多くの場面でRTX 3090を凌駕する性能
FFXIVでもRX 6950 XT OC Formulaに軍配
それでは、RX 6950 XT OC Formulaのパフォーマンスに話を移そう。今回、比較対象には競合製品となる「GeForce RTX 3090」(以下、RTX 3090)を用意。RX 6950 XT OC Formulaは、工場出荷時設定のP BIOSでテストを行ない、グラフィックスドライバーにはテスト時に最新バージョンとなる「AMD Software Adrenalin Edition 22.6.1」を使用した。そのほかのテスト環境は表のとおり。
テスト環境 スペック | |
---|---|
CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、最大4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メインメモリー | 8GB×2、DDR4-3200 |
ビデオカード | ASRock「AMD Radeon RX 6950 XT OC Formula 16GB」(Radeon RX 6950 XT)、Palit Microsystems「RTX3090 GAMINGPRO OC 24G GDDR6X 384bit 3-DP HDMI」(GeForce RTX 3090) |
ストレージ | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB SSD) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 Pro |
まずは、「3DMark」(Version 2.22.7359)の総合スコアから見ていこう。「Fire Strike」では、Fire Strike“無印”は描画負荷が軽いためCPUがネックとなり、スコアが丸まりつつある。しかし、Fire Strike ExtremeとFire Strike Ultraでは、RX 6950 XT OC FormulaはRTX 3090に26~28%ほど引き離しており、貫禄を見せつけている。DirectX 12のテストとなる「Time Spy」では、RTX 3090が差を詰めるものの、それでもRX 6950 XT OC Formulaが12~13%の溝を空けており優位性は変わらない。
では、実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果に移ろう。ここでは描画負荷が最も大きくなる「限界突破」プリセットでゲームをプレイし、その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.8)で取得した。なお、グラフ中に限り、1パーセンタイルフレームレートを「Minimu(1%)」と表記することをここで断っておく。
その結果だが、RX 6950 XT OC Formulaは、平均フレームレートでRTX 3090に8~13%ほどの差を付けた。1パーセンタイルフレームレートでも、両者の差は3~12%ほどあり、RX 6950 XT OC Formulaが優位に立っている。とくに、RX 6950 XT OC Formulaは、3840×2160ドットでも、常時100fps以上のフレームレートを実現している点は評価できよう。
「Call of Duty: Warzone」では、RX 6950 XT OC Formulaが抜群の性能を見せ付けている。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを先ほどと同様にCapFrameXで取得している。
その結果だが、RX 6950 XT OC Formulaは、平均フレームレートでRTX 3090を41~45%も引き離し、1パーセンタイルフレームレートも17~32%も溝を空けている。とくに、1920×1080ドットの1パーセンタイルフレームレートに注目すると、RTX 3090は180fpsほどなのに対してRX 6950 XT OC Formulahは200fpsオーバーと、どちらがより快適にプレイできるかは誰の目にも明白だ。
「Fortnite(フォートナイト)」では、RTX 3090が巻き返しを見せ、RX 6950 XT OC FormulaとRTX 3090は肩を並べる結果となった。ここでは、「最高」プリセットでゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で計測した。
RX 6950 XT OC Formulaは、3840×2160ドットで最小フレームレートが60fpsを割ってしまうものの、それはRTX 3090も同じ。RX 6950 XT OC Formulaは、1920×1080ドットになると、最小フレームレートは144fpsにあと一歩のところまで迫っており、高リフレッシュレートの液晶ディスプレーと組み合わせて有利な立ち回りが実現できそうだ。
最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果を確認しておこう。ここでは、「最高品質」でベンチマークを実行しているが、同タイトルはGeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズはスコアが奮わないことが多々ある。しかし、RX 6950 XT OC Formulaは、RTX 3090より2~3%高いスコアを発揮している点は立派。
さらに、スクウェア・エニックスが示す指標では、スコアが15000以上で最高評価とされているが、RX 6950 XT OC Formulaは3840×2160ドットでそれを満たしており、プレイしに支障はまったくなさそうだ。
価格は実売で17~23万円ほど
RTX 3090と比べるとかなり良好
以上のテスト結果から明らかなように、RX 6950 XT OC Formulaのパフォーマンスは非常に高く、4Kでも快適なゲームプレイを実現している。21フェーズ構成の電源部や冷却性能に長けるGPUクーラーなど、ハイエンドらしく豪華な作りになっており、ゲーミング用途で不満に思う箇所はまったくない。
さらに、実売価格は17~23万円ほどとショップによって若干開きはあるものの、21~26万円で販売されているRTX 3090搭載モデルと比べると、RX 6950 XT OC Formulaはお買い得といえるだろう。さすがに万人にオススメできるモデルではないものの、予算に余裕があってどんなゲームも快適にプレイしたいと考えるのであれば、このRX 6950 XT OC Formulaは一考の価値アリだ。