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Threadripper PRO 5995WXを検証!Zen 3世代の最強CPUはどこまで強いのか?(2/5)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

WRX80マザーボード専用のモンスターCPU

 まずは簡単にスペックを比較しておこう。以下の表はRyzen Threadripper PRO 5995WXとその同格モデル+αで比較したものである。前述の通りRyzen Threadripper PRO 5995WXのコア数は前世代から増えていない。ただアーキテクチャーがZen 3に変わり最大ブーストクロックが若干引き上げられている。ただしTDPは280Wで据え置かれている。

 また、マザーボードはRyzen Threadripper PRO 3000WXシリーズより採用された「WRX80」チップセットが今回も継続して使用される。Ryzen Threadripper 3000Xシリーズで使われていた「TRX40」マザーボードではメモリーバス幅やPCI Expressのレーン数あたりの仕様が大きく変わっているため、WRX80マザーボードが必須となる。そのためRyzen Threadripper PRO 3000WXシリーズからの乗り換えはBIOS更新のみで可能となっている。

Ryzen Threadripper PRO 5995WXと同格CPUとのスペック比較。1コアあたりの単価はかなり高くなってしまった


「CPU-Z」でRyzen Threadripper PRO 5995WXの情報を拾ってみた。コア数64基は確かに現行CPUでは最多だが、新鮮味はない

 正直な話、Ryzen Threadripper PRO 3000WXと5000WXシリーズの差分は小さい。アーキテクチャーがZen 2からZen 3になった事以外には、セキュリティー関係の機能(AMD Shadow Stack)が追加された程度にとどまる。PROではないRyzen Threadripper 3000Xシリーズを基準にするとPCI Expressのレーン数やメモリーのチャネル数などが激増しているので、Ryzen Threadripper PRO 5000WXシリーズへ乗り換える場合は、こうした差分が重要か否かにかかってくる。

検証環境は?

 今回Ryzen Threadripper PRO 5995WX(以下5995WX)が手に入ったものの、その1世代前にあたるRyzen Threadripper PRO 3995WX(以下3995WX)の調達はできなかった。そこで非PROで最多コアを誇るRyzen Threadripper 3990X(以下3990X)と比較する。さらにメインストリームCPUからRyzen 9 5950X(以下5950X)やCore i9-12900KF(以下12900KF)も準備した。メインストリームCPUから見た最強HEDT向けCPUの性能、という観点から眺めて頂ければ幸いだ。

 Ryzen Threadripper系の搭載メモリーは5995WXの検証用機材としてお借りしたSanMax製のDDR4-3200モジュール8GBを8枚構成で合計64GBとしたが、RyzenおよびCore i9は32GBとなっている。ただ今回の検証は32GB環境でも十分動くように設計されている。

 OSはWindows 11 Pro、コア分離(VRS)やセキュアブートといった要素は全て有効とした。Radeon用のドライバは今回AMD環境において最も苦労させられたポイントだが、クリエイティブ系アプリ向けに調整された(リリース間隔を広くした)“AMD Software: PRO Edition(https://www.amd.com/en/technologies/software-pro)”で落ち着いた。

【検証環境1】
CPU AMD「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」
(64コア/128スレッド、最大4.5GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「WRX80 Creator」
(AMD WRX80、BIOS 5.01)
メモリー SanMax「SMD4-U8G46MF-32AAR」
(8GB×8、DDR4-3200)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」
【検証環境2】
CPU AMD「Ryzen Threadripper 3990X」
(64コア/128スレッド、最大4.3GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG Zenith II Extreme」
(AMD TRX40、BIOS 1603)
メモリー SanMax「SMD4-U8G46MF-32AAR」
(8GB×8、DDR4-3200)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」
【検証環境3】
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、最大4.9GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG Crosshair VIII Dark Hero」
(AMD X570、BIOS 4201)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(16GB×2、DDR4-3200)×2
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」
【検証環境4】
CPU Intel「Core i9-12900KF」
(16コア/24スレッド、最大5.2GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「Z690 PG Velocita」(Intel Z690、BIOS 11.01)
メモリー Kingston「KF552C40BBK2-32」(16GB×2、DDR5-4800動作)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」

Ryzen Threadripper PRO 5995WXは8chメモリー仕様なのでメモリーも同じものを8枚用意した


Ryzen Threadripper PRO 5995WXでタスクマネージャを開いたところ。コア数が多いので個々のコアの占有率は直接数値で表示される

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