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PCI Express Gen4環境ばかりではない
一応ここでゲーム検証は終了だが、今度はRX 6500 XTのインターフェースのスペックについて考えてみたい。今回の検証環境ではRX 6500 XTのスペックを十全に引き出すべく、PCI Express Gen4をサポートするRyzen 9 5950Xを使用したが、比較的安価なRX 6500 XTは旧世代PCのアップグレード用として考えている人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、検証に使用するCPUはそのままだが、マザーのBIOSでPCI Express x16スロットのリンクをGen3動作に固定し、デフォルトのGen4動作時に比べパフォーマンスが変化するかをチェックする。x16接続の時はPCI Express Gen4とGen3の差は極めて小さい(せいぜい3%程度)が、x4接続のRX 6500 XTではGen4とGen3の差が問題になる可能性も考えるべきだ。
ここではRX 6500 XTのみを検証対象とし、Gen4とGen3におけるゲームのフレームレートを比較する。ベンチマークの条件は前述の通りだ。いくつか代表的な結果だけお見せしよう。
RX 6500 XTの場合CPUに繋がるPCI Expressの帯域も性能に影響する場合がある、ということが分かるはずだ。描画負荷の軽いRainbow Six Siege(中設定)ではほとんど差が出ないが、最高設定ではGen4→Gen3にすることでフレームレートは2/3程度に落ち込む。
Forza Horizon 5でもミディアム設定時は15%下落、エクストリーム設定で50%も減ってしまう。元々の描画負荷が低めのMONSTER HUNTER RISEでは、高設定でもそれほど落ち込まない。ゲームの画質高設定はGPUだけでなくメモリーやCPUとのインターフェースにも高負荷をかける。
RX 6500 XTの製品コンセプトを考慮するとGen3環境でも問題なく動作はするが、Gen4時よりも性能が控えめになることは覚悟しよう。ゲームの画質を中設定以下にする場合でも、Gen3環境で使う場合は最大15%程度のフレームレート減は覚悟しておきたい。
まとめ:評価は価格次第
RX 6500 XTの販売開始は2022年1月21日11時以降であるため、本稿の原稿執筆時点では価格情報は一切知らされていない(低価格帯の製品では各社牽制しあうためギリギリまで販売店しか知らないことが多い)。
筆者はRX 6500 XTの国内価格を3万円前後と予想している。もしおこの通りなら、使い方の縛りが厳しいGPUであるため、ゲームを遊べればよい、という人以外にはオススメできない。ゲームの画質を気にするのであれば、もう少し予算を足してRX 6600を買った方が幸せになれる。
RX 6500 XTに動画のハードウェアエンコード機能があればPremiere Proなどのエンコード処理を加速させる手段としても使えたが、RX 6500 XTではそれもできない。ライトゲーマーだけに絞った製品といえるだろう。