RDNA 2ベースの内蔵GPUは2種類用意
Ryzen 6000シリーズの内蔵GPUは従来のVegaベースからデスクトップ向けRyzenと同じRDNA 2世代のものに更新される。即ちDXR(DirectX Raytracing)やVRS(Variable Rate Shading)など、DirectX 12 Ultimateの機能をフルサポートすることを意味している。ただRyzen 7および9に搭載される「Radeon 680M」はCUが12基、Ryzen 5に搭載される「Radeon 660M」はCU6基であり、Ray Accelerator数はそれぞれ12基、6基と非常に少ない。
メインメモリーがDDR5になったとはいえ、レイトレーシングのパフォーマンスは推して知るべし、使うなら設定を極力絞った上でFSRやRSR(Radeon Super Resolution:そろそろ解放されるらしいが……)を使うことが前提となるだろう。Ryzen 5000シリーズのVegaベースのRadeon Graphicsに比べると最大2倍のパフォーマンスゲインになるとのことなので、この点は非常に楽しみではある。個人的には「AYA NEO」系のポータブルゲーミングデバイスでぜひとも使ってみたい。
Ryzen 6000シリーズの内蔵GPUはデスクトップ向けのRX 6000シリーズと共通のRDNA 2世代のRadeonとなる。ゆえに内部の構造も同じ
Ryzen 7/9に搭載されるRadeon 680Mは右図中のCU+Render Backendその他を含めた“Shader Array”を2基備えるが、Ryzen 5のRadeon 660Mの場合、片方のShader Arrayは搭載されない。Radeon 680Mの最大クロックは2.4GHzに達するとも書かれている(左には最大2.5GHzと書かれているのは謎だが)
11のゲームにおいて前世代の内蔵GPUと比較したところ、フレームレートにおいてRadeon 680Mは最大2倍のパフォーマンスを出した、と主張している
内蔵GPUのパフォーマンスはRyzen 7 6800U(内蔵GPUはRadeon 680M)とCore i7-1165G7で、互いにTDP 28Wで比較。Core i7-1165G7ではフルHDで20〜40fpsなところを、Ryzen 7 6800Uでは40〜70fps程度でプレイできるという
ここではGeForce GTX 1650 Max-Q(CPUはCore i7-10750H)のシステムとRyzen 7 6800Uの内蔵GPUを比較したグラフ。内蔵GPUがディスクリートGPUに勝てないのは変わらないもののかなり詰め寄りました、という主張の込められたグラフ(続く)
(続き)Ryzen 7 6800Uの内蔵GPUでもFSR(左半分)あるいはRSR(右半分)を効かせることで、GTX 1650 Max-Qをフレームレートで上回ることができるという。ただGeForceの場合NIS(NVIDIA Image Scaling)というRSRと同コンセプトの機能が使えるはずなので、このグラフの主張は無理矢理な感じもある
Ryzen 6000シリーズの発売は3月以降
以上が今回明らかにされたRyzen 6000シリーズの概要だ。Ryzen 6000シリーズ搭載ノートPCの発売時期については、2022年3月以降ということなので、ノートPCを買うなら今年春以降が熱い。インテルのAlder Lake世代のノートPCも出そろっている頃に殴り込みという形になるので、パフォーマンスが気になる人はしばしの待ちだ。
Ryzen 6000シリーズ搭載ノートPCは今年3月以降の発売。ビジネス寄りのRyzen PRO 6000シリーズも半月程度遅れて発売される見込み
【おまけ】面白い付加機能として、AIを利用したアクティブノイズキャンセラーにも対応する。ただこの機能、メーカーが実装しない限り利用できない。つまり類似機能を独自に開発したメーカーのノートPCでは利用できない可能性もある
関連サイト