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Ryzen 5 5600U搭載のASRock製ベアボーンPC「4X4 BOX-5600U」が、仕事用の1台にふさわしいワケ(2/2)

文●松野将太 編集●AMD HEROES編集部

日常用途で活躍する性能!
6コア/12スレッドのノートPC向けCPU「Ryzen 5 5600U」を採用

CPUには6コア/12スレッドの「Ryzen 5 5600U」を採用

GPUはCPU内蔵の「AMD Radeon Graphics」

 4X4 BOX-5600Uはモデル名のとおり、CPUにAMDのノートPC向けGPU内蔵CPU(APU)であるRyzen 5 5600Uを採用。6コア/12スレッド構成、ブースト時最大クロックは4.2GHzと、現行のノートPC向けとしてはミドルクラスに位置するSKUだ。メール閲覧やインターネット、動画視聴といった日常用途であれば十分な性能が発揮できるため、それほど高い性能を必要としないユーザーであれば、これ1台でもまったく問題なく活用していけるだろう。

 内蔵GPUはVegaベースの「AMD Radeon Graphics」となる。なお、空冷ファンを使った専用冷却システムを採用しており、CPUの交換や取り外しは基本的にできない。

 参考までに各種ベンチマークを実行し、基本的な性能をチェックしていこう。メモリーはCrucialの「CT8G4SFRA32A」(DDR4-3200)を2枚装着したデュアルチャネル構成、ストレージは同じくCrucialの「P2 CT1000P2SSD8JP」(1TB、PCIe Gen3)を装着、OSはWindows 11 64bitで計測を実施している。

 まずはCPUの性能を計測する定番ベンチマーク「CINEBENCH」の結果を見ていこう。今回は最新の「CINEBENCH R23」で、マルチスレッドテストおよびシングルスレッドテストのスコアーを計測した。

「CIENEBENCH R23」のスコアー

 結果はマルチスレッドテストのスコアーが8765pts、シングルスレッドテストのスコアーが1380pts。一般的に、ノートPC向けCPUは採用されるPCによって熱設計などが異なるため、製品によりパフォーマンスにばらつきが出る傾向がある。一方で4X4 BOX-5600Uは、Ryzen 5 5600Uを搭載するPCとしてはかなり高めのスコアーを出せている印象だ。ミニPCとは言え、ノートPCと比べれば本体の厚みに余裕があることから冷却が安定し、結果的に高いスコアーを発揮できているということだろう。

 続いては、ウェブブラウジングやビジネスアプリといった一般的な用途での性能を計測する「PCMark 10」の結果だ。

「PCMark 10」のスコアー

 PCMark 10の総合スコアーは5719。アプリの起動やウェブブラウジング性能を比較するテストグループであるEssentials、およびビジネスアプリ系のテストであるProductivityでのスコアーは軒並み9000ポイント超えと比較的高めだが、デジタルコンテンツ制作に関するテストであるDigital Content Creationでの成果は上記2つのグループに比べればやや低めの5800ポイント台にとどまる。この結果からは、GPUがCPU内蔵タイプということもあり、クリエイティブ系の用途では大きくスコアーが振るわない、という特徴が見えてくる。もちろんその点を重要視しないのであれば、結果は良好と言っていい。

 念のため、ゲーム系のベンチマークも確認してみる。人気のMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を使用し、解像度1920×1080ドット、画質を「標準品質(ノートPC)」および「高品質(デスクトップPC)」に設定した状態での計測を実施した。

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」標準品質(ノートPC)のスコアー

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」高品質(デスクトップPC)のスコアー

 標準品質(ノートPC)の総合スコアーは5818で、評価は「普通」。なめらかに画面が動くような快適さはないものの、プレイ自体は不可能ではないという結果だ。一方、高品質(デスクトップPC)では総合スコアーが3456に低下し、評価は「設定変更を推奨」とやや厳しい結果に。本製品はゲーム用のPCではないが、たとえばブラウザゲームやスマートフォンゲームのPC版のような比較的負荷が軽いタイトルであれば、4X4 BOX-5600Uでも遊べないということはないだろう。こうしたゲームさえ遊べればいい、というユーザーなら問題なく使っていけるはずだ。

 最後にストレージ系のベンチマークも確認してみよう。使用したのは、定番のストレージベンチマークソフト「CrystalDiskMark 8.0.4」だ。

「CrystalDiskMark」のスコアー

 レビューにあたり組み込んだSSD「P2 CT1000P2SSD8JP」の公称シーケンシャルリードは毎秒2400MB、シーケンシャルライトは毎秒1800MB。実際のテスト結果を見てみると、シーケンシャルリードは毎秒2418MB、シーケンシャルライトは毎秒1936MBとなっており、どちらもしっかり性能を発揮できていると言える。これだけ速度が出ていれば普段使いで困ることはまずないだろう。本製品の場合はデータ保存向けに2.5インチSSD/HDDを装着しておくことも可能なため、用途にあわせてストレージを選択することで、快適なマシンを組めるはずだ。

コンパクトで性能はミドルクラスノートPC並み!
在宅ワーク用マシンとしても〇

 4X4 BOX-5600Uは、デスクトップPCとしては破格のフットプリントの小ささにより、設置場所を選ばず活用できる利便性の高さはもちろん、ミドルクラスのノートPC並みの性能を発揮できる性能も魅力的なベアボーンPCだ。すでに述べたとおり、自宅に据え置きのPCとしてはもちろん、可搬性を活かしてデジタルサイネージなど様々な用途での使用が考えられる。自前のPCでの在宅ワークが推進されるような環境であれば、ノートPC代わりに在宅ワーク用のマシンとして運用するのもいいかもしれない。いずれにせよ、メイン・サブを問わず、痒いところに手が届くような活躍を見せてくれるだろう。

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