充実したCPUフェーズ数にシンプルだが冷えそうなヒートシンク
CPU電源回路を追ってみよう。まず、CPU電源端子は8ピン×2。Ryzen 9や7グレードのハイエンドCPUをブーストさせても利用できる想定といったところだ。
CPU電源回路は14+2+1フェーズ。PWMコントローラーはRenesas「RAA229620」を用いている。これに組み合わせるMOSFETは、14+2フェーズ部分がIntersil「ISL99360」SPSで、最後の1フェーズはハイサイド、ローサイド用にそれぞれSinopower「SM4337」を用いている。メインどころによいパーツを用いつつ、コストも意識しているといった組み合わせだろう。
VRMヒートシンクは大型で、ブロック型のセパレートタイプを採用している。最近各社で採用されているI/Oシールドパネル付近まで上面パネルを延長した設計だ。本製品のものは樹脂製パーツの意匠はなくフルアルミ。トップ・ボトムのカバーもなく内側からの熱もトップへと抜けていくデザインだ。
高速2.5GbEや組み立て時に便利な機能も
ネットワークは2.5GbEのRealtek「RTL8125BG」。2.5GbEでは定番のチップだ。また、先程のバックパネル写真にWi-Fiアンテナ用のホールだけあったが、本製品はWi-Fi非搭載。ASRockからは別途マザーボード用にWi-Fiカードが販売されているので、必要ならば購入し、マザーボード上のWi-Fi用M.2スロットに挿して配線すれば利用可能になる。
オーディオはRealtek「ALC897」。Nahimicオーディオも利用可能だ。7.1ch HDオーディオも利用可能だが、本製品の性格からすると外付けDAC等の利用を想定し、オンボードオーディオはシンプルにしている印象だ。
そのほかオンボード機能では、マザーボード正面から見て右上に「EZ トラブルシューター」が搭載されている。CPU/DRAM/VGA/BOOTと4つのLEDから構成されており、ブート時にもしトラブルがあればその位置のLEDが点灯したままになるので問題解決の助けになる。
ストリーマーにもゲーマーにも唯一無二のデザイン
4レーンスロットを生かした高機能PC自作に最適
B650 LiveMixerは、ありきたりなデザインのマザーボードに飽きた方のツボにはまるだろう。ブラックPC、ホワイトPCもよいが、それはシンプルすぎて誰もが思いつく。オレンジのアクセントカラーは、インパクトはあるがホワイトにもブラックにも馴染むだろう。ストリーマーだけでなく、見た目を求めるゲーマーにもよい。
機能面は確かにストリーマー向けだ。特に2本の4レーンスロットを搭載しているところはストリーミングニーズにマッチしている。キャプチャーカードやM.2に変換するストレージ拡張カードなどの使い方があるだろう。逆に1レーンのカードを3、4枚搭載したいといったニーズでは不足するので、これにマッチするかどうかは熟考しよう。
価格的にはAMD B650チップセット搭載マザーボードのミドルレンジに相当する。4万円台なので安い買い物とは言えないが、高価なAM5マザーボードの中ではほどほどで、機能を考えればコストパフォーマンスはよいと言える。