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前モデルと形状は同じだが、性能は確実に向上
では、性能はどの程度なのだろうか。まずは定番ベンチである「CINEBENCH R23」にてCPU性能から計測していきたい。
マルチコアのスコアーは4コア/8スレッドである従来機が備えるCore i5-1135G7の4006ptsよりも高い6711pts。また、シングルコアのスコアーも1213ptsと、Core i5-1135G7の1102ptsよりも高いスコアーだった。
次にGPUの定番ベンチマークである「3DMark」にて、Fire StrikeとTime Spyのスコアーを計測。
Fire Strikeは3199と、ゲームをプレイするPCとしてはやや低めだが、以前ライターの宮里氏が計測したRyzen 5 4500Uを備えるAYA NEOの2949よりは高く、より動作の重いゲームがプレイできることが分かる。
PCの総合性能を計測する「PCMark 10」ではどうだろうか。
PCMark 10のスコアーは4910と一般的なビジネスノートPCと変わらない数値を記録。特に普段の作業を想定したEssentialsのスコアーは8816と高い。本機はキーボードを搭載し、コントローラー付きの小型PCの中では、クラムシェルのノートPCに近い使い方ができるので、鞄に忍ばせておき外出先で、ちょっとした作業をするのにも適していると言える。
ストレージの速度を計測する定番の「CrystalDiskMark 8.0.4」にて、ストレージの速度も計測。
シーケンシャルリードが2126.53と、SSDとしては一般的な速度。普段使いでも申し分ない性能だろう。
実ゲームのベンチマークとして定番の「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でも計測してみた。解像度は、1280×800ドット、画質設定は「標準品質(ノートPC)」、フルスクリーンモードでの結果が以下のとおりだ。
FF14ベンチマークは、暁月のフィナーレになり、7000以上が「非常に快適」評価と、評価機軸が改められたが、その7000をギリギリ超えて来た。余談だが、最高品質でもスコアーが4892の「快適」評価となった。画質設定次第では、自宅ではディスプレーに接続し、フルHDで遊ぶこともできる性能だ。
今度は実ゲームのフレームレート計測を見ていきたい。まずは、RadeonグラフィックスのDay-0サポートされたマイクロソフトの『Halo Infinite』だ。
解像度スケールは100%(1290×807ドットと表示されていた)、品質プリセット「低」にしてCapFrameXにてフレームレートを計測。スコアーは最大と平均、全体の1%である99パーセンタイルで示す。
Halo Infiniteの推奨スペックはAMD「Radeon RX 5700 XT」とかなり重い。最低スペックでもAMD「Radeon RX 570」とひと昔前のミドルクラスGPUなので、APUではやはり少々厳しいところ。しかしながら、数値は平均で20fpsだが、画面が極端に重く、キャラの動作が重くなるということも、画面がカク付いてプレイできない、と言うほどではなかった。フレームレート上限が60fpsなので、30fpsで普通に遊べるくらいの調整をしているのかもしれない。
Radeonへの最適化によるものなのか、カジュアルには遊べるほどだったので、キャンペーンモードを遊ぶくらいはできそうだ。筆者はFPSをほぼプレイしないので、感覚的に厳しいと思う人は、より解像度を下げることをオススメしたい。
お次はEPIC GAMESストアでPC版が発売されたスクウェア・エニックスの『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』をピックアップ。本作はPlayStation 4&5で発売された『ファイナルファンタジーVII リメイク』にユフィの新規エピソードである『FF7R EPISODE INTERmission』を加えた作品のPC版。
『ファイナルファンタジーVII リメイク』をプレイしたかったがPC版を待っていた、という人には気になる作品だ。解像度は1280×720ドット、テクスチャやシャドウ解像度などは「低」、ダイナミックレンジは「SDR」、キャラクター表示数は初期設定の「8」にしてCapFrameXで計測。
『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』の推奨スペックも『Halo Infinite』と同じくAMD「Radeon RX 5700 XT」だが、こちらは平均41.6fpsとまずまずの結果に。アクション性はあるが、基本はRPGなので60fpsなくても、そこそこ快適にプレイできる。
今度はバンダイナムコエンターテインメントの非常に評価の高い大人気RPG『Tales of ARISE』で計測。解像度は1280×800ドット、画質設定は「MIDDLE」。本作は「アトモスシェーダー」による水彩画のような透明感のある映像美が、高い評価の1つになっている。そのため、オン/オフで切り替えられる画質設定は全て「ON」にしてCapFrameXで計測した。
本作の推奨スペックはAMD「Radeon R9 390」と割と古いハイエンドGPUとなっている。前述した2作品よりは軽めで、画質設定もMIDDLEにしても平均38.6fpsと、そこそこ快適にプレイできる。最小fpsはかなり低いが、仲間と会話ができる「スキット」や、イベントなどが始まる時に瞬間的に落ちるだけだと思われるので、それほど気にする必要はなさそうだ。本作では画質機能をオフにすると、大分雰囲気が変わるので、各設定はONにしたままで快適にプレイできる解像度でプレイするのが良さそうだ。
実ゲームの最後は幅広い年齢層に根強い人気のオープンワールドRPG『原神』だ。解像度は1280×800ドット、画質設定は「高」にしてCapFrameXで計測した。
『原神』はスマホでプレイ可能なRPGということもあり、前述した他のゲームよりも全体的に軽い。そのため、画質設定が「高」でも平均43.4fpsと快適にプレイできる。ちなみに「低」設定では平均59.4fpsと、ほぼ60fps張り付きでプレイ可能。『原神』であれば、「GPD WIN Max 2021 (4800U)」で、画質設定次第で高いマルチスレッド性能を活かし、実況配信しながらのプレイもできそうだ。
高いマルチスレッドでメインPCとしても使えるUMPC
「GPD WIN Max 2021 (4800U)」は、8コア/16スレッドと、仕事やプライベートでメインで使えるほどの高い基本性能を有したUMPCだ。筆者のようにテキスト入力数の多い仕事では厳しいが、しっかりとしたキーボードを備えているので、ちょっとしたメールを送る、外出先でオフィスファイルを確認する、そんな用途で鞄の中に入れておくPCとしても活躍する。
また、一部のAAAタイトルでもなければ、画質設定次第では遊べるポテンシャルを持っていて、コントローラーを備えるため、仕事先での休憩時間や余暇にPCゲームを楽しみたい人にも向く。ややマニアックな使い方になるが、BIOS設定でTDPを下げることもできる。今回検証したような割と重い3D RPGやFPSなどではなく、2D格闘ゲームやアクションゲーム、アドベンチャーゲームが中心で、消費電力と発熱量を抑えたい人は試してみるとイイだろう。
USB Type-CとHDMI出力も可能なので、自宅ではディスプレーとUSBハブ、マウス、キーボードなどを繋げて使うのもアリだろう。実売価格は15万3000円と「Core i7-1195G7」搭載モデルよりもやや高いが、マルチスレッド性能の高さから汎用性はやや高いので損はしない製品として注目だ。
(提供:日本AMD)