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落差の激しい「Forza Horizon 5」
次はレーシング系ゲーム「Forza Horizon 5」を使っての検証だ。解像度動的変更系の機能はオフにし、画質“中”および“エクストリーム”(ただしレイトレーシングはオフ)で比較する。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測するが、いくつか出る数値のうち、GPUフレームレートをピックアップした。
まず中設定だとRX 5500 XTに微妙に劣るもの、平均100fps以上出ていることを考えると、予算をかけたくないゲーマーには良い選択といえるかもしれない。この設定におけるVRAM使用量は3.8GB程度だが、ゲームを少し続けるとVRAM使用量警告が出る(ゲームが落ちる訳ではない)ので、中より下の低設定がRX 6500 XTにおける推奨値といえるだろう。
そしてエクストリーム設定になるとVRAM使用量は7.8GBに膨れあがる(VRAM 8GB環境での話)ため、RX 6500 XTのパフォーマンスは一気に悪化する。RX 6500 XTは最新AAAゲームもプレイアブルなフレームレートで動かすことができるが、画質設定のスイートスポットの小さいGPUであるといえるだろう。
VRS対応のメリットは今ひとつ感じなかった「DIRT 5」
レーシング系最後は「DIRT 5」だ。動的解像度系設定はオフ、画質は“Medium”と“Ultra High”の2通りとしているが、VRS(Variable Rate Shading)が付けられる環境では有効にしている。レイトレーシングは全てオフに設定した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用しフレームレートを計測する。
ここまで画質を下げておけばVRAM搭載量の多いRX 570には勝てるシーンが多く見られたが、DIRT 5のMedium設定ではRX 6500 XTはRX 570よりやや下。今回の検証範囲ではRX 6600と6500 XTでしか使えないVRSはこういうシーンで役に立つと期待していたが、様々なスペックが絞られたRX 6500 XTだと色々厳しいようだ。ちなみにVRAM使用量はMediumで4GB、Ultra Highで4.5GBとあまり差が出ていない。
「MONSTER HUNTER RISE」は快適だがスペックの制約が際立つ
続いてはアクション系ゲームで検証しよう。まずは先日製品版の配信が始まったばかりの「MONSTER HUNTER RISE」だ。画質は“中”“高”の2通りとした。昼時間帯の“大社跡”内を一周した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
PC版MONSTER HUNTER RISEはフレームレート上限撤廃や高解像度のテクスチャーなど、先行する携帯ゲーム機版にない高画質要素を備えているが、動作は非常に軽快だ。RX 6500 XTでも中設定で平均121fps、高設定でも112fps出せるのは嬉しいかぎりだが、中設定ではメモリーバス幅の広い比較対象GPUの方がはるかにフレームレートが出ている。
ただ高設定にすると差が一気に縮まるように見えるが、これはRX 5500 XT〜GTX 1650までのGPUでパフォーマンスが激減していると見るべきだろう。RX 6500 XTはスペックの制約からトップスピードは抑え気味だが、高設定でも劇的にフレームレートが落ちていない。VRAM使用量は中設定で2.9GB、高設定で4.1GBだった。
設定を重くするのはオススメできない「God of War」
最後に検証するのはこれまた最近PC版が配信開始となった「God of War」だ。画質は“オリジナル”と“ウルトラ”設定で比較する。ミズガルズ内の一定のコースを走った時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
God of WarのVRAM使用量は比較的多く、オリジナル設定(これはPS4版の画質準拠のことを指しているのだろう)で4.3GB、PC版独自のウルトラ設定になると7.1GBにもなる。ここから分かる通りオリジナル設定でもRX 6500 XTにはやや厳しい感じだが、それでも60fpsをたまに下回る程度のフレームレートが得られ、平均71fpsとなった。
RX 6500 XTは画質を抑えればRX 570やGTX 1650に比べメモリーバス幅などにハンデがある割には“程々に使える”結果を出している、と評価できる。しかし、VRAM使用量が激増するウルトラ設定になると、RX 6500 XTではキャラを動かすのが精一杯といった感じになる。ウルトラ設定で遊びたいのであれば、RX 6600以上のRadeonが必要になるといえる。