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Ryzen 7 5800X3D+Radeon RX 6950 XT、2022年7月現在最強AMD環境のゲームの実力とは?(1/3)

宮崎真一 編集●AMD HEROES編集部

2022年4月、AMDはZen 3アーキテクチャに基づく新型CPU「Ryzen 7 5800X3D」を市場に投入した。AMDは、このRyzen 7 5800X3Dを“世界最速のPCゲーミング・プロセッサー”と謳っており、最大の特徴は3D-VCacheテクノロジーにより96MBもの大容量のL3キャッシュを備えている点にある。そして、AMDは国内は5月にはRadeon RX 6000シリーズで最上位のGPUとなる「Radeon RX 6950 XT」(以下、RX 6950 XT)も投入することで、ゲーミング用途におけるハイエンドの地位を盤石のものとしている。

では、最新世代でなおかつゲーミング用途で最高性能を誇る両者を組み合わせた場合、ゲームパフォーマンスはどの程度まで上昇するのだろうか。そこで、Ryzen 7 5800X3D+RX 6950 XTの環境を用意し、実際にゲームをプレイすることでフレームレートはどこまで伸びるのか確かめてみたい。

96MBものL3キャッシュを搭載したRyzen 7 5800X3D
RX 6900 XTのクロックアップ版とも言えるRX 6950 XT

まずは、Ryzen 7 5800X3Dについて説明していこう。冒頭でも述べた通り、Ryzen 7 5800X3Dは、Zen 3アーキテクチャに基づいた8コア16スレッドタイプのCPUで、従来と同じSocket AM4プラットフォームに対応する。「Ryzen 7 5800X」と比較すると、コア数やスレッド数は同じで、メモリにDDR4-3200をサポートしているほか、TDPが105Wである点も変わりはない。

8コア16スレッドタイプのCPUとなるRyzen 7 5800X3D

ただ、Ryzen 7 5800X3Dのベースクロックは3.4GHz、ブーストクロックは4.5GHzと、前者はRyzen 7 5800Xから0.4GHz低く、後者も0.2GHz抑えられている。だが、Ryzen 7 5800X3Dは、キャッシュを垂直方向に積載する3D-VCacheテクノロジーにより96MBものL3キャッシュを実現し、これはRyzen 7 5800Xの3倍の容量を誇っている。

Ryzen 7 5800X3DのTDPは105WとRyzen 7 5800Xから変わっていないことを見ても、Ryzen 7 5800X3Dは、限られたTDPの枠内では、L3キャッシュを増量する傍ら、動作クロックは引き下げざるを得なかったということなのだろう。しかし、それでもRyzen 7 5800X3Dが持つ大容量のL3キャッシュは、ゲーミング用途で活きる場面が多く、フレームレートの向上につながるというのがAMDの主張だ。

CPU-Z(Version 2.01.0)の実行結果

一方のRX 6950 XTは、RDNA 2アーキテクチャを採用したRadeon RX 6000シリーズで最上位に据えられたGPUだ。RX 6950 XTは、従来の「Radeon RX 6900 XT」(以下、RX 6900 XT)と同じ「Navi 21」コアを採用しており、AMDが「Stream Processor」と呼ぶシェーダプロセッサを5120基有している。ただ、この点はRX 6900 XTから変わりはなく、さらに言うと、リアルタイムレイトレーシング処理を担う「Ray Accelerator」を80基搭載している点や、新しいキャッシュシステムの「Infinity Cache」を128MB備えている点も、RX 6950 XTとRX 6900 XTとでは仕様に変更点は見られない。

RX 6950 XTを搭載したSAPPHIREの「NITRO+ AMD RADEON RX 6950 XT PURE GAMING OC 16GB GDDR6 HDMI/TRIPLE DP」

では、どこが異なるのかというと、RX 6950 XTのゲームクロックが2100MHzと、RX 6900 XTから85MHz高くなっており、ブーストクロックも2310MHzと60MHz引き上げられている。さらに、RX 6950 XTは、メモリインターフェースこそ256bitとRX 6900 XTと同じだが、メモリクロックがRX 6950 XTの16Gbpsから18Gbpsに向上しており、メモリ帯域幅は576GB/sを誇る。これはRX 6900 XTの13%増にあたり、AMDによるとInfinity Cacheを使用したときのメモリバス帯域幅は1728.2GB/sまで上昇するという。つまり、RX 6950 XTは、RX 6900 XTの公式クロックアップ版と言っても差し支えないGPUだ。

GPU-Z(Version 2.46.0)の実行結果。今回使用したカードがクロックアップモデルであるため、さらに動作クロックが引き上げられている

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