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一言にノートパソコンといっても、目的や用途に応じてさまざまなカテゴリーがある。携帯性に特化した超薄型軽量ノートパソコンや、最新ゲームを快適にプレイできる重量級ゲーミングノートパソコンなど、用途に特化したモデルが数多く登場している。ただ、このように用途に特化したノートパソコンは、性能面や機能面に削られている部分があったり、とても高価格であったりと、難しい一面を抱えていることも多い。
そんな中、一般に売れ筋とされるノートパソコンが、15~16型の大きめなディスプレーにタイピングしやすいフルサイズキーボード、主に屋内での持ち運びを想定したほどほどなサイズの筐体を構え、そしてほどほどの価格帯で提供される、そんなスタンダードノートパソコンと呼ばれるカテゴリーだ。特徴がないのが特徴ともいえるが、さまざまな用途へ対応する汎用性が求められるカテゴリーでもある。
NECパーソナルコンピュータの「LAVIE N15」シリーズは、15.6型ワイド液晶ディスプレーを搭載する個人向けスタンダードノートパソコンとして好評なシリーズで、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広くラインアップが展開されている。2021年10月7日より2021年秋冬モデルの販売が開始されており、今秋リリースされた「Windows 11」を搭載するのが最大の特徴だ。
今回、AMD「Ryzen 7 5800U」を搭載するLAVIE N15シリーズの最上位モデル、「LAVIE N1585/CAL」を試用する機会が得られたので、その実力をチェックしていきたい。
試用機の主なスペック | |
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ディスプレー | 15.6型 フルHD(1920×1080ドット)、IPS方式 |
CPU | AMD「Ryzen 7 5800U」 (8コア/16スレッド、1.9~4.4GHz) |
グラフィックス | AMD「Radeon グラフィックス」(8GBメモリー) |
メモリー | 16GB(DDR4 SDRAM/SO-DIMM 8GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD(M.2接続/NVMe対応) |
光学式ドライブ | Blu-ray Discドライブ |
インターフェース | USB 3.1(Type-C)、USB 3.0(Type-A)×2、有線LAN端子(1000BASE-T)、HDMI出力、ヘッドフォンマイクジャック |
内蔵カメラ | 約92万画素ウェブカメラ(Windows Hello 顔認証対応) |
通信機能 | Wi-Fi 6(IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax)+Bluetooth 5 |
バッテリー駆動時間 | 約7時間 |
サイズ/重量 | 約幅362.4×奥行253.8×高さ22.7mm/約2.2kg |
OS | Windows 11 Home(64bit) |
さまざまな使用シーンにマッチするシックなデザイン
まず、LAVIE N1585/CALの外観からチェックしていこう。スタンダードノートパソコンの本機は、15.6型と比較的大きなディスプレーにテンキー付きフルサイズキーボードが見た目での大きな特徴になる。
本機の第一印象は、落ち着いたお洒落なデザインのノートパソコンというものだった。ネイビーブルーを基調とした塗装は高級感のある表面処理が施されており、天板にあしらえた幾何学的な飴色のロゴマークは大きく主張することもなく、かといって事務用パソコンのような野暮ったさも感じさせない。落ち着いたデザインはさまざまなインテリアにもなじみやすく、また仕事使いでオフィスへ持ち込んでも違和感はないだろう。プライベート、ビジネスを問わず、あらゆるシーンへマッチするデザインはノートパソコンとして大きな強みといえる。
筐体サイズはディスプレーを閉じた状態で約幅362.4mm×奥行253.8mm×高さ22.7mm、重量は約2.2kgとなっている。昨今のスタンダードノートパソコンとしては標準的なサイズだが、ディスプレーの狭額縁化によって、数年前の15.6型スタンダードノートパソコンと比較して一回りは小さくなっている。持ち運びに適した機種というわけではないが、キャリーバッグを用意すれば持ち運びも比較的容易なサイズだ。
ディスプレーのサイズは15.6型で、1920×1080ドット(フルHD)のIPS方式パネルを採用する。高視野角のIPS方式なので上下左右の斜めから覗き込んでも色の変化はほとんどなく綺麗に映る。複数人で覗き込んで使用するといった場面でも問題ないだろう。パネルの表面処理は映像の美しさを保つグレア(反射)タイプを採用しており、画面への映り込みは増えるものの高いコントラスト感と透明感が得られ、特に動画や写真の鑑賞に向いている。
またディスプレー上部のフレーム部分には「Windows Hello対応顔認証機能」を備えたウェブカメラが備え付けられており、セキュリティーを保ったまま素早くサインインできる。
ノートパソコンの使い心地を大きく左右する重要パーツの1つ、キーボードにもこだわりが見られる。LAVIE N1585/CALに備わるキーボードは103キー/JIS標準配列テンキー付き日本語キーボードで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.7mmとなっている。テンキーの配列を縦3列に減らして横方向のスペースに余裕を持たせることでキーピッチを確保しているようだ。
そして1つ1つのキーは中央部分が窪んだシリンドリカル形状になっていて、指で押さえやすい。各キーの隙間を完全に空けてキー配置するアイソレーション設計とあわせて、タイプミスの起こりにくさを配慮したキーボードということが感じられた。また、ディスプレーを開くとキーボードに傾斜が付いてタイピングしやすくなるリフトアップヒンジ機構も備わっている。
キーの打鍵音は静かで、オンライン会議中にキーボードを使用しても大きなノイズにはなりにくいだろう。かといって打鍵感がフニャフニャというわけではなく、一定の押下圧を抜けるとスッとキーが押し込まれ底を打つ感覚が指に伝わり、長時間心地良くタイピングすることができた。
ポインティングデバイスとしてはマルチタッチ、ジェスチャー対応のクリック一体型高感度タッチパッドを備えるほか、Bluetoothマウスが標準で1個同梱されている。
また、電源ボタンの隣にはアプリケーションランチャーとして機能する「ワンタッチスタートボタン」が1つ備わっていて、プリインストールされているアプリ「LAVIEかんたん設定」から好きなアプリケーションの起動に割り当てられる。
続いて、筐体側面に備わる機能を確認していこう。右側面にはBDXL対応のBlu-ray Discドライブが備わっており、映像ソフトを楽しんだり、光ディスクへデータを書き出したりできる。昨今、光学式ドライブを使用する機会は減ってきているが、高い汎用性がウリのスタンダードノートパソコンにおいて内蔵Blu-ray Discドライブはうれしい存在だ。
各種インターフェースは左側面に集中している。ヘッドフォンマイクジャック、USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.0 Type-A×2、HDMI出力、有線LAN、電源コネクターが並んでおり、昨今のノートパソコンに必要なインターフェースは一通りそろっている。
サウンド面で特筆すべき点として、ヤマハ製の2W+2Wステレオスピーカーが挙げられる。コンテンツに応じて音質を調整できる「ヤマハ製AudioEngine」を備えており、ノートパソコン内蔵スピーカーとは思えない音質と音の広がりで音楽や動画を楽しめるようになっている。音質の調整は「LAVIEかんたん設定」内で行ない、音源ソースに合わせて聞きやすく調整することが可能だ。
また、サウンド関連の特殊機能として、オンライン会議で相手側の音声を聞き取りやすく調整してくれる「ミーティング機能」がある。こちら側のミーティング参加人数に応じて、本機の正面でのみ音声を聞き取りやすくするか、それとも左右広い範囲で音声を聞き取りやすくするか、といった調整もできるようになっている。