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突如登場したRDNA 2のリフレッシュモデル
2022年5月10日、AMDはRadeon RX 6000シリーズの新モデル、「Radeon RX 6950 XT」「Radeon RX 6750 XT」「Radeon RX 6650 XT」の販売をグローバルで解禁した。日本国内での発売は5月13日(金)午前11時で価格は各メーカーによるとしているが、北米予想価格ではRX 6950 XTが1099ドル、RX 6750 XTが549ドル、RX 6650 XTが399ドルとなっている。
RX 6000シリーズといえば、Radeon初のDirectX 12 Ultimate、つまりDXR(DirectX Raytracing)を処理するためのRay Acceleratorを搭載したGPUだ。と同時に、GPUのL3キャッシュと言うべき「Infinity Cache」を組み込むことでメモリーバス幅を抑えつつも実効帯域を引き上げることに成功、ライバルであるGeForce RTX 30シリーズよりも高いワットパフォーマンス(無論ゲームによるが)を獲得した“強いRadeon”の再来と言うべきシリーズである。
RX 6750 XTとRX 6950 XTがあるのに中間のRX 6850 XTが存在しない理由については明らかにされていないが、RX 6800 XTとRX 6900 XTの差分が極めて小さく、性能的な差異が出しにくいためではないかと筆者は推測している。
今回のRX 6×50 XTシリーズはRDNA 2世代のリフレッシュモデルだが、結論から言ってしまうと設計や半導体プロセスが変化した訳ではない(AMDから事前に寄せられた情報から読み取れる限りでは、だが……)。究極的には既存のRX 6000シリーズのクロックアップモデルであることは間違いないが、どこまで性能が伸びているか気になるところだ。
RX 6000シリーズ初登場時はリファレンス仕様のカードがAMDより提供されたが、今回のレビューではAICパートナー製のカードが各1枚ずつ提供された。以前レビューしたRX 6000シリーズ、特にRX 6900 XTは、消費電力という面ではRTX 3080や3090を凌駕する性能を発揮したものの、メモリーバス幅の狭さがネックとなり、4Kでは奮わないというやや残念な結果に終わった。今回のリフレッシュモデルでそこがどう変化したか、様々なベンチマークを通じて検証していきたい。