ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2018年に発売した『Marvel’s Spider-Man』は、PlayStation 4向けながらも、発売3日間で世界累計で330万以上の実売を記録する大ヒット作品となった。同作をPlayStation 5向けにリマスターした『Marvel’s Spider-Man Remastered』は2020年11月に発売され、高精細なビジュアルと高い没入感で、好評を博したオープンワールドのアクションゲームである。
そのPC版が2022年8月12日にようやく発売された。世界の人気キャラクター「スパイダーマン」を操作する本作を心待ちにしていた人も多いのでないだろうか。美麗なグラフィックスだけに、CPUやGPUにどの程度のスペックがあれば、快適にプレイできるのかは気になるところだ。
そこで、今回は、「Radeon RX 6950 XT」(以下、RX 6950 XT)、「Radeon RX 6800 XT」(以下、RX 6800 XT)、「Radeon RX 6750 XT」(以下、RX 6750 XT)、「Radeon RX 6650 XT」(以下、RX 6650 XT)の4つのGPU、もっといえばASRock製のカードで揃え、実際にゲームをプレイし、どの程度のフレームレートが得られるのかテストしてみた。
DX12にレイトレーシング、それにDLSSやFSR 2.0と
最新技術に対応した点が最大の特徴
Marvel’s Spider-Man Remasteredは、Insomniac GamesがPlayStation 5向けに開発し、それをNixxes SoftwareがPC版として移植したものとなる。ゲームエンジンは、同社オリジナルなものが採用されており、グラフィックスAPIにDirectX 12をサポートしているほか、レイトレーシングに対応している点が大きな特徴だ。
また、超解像度技術であるNVIDIAの「DLSS」やAMDの「FidelityFX Super Resolution 2.0」(以下、AMD FSR 2.0)、それにNVIDIAのアンチエイリアス技術である「DLAA」といった最新技術をサポートしている点もトピックとして挙げられよう。つまり、これらの最新技術を活かすことで、PCに高性能なものを有せずとも、美麗なゲーム画面を実現しているというわけだ。
このあたりは、性能が限られているPlayStation 5でのノウハウが活かされているといっていい。また、PC版ならではの特徴としてウルトラワイドディスプレイのアスペクト比に対応している点も見逃せない。つまり、3440×1440ドットといったアスペクト比21:9に対応したことで視野角が広がり、没入感がさらに増すというわけだ。
Marvel’s Spider-Man Remasteredの必要動作環境を表に示すが、最低動作環境はCPUは2コア4スレッドタイプの「Core i3-4160」程度、AMDはそれ相応のものとさほど高くない。GPUも最低動作環境が、AMDが「Radeon RX 470」、NVIDIAが「GeForce GTX 950」と3世代前のエントリークラスでも十分と、ハードルは低めだ。
最低動作環境 | 推奨動作環境 | |
---|---|---|
CPU | インテルCore i3-4160またはAMD製同クラスのCPU | インテルCore i5-4670またはRyzen 5 1600 |
メモリー | 8GB | 16GB |
GPU | Radeon RX 470またはGeForce GTX 950 | Radeon RX 580 8GBまたはGeForce GTX 1060 6GB |
DirectX | DirectX 12 | |
ストレージ | 75GB | |
OS | Windows 10 64bit版 |
ただ、推奨動作環境になると、CPUは「Core i5-4670」または「Ryzen 5 1600」と4コアもしくは6コア以上が必要となり、GPUも「Radeon RX 580 8GB」または「GeForce GTX 1060 6GB」と2世代前のミドルレンジ向けのものが必要と、最新世代のものほどでないものの、ハードルは多少高くなっている。