レイトレーシングの処理が強烈だった
「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」

　「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」では、レイトレーシングを含む全画質設定を最高設定（視野角のみデフォルト）とし、アンチエイリアスはTAAを選択。マップ内の一定のコースを移動する際のフレームレートを計測した。

　こちらもレイトレーシング入りゆえにRTX 4080に大きく後れをとってしまうパターンである。解像度が上がるほどに引き離されるため、Ray Acceleratorのボトルネックが相当厳しいのだろう。

　ここでもRTX 4080に比べRX 7900 XTX/RX 7900 XTのTBPは大きい。フレームレートからするとRay Acceleratorの処理がボトルネックになり、それ以外の描画ラインが止まるためフレームレートが出ないと考えるのが自然だが、ここまで電力を消費してしまうのはなにか理由があるのではないかと考えられる。

　ワットパフォーマンスはHitman 3よりもさらにRadeon勢に厳しいものとなった。レイトレーシング処理がヘビーであればあるほど厳しくなるため、RadeonユーザーはFSRの使用を前提に、さらにレイトレーシング系の設定を絞ることを健闘すべきだ。

フレームレートが暴れる「Need for Speed Unbound」

　RX 7900 XTXといえどレイトレーシングを使ったゲームではRTX 4080に勝つのは難しいので、そうでないゲームでの対決に戻ろう。次に試す「Need for Speed Unbound」では、画質“ULTRA”に設定。マップ内の一定のコースを移動する際のフレームレートを計測した。

　フルHDではRX 7900 XTXがRTX 4080をほんのわずか平均フレームレートで上回るが、解像度が高くなると逆転。フルHDやWQHDでは最低フレームレートもGPU性能と反比例するなど、なかなかの暴れっぷり。ただ検証用ドライバーにこのゲームのDay 1ドライバーと同じ最適化が入っていない可能性もある。

　RX 7900 XTX/RX 7900 XTではフルHD時のみベンチマーク中のTBPがガッツリ下がるが、WQHDと4Kではほぼ横ばい。これまでRX 7900シリーズのTBPがフルHDでも高止まりしているのは、負荷がTBPを下げる一定ラインを下回っていないから、という理由が考えられる。このラインがどこかまでかは、もっと検証を重ねなければならないだろう。

　Need for Speed Unboundにはレイトレーシングが入っていないので、RX 6950 XTとRX 7900 XTX/RX 7900 XTのワットパフォーマンスはわりと近いものになった。