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軽量FPSでは144fpsプレイも狙える
ここから実ゲーム検証に入るが、RX 6400に合わせ描画負荷の軽いFPSから始めたい。最初に検証する「Rainbow Six Siege」では、APIはVulkan、画質は“中”、解像度はフルHDのみとした(解像度については以降同じ)。ゲーム内蔵ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
繰り返し強調するが今回は廉価版Ryzenと廉価版ビデオカードを組み合わせたという想定でテストを組み立てている。ゲームの画質(ここでは“中”)も、段階としては下から数えた方が早い低めの設定になっている。
以上を踏まえた上で上の結果を眺めてみると、RX 6500 XTとRX 6400の差は(Rainbow Six Siegeにおいては)案外小さい。Ryzen 5 5500の性能もボトルネックの可能性もあるが、PCI Express x4接続という仕様も差の解消に影響している可能性もある。ただ今回の結果からは、Ryzen 5 5500環境でも画質を欲張らなければフルHDで144fps張り付きのプレイは十分可能であることが示されている。
5千円ほど安いGTX 1050 Tiもそこそこ高いフレームレートを出しているが、RX 6400に比べると40%程度低い。画質低めでシンプルにプレイするだけならRX 6400は十分強いことは間違いない。RX 550は1万円台後半という安さ、PCI Express Gen3 x16接続という点ではアドバンテージがあるものの、現行より2世代落ちという設計の古さがネックとなり大したフレームレートは出せていない。
もう一つ軽いFPS代表として「VALORANT」でも試してみよう。画質は中程度、MSAAx4、異方性フィルタリングもx4設定とした。射撃訓練用のマップをぐるりと一周した時のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。
こちらも傾向はRainbow Six Siegeとほぼ同じ。超軽量だけあってRX 550でも普通に遊べるフレームレートが出せるが、RX 6400ならもっと余裕がある。RX 6500 XT / RX 6400 / GTX 1050 Tiの最低フレームレート(の1パーセンタイル点)が150fps前後なのは、CPUがボトルネックである可能性が考えられる。
やや重めのFPSではどうか?
Rainbow Six SiegeやVALORANTより負荷の高いFPSでも試してみよう。まず「Apex Legends」では画質を中程度、即ち設定項目が奇数の場合は中央、偶数(オンオフ2段階含む)の場合は中央より下の設定を選択する設定とした。144fps制限を解除(+fps_max unlimited)し、射撃訓練場にて一定の行動をとった際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
今までApex Legendsは描画負荷が軽いという認識だったが、RX 6400クラスのエントリーGPUにとっては中程度の負荷であると再認識するに至った。前2つのベンチマークではRX 6500 XTと6400の差は小さかったが、このゲームではRX 6400はRX 6500 XTの30%程度下のパフォーマンスを示した。
最低フレームレートがギリギリ60fpsで踏ん張れてはいるが、実戦での快適さという点では厳しい。Apex Legendsで遊ぶなら補助電源コネクターやカードの大きさというハンデはあるものの、ほぼ同価格帯であるRX 6500 XTを選ぶ方が確実だ。
さらに描画負荷の重いFPSとして「Tiny Tina’s Wonderlands」で試してみよう。APIはDirectX 12、画質は“中”とした。ゲーム内蔵ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測するが、最低フレームレートはログから算出している。
残念ながら今回のような廉価版Ryzen+Radeonという構成ではTiny Tina’s WonderlandsをフルHDで快適に遊ぶのは厳しいと言わざるを得ない。RX 6500 XTから見るとRX 6400は60%以下のフレームレートに止まっていることから、CU数のみならずメモリークロックの低さも影響していることが示唆されている。またRX 6400はRX 550に対しては圧倒的優勢をキープしているものの、ここまで安定して勝利を重ねてきたGTX 1050 Tiにはここで初めて負けている点が興味深い。