RTX 3090に30%以上の差を付ける場面も
4Kでも快適なゲームプレイを実現
それでは、RX 6950 XT GAMING X TRIOのパフォーマンスを確認していこう。今回は比較対象として「GeForce RTX 3090」(以下、RTX 3090)を用意。グラフィックスドライバーには、テスト時に最新バージョンとなる「AMD Software Adrenalin Edition 22.7.1」を使用し、RX 6950 XT GAMING X TRIOは工場出荷時設定でテストを行なっている。そのほかのテスト環境は表のとおり。
テスト環境 スペック | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、最大4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メモリー | DDR4-3200 8GB×2 |
ビデオカード | MSI「Radeon RX 6950 XT GAMING X TRIO 16G」(Radeon RX 6950 XT)、Palit Microsystems「RTX3090 GAMINGPRO OC 24G GDDR6X 384bit 3-DP HDMI」(GeForce RTX 3090) |
ストレージ | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB SSD) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 Pro |
まずは定番の3Dベンチマークツール「3DMark」(Version 2.22.7359)の総合スコアからだが、「Fire Strike」において、RX 6950 XT GAMING X TRIOはRTX 3090に9~25%の差を付けた。さすがに、テスト解像度が1920×1080ドットとなるFire Stirke“無印”はCPUがボトルネックとなって両者の差は詰まっているが、それ以外ではRX 6950 XT GAMING X TRIOが格の違いを見せ付けている。
DirectX 12のテストとなる「Time Spy」では、RTX 3090が意地を見せるものの、それでもRX 6950 XT GAMING X TRIOがRTX 3090に11~13%の溝を空けている点は立派。ゲームにおいて、RX 6950 XT GAMING X TRIOのパフォーマンスはかなり期待できそうだ。
そこで、実際にゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、グラフィックス自動設定から描画負荷が最大となる「限界突破」プリセットを選択。その状態でゲームをプレイし、その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.8)で取得した。なお、グラフ中に限り、1パーセンタイルフレームレートを「Minimum(1%)」と表記することをここで断っておく。
さて、その結果だが、ここでも3DMarkと同様に1920×1080ドットは両者の差が詰まっているものの、それ以外の解像度では、RX 6950 XT GAMING X TRIOはRTX 3090に平均フレームレートで12~13%の差を付けた。とくに1パーセンタイルフレームレートに焦点をあてると、RX 6950 XT GAMING X TRIOは3840×2160ドットでも100fpsを超えており、かなり快適なプレイを実現できている。
続いて「Call of Duty: Warzone」では、RX 6950 XT GAMING X TRIOがさらに好調な勢いを見せ、RTX 3090にかなりの開きを見せ付けている。
ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、先ほどと同様にCapFrameXでフレームレートを計測しているが、RX 6950 XT GAMING X TRIOとRTX 3090との差は、平均フレームレートで30~38%、1パーセンタイルフレームレートで21~31%にまで達している。1920×1080ドットにおいては、1パーセンタイルフレームレートにおける両者の差は40fps弱もあり、RX 6950 XT GAMING X TRIOであれば200fpsを優に上回っている点は評価できよう。
その一方で両者がいい勝負を演じることになったのが「Fortnite(フレームレート)」だ。ここでは、「最高」プリセットを選択してゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得した。
その結果だが、平均フレームレートと最小フレームレートともに、RX 6950 XT GAMING X TRIOとRTX 3090はほぼ横並び。ただ、最小フレームレートでは、3840×2160ドットでRTX 3090が60fpsを切っているのに対して、RX 6950 XT GAMING X TRIOはギリギリ届いている点は見どころといえよう。また、1920×1080ドットであれば、RX 6950 XT GAMING X TRIOは常時138fps以上のパフォーマンスを発揮しており、コアなゲーマーでも十分満足のいくパフォーマンスではないだろうか。
最後に、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。ここでは、「最高品質」に指定してベンチマークを実行しているが、Fortniteと同様に両者を拮抗する形となっている。
ただ、同ベンチマークはGeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズは不利な戦いを強いられることが多い。RX 6950 XT GAMING X TRIOは若干ではあるものの、RTX 3090を超える場面を見せている点は特筆に値する。また、スクウェア・エニックスが示す指標では、スコア1万5000以上が最高評価とされているのだが、RX 6950 XT GAMING X TRIOは3840×2160ドットでもそれを満たしており、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレを快適なプレイができることは間違いない。
価格は、実売で16万8000円~21万5000円
妥協したくない人にとって魅力的な存在
以上のテスト結果から明らかなように、RX 6950 XT GAMING X TRIOのゲームパフォーマンスはかなり高い。4Kで快適にゲームをプレイできるほか、フルHDであればFPSやTPSをプレイするゲーマーが欲する高いフレームレートを実現している点も見逃せない。
また、RX 6950 XT GAMING X TRIOの価格は、実売で16万8000円~21万5000円とかなり高価だが、RTX 3090搭載モデルが19万円~24万7000円であるのと比べるとお買い得に思える。また、ほかのRTX 6950 XT搭載カードと比較しても、RX 6950 XT GAMING X TRIOは比較的安価なところもありがたい。
さすがにこの価格では万人にオススメできる製品ではないが、ゲームパフォーマンスに妥協したくない人にとって、このRX 6950 XT GAMING X TRIOは、かなり魅力的な存在ではないだろうか。