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補助電源なしで動作する「Radeon RX 6400」カードの実力とは?(2/5)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

RX 6500 XTをさらにスケールダウン

まずはRX 6400のスペックを確認しよう。Radeonにおける描画性能を決めるCU(Compute Unit)の数は12基であり、さらにコア/メモリークロックともにRX 6500 XTよりも抑えられている。反面Board Powerは53Wと現行GPUでは最も低い設定になっているためPCI Expressスロットからの電力供給だけで動作するのがメリットだ。RDNA 2世代なのでDXR(DirectX Raytracing)にも対応するが、Ray Acceleratorが少ないのでゲームでのレイトレーシングは“辛うじて動く”程度である点は覚えておきたい。

RX 6500 XTと6400のスペック比較。CU数はRX 6500 XTの4分の3といったところだ

「GPU-Z」でRX 6400のテスト用カードの情報を拾ってみた。「Bus Interface」の表示はPCI Express Gen4対応GPU(図ではRyzen 5 5600X環境)でのものだが、Gen3対応のCPUの場合は@以下がx4 3.0となる

RX 6400はRX 6500 XTのダウンサイズ版であるため、設計的な特徴もRX 6500 XTと共通だ。即ちメモリーバス幅は64bit、インターフェースはPCI Express Gen4のx4という足回りの細さ、上位Radeonには搭載されている動画エンコーダーは非搭載……といったものだ。

ゲームを高画質で遊んだり録画やストリーミングでシェアすることを考えているなら、迷わずRX 6600より上のRadeonを選ぶことをオススメするが、軽めのゲームをフルHD&中程度の画質で遊べれば十分と考えているなら、RX 6400も選択肢に入ってくるだろう。

Ryzen 5 5500と組み合わせた時のパフォーマンスを見る

RX 6400のパフォーマンス検証に入る前に検証環境を紹介しよう。筆者のGPUレビューだと強力なCPUを使い描画負荷も高く設定して“GPUがどこで音を上げるか見る”のが定番のやり方だが、今回は「Ryzen 5 5500」という比較的低価格なRyzen、即ちPCI Express Gen4非対応のCPUと組み合わせた時の性能を検証する。

比較対象として直接の上位であるRX 6500 XT、さらに令和の時代に新製品が出たRadeon RX 550(RX 550)、そして2万円台前半で購入できるGeForce GTX 1050 Ti(GTX 1050 Ti)を用意した。RX 6500 XT以外のGPUは全てショート基板かつ補助電源不要で動作するタイプのカードとなっている。

OSはWindows 11、Resizable BARやセキュアブート/メモリー分離、さらにHDR(Windows HD Color)などの機能は全て有効化している。ドライバーのバージョンはRadeonが22.4.1で統一、GeForceは512.15を使用している。

【検証環境】
CPU AMD「Ryzen 5 5500」
(6コア/12スレッド、最大4.2GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「B550 Vision D」
(AMD B550、BIOS F15a)
メモリ G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)
ビデオカード Sapphire「SAPPHIRE PULSE AMD RADEON RX 6500 XT GAMING OC 4GB GDDR6 HDMI/DP」
(Radeon RX 6500 XT)、
ASRock「Radeon RX 6400 Challenger ITX D 4G」
(Radeon RX 6400)、
玄人志向「RD-RX550-E2GB/OC」
(Radeon RX 550)、
玄人志向「GF-GTX1050Ti-E4GB/SF/P2」
(GeForce GTX 1050 Ti)
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(NVMe M.2 SSD、1TB、システム用)
+Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(NVMe M.2 SSD、2TB、ゲーム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(80PLUS Platinum、1000W)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」

上位との性能差はほぼ計算通りの「3DMark」

定番の「3DMark」の検証からスタートしよう。Fire Strike〜Port Royalまでのテストを一通り実施するが、RX 550やGTX 1050 TiはPort Royalは設計上動かない点に注意したい。

「3DMark」のスコアー

RX 6400はRX 6500 XTよりも下なのでスコアーも控えめ、という点が確認できたが、Fire Strikeのスコアーに着目するとRX 6400はRX 6500 XTの78%程度。CU数比は4:3であることを考えるとほぼCU数が減った分だけスコアーも下がっていることが分かる。

また、2万円台前半で買えるGTX 1050 Tiと比べると1.6倍程度のスコアーを示している。今2万2000円程度で出回っているGTX 1050 Tiを買うなら、プラス5千円で1.6倍の性能を出せる……と考えることもできるだろう。ただしGTX 1050 TiはNVENCが使えるのでRX 6400が絶対的にお得、とは断言できないのが残念だ。

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