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Ryzen Socket AM5にも使える!売れ筋の簡易水冷CPUクーラーをチェック(5/5)

藤田 忠 編集●ジサトラハッチ

Ryzen 9 5900Xで冷却パフォーマンスをチェック

では、実際に各製品がどういった性能を発揮するのか、冷却パフォーマンスを確認していこう。テストには12コア/24スレッドでTDP 105WとなるRyzen 9 5900XとAMD 570Xチップセット採用したMSI「MEG X570 UNIFY」などを使用し、負荷テストにはCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」(30分間)を利用した。

AMD Ryzen 9 5900X。TDPは105W

12コア/24スレッドで、今回のテスト環境ではオールコア負荷時に4.25GHz前後で動作した

「CINEBENCH R23」実行時のCPU Package Power(HWiNFO64 Pro読み)は、最大185Wを記録している

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5900X」
(12コア/24スレッド、最大4.8GHz)
マザーボード MSI「MEG X570 UNIFY」
(AMD X570、ATX)
メモリー CFD「W4U3200BMS-16G」
(16GB×2、DDR4-3200)
ストレージ ウエスタンデジタル「WD_Black SN850 NVMe WDS200T1XHE-00AFY0」
(2TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
ビデオカード ASRock「AMD Radeon RX 6600 Challenger ITX 8GB」
(Radeon RX 6600、8GB GDDR6)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W」
(1000W、80PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 PRO」

余裕の70度台に抑え込む高冷却性を確認

テストは「HWiNFO64 Pro」を使って、「CINEBENCH R23」を実行した際のCPU温度(CPU (Tctl/Tdie))などを記録。その推移とテスト中の最高温度とテスト後半5回から求めた平均温度をまとめている。

それぞれのテスト条件は次の通りだ。まず、MSI「MAG CORELIQUID 360R V2」とDeepcool「LS720」は、冷却性能に影響するポンプの回転数制御を手動で行えないため、デフォルトのままで運用。

ファン回転数はマザーボードデフォルトの設定で動作させている。NZXT「KRAKEN X73」は、「CAM」でポンプ回転数を最大回転(2800rpm前後)に設定し、ファン回転数はマザーボードデフォルト制御。Corsair「iCUE H150i RGB ELITE」は「iCUE」でポンプを最大回転となる「最速」(3000rpm前後)で運用。

ファン回転数はデフォルトプリセット「安定」に設定したほか、「安定」ではストレステスト実行中にファンは最大回転に達しなかったため、「最速」状態もテストを実行した。MSI「MPG CORELIQUID K360 V2」は、手動カスタマイズ時の100%は80度に固定されてしまう仕様になっている。

そのため、ファン回転数をプリセット「Balance」と同じ、90度で100%に設定できないため、ポンプ回転数を含めて「Balance」でテスト。また「iCUE H150i RGB ELITE」と同じく、ファン回転数は100%に達しなかったので、ファンとポンプを100%に固定した状態でもテストを行っている。

ストレステスト中の温度推移は、5製品で大きく違わず、余裕のある70度台で推移している。テスト中の最高とテスト後半5回実行時から求めた平均温度も、お団子状態ではあるが、プリセット運用時の平均温度と、ファンを最大回転に設定した際の温度は「iCUE H150i RGB ELITE」が優秀で、ファン、ポンプ最大回転時は最高73.8度、平均72.18度と最も冷やせている。

冷却性能に劇的な差がみられないだけに、高負荷時の動作音は重要になってくる。テスト中の騒音値を、ラジエーターファンの排気側から約30cmの位置で測定を行っている。

ストレステスト中の騒音値は「KRAKEN X73」が56.6dBA、「LS720」が51.9dBAと爆音になっている。「iCUE H150i RGB ELITE」も、ファン最大回転時は50.1dBAを記録しているが、高い冷却性能と引き換えだ。また「MPG CORELIQUID K360 V2」は冷却性能が割と控えめだったが、ハイエンドファン「MEG SILENT GALE P12」を搭載するだけあって、トップクラスに静かだった。

好みの製品を選んでRyzenをしっかり冷やそう

いずれも魅力のある5製品。コスト重視なら冷却性能と静音性のバランス良いMSI「MAG CORELIQUID 360R V2」だが、パッケージ電力が最大230Wに達する次世代のRyzen 7000へのグレードアップを考慮すると、高い冷却性能と環境にあわせた自由度の高いカスタマイズ性を備えているCorsair「iCUE H150i RGB ELITE」がイチオシだ。

もちろん、魅せる要素を重視してインフィニティーミラー内蔵ウォーターブロックとRGB LEDファンを採用しながら1万9000円前後となるDeepcool「LS720」や、奥行きのあるリング状のLEDイルミネーションが美しいNZXT「KRAKEN X73」、2.4型LCDに高い静音性を発揮したMSI「MPG CORELIQUID K360 V2」を選ぶのも良いだろう。

なお、現在随時各社がAM5対応を公開している。リテンションキットも随時提供を開始しているので、各メーカーや正規代理店などの情報を確認してから購入して欲しい。TSUKUMOなどの販売店でも、対応状況を掲載しているので、そちらを参考にしたり、それでも心配な場合は、実店舗で製品に詳しい店員に確認してから購入することをオススメしたい。

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