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平均よりも最低フレームレートで輝く
「Forza Horizon 5」
では、さっそくだがゲームの追加検証から示していこう。前編と同様にフレームレート計測は「FrameView」で実施し、さらに「PCAT v2」を利用してベンチマーク中のTBP(Total Board Power)の平均値も計測する。最終的に平均フレームレートとTBPから10Wあたりのフレームレートを算出し、各GPUのワットパフォーマンスを求めている。また、どのゲームにおいてもアップスケーラー(FSR/ DLSS)は無効とし、ネイティブ解像度でのパフォーマンスを計測している。
後編スタートは「Forza Horizon 5」からだ。画質“エクストリーム”に設定し、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
まずフルHDでは166fpsあたりに見えない壁があるため、平均フレームレートに大きな差は見られない。ただし、RX 7900 XTだけがやや低いフレームレートを示している。これが設計の制約によるものか、ドライバーの熟成度の問題であるかは断言できる材料はない。
平均フレームレートだけを追いかけると解像度がWQHD→4Kと上がるにつれ、GeForce RTX 4080(以下、RTX 4080)がじわりとRX 7900 XTXを引き離す。しかし、最低フレームレートに注目すると、平均フレームレートにおいて一歩退いた位置にあるRX 7900 XTですらRTX 4080と同等~やや上回る程度に最低フレームレートが伸びている。
平均フレームレートが高いに越したことはないが、最低フレームレートとの乖離が小さい方がよりスタッターが出ないという点を考えると、フレームレート勝負ではRX 7900 XTXは惜しくも負けたが、QOLという観点では勝っているといえるだろう。
RTX 4080ではフルHDで186W、4Kでも253W消費に止まっているのに対し、RX 7900 XTXは320~342W、RX 7900 XTでは282~309Wと高い。ただこのゲームが他と違うのは、RX 7900シリーズでもRTX 4080のように解像度が下がるとTBPも下がるという点だ。
ワットパフォーマンスではRTX 4080が際立つ結果となってしまった。ドライバーの熟成度の問題なのかも知れないが、今後の改善を期待したい。
電力を消費してパフォーマンスを稼ぐ傾向にある
「Hitman 3」
「Hitman 3」では画質設定を最高に、VRSは“画質”に設定。ゲーム内ベンチマーク“Dubai”再生中のフレームレートを計測した。
前編ではレイトレーシングを使ったゲームとして「Cyberpunk 2077」、「F1 22」で検証したが、傾向としてはその時と同じだ。RX 6950 XTを基準にするとRX 7900 XTXの伸びが最大50%と、CU数の近いRX 7900 XTでも30%台後半と躍進している点は評価できる。しかし、RTX 4080と真っ向勝負するには、まだ足りない。
ベンチマーク中のTBPの傾向は、これまでに紹介したゲームでの結果とほぼ共通している。RX 7900 XTX/RX 7900 XTは解像度が低くてもTBPの限界近くまで電力を消費してパフォーマンスを稼ぐ傾向があると考えてよいだろう。
ワットパフォーマンスの傾向は前編で紹介したCyberpunk 2077やF1 22の傾向と似ている。レイトレーシングではRX 7900シリーズのフレームレートが伸びないため、必然的にワットパフォーマンスも低くなる。RX 6950 XTに対しては50%以上の伸びを示しているので、第2世代Ray Acceleratorの搭載例としては十分に評価できるものであると言える。