。まずDelta 15のポイントに挙げられるのはUSB 3.2 Gen2 Type-Cを搭載している点だ。USB 3.2 Gen2 Type-Cは10Gbpsという高速インターフェースであるが、エントリーモデルでは省かれることも多い。搭載しているというのはDelta 15がアッパーミドルクラスである証でもある。また、本体右側にあるUSB 3.2 Gen2 Type-CポートはDisplayPort Alt-Modeもサポートしており映像出力が可能だ。HDMI端子と合わせると外部ディスプレイ2台と本体ディスプレイによる最大3画面構成が可能になる。

左側面にはACアダプタの電源ジャック、USB 3.2 Gen1 Type-C(DisplayPort Alt-Mode非対応)、USB 3.2 Gen2 Type-A、ヘッドホン/マイクコンボジャック

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort Alt-Mode対応)、HDMIを備える

ネットワークに関しては無線LANのみとなる。スリムなモデルであるため有線LANポートを省いたのだろう。しかし無線LANは最新のWi-Fi 6に対応しており、対応ルータと組み合わせればギガビット級のリンク速度が得られる。

ネットワークは無線のみだが、Wi-Fi 6に対応

オーディオ機能ではヘッドホン出力端子のハイレゾ対応もポイントだ。加えてサウンドユーティリティー「Nahimic」もインストールされている。内蔵スピーカーやヘッドセットでバーチャルサラウンドを楽しめる。

純AMD構成だからこそ実現できたコストパフォーマンス&満足度

Delta 15は重量級AAAタイトルからeスポーツタイトルまで、幅広いジャンルのゲームをそれに最適なフレームレートで楽しみたいという方に向けたスペックだ。とくにR+R構成という純AMDパッケージはポイントに挙げられる。動作音に関しては、V-SYNCオフでフレームレートを計測しており、GPUに最大負荷をかけるためゲーミングノートPCなりの音だ。しかし実際のプレイ、とくにeスポーツやFPSでなければ60fpsで十分という場合も多い。そんなとき、Radeon SoftwareのRadeon Chillをオンにすればターゲットとなる60fpsが出るように消費電力を節約してくれる。つまり発熱も減り静かにプレイできるといった具合だ。こうしたソフトウェアを含む快適さというのも考慮したい。

また、高性能ビジネスモバイルとしての魅力もあるだろう。ゲーミングでありながらスリムで軽量を実現している。13.3型で統合GPUを用いる1kg前後のモバイルとは少し用途が異なるが、ここぞというときに性能が求められる、たとえば出先で3Dデータを動かしたり映像のエンコードが必要だったりといった場合ならDelta 15 AMD Advantage Editionがぴったりだ。ゲーミングでありながらキーボードバックライトをオフあるいはホワイトに設定すればビジネスシーンでも違和感なく使えそうだ。

アルミ合金の新デザインとなる外装は質感もいい

細かいパーツにもワンポイントのデザインを入れるこだわり

最後にコストパフォーマンス。税抜19万8000円、税込みでは20万円を少し超えるがアッパーミドルクラスのGPUを搭載し、ここで紹介したようなフレームレートでゲームが楽しめる。そしてR+R+R、Radeon Softwareを用いたときの快適なパッケージは純AMD構成でしか得られない。トータルでの満足感という点では現行モデル中でもかなり上位のモデルと言えるのではないだろうか。

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