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TDP 65Wになり扱いやすく!AMD「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」「Ryzen 5 7600」最速レビュー(4/5)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

ゲームではTDP 65W版Ryzenが安定して強い

ここからは実ゲームでの検証だ。全てのゲームにおいて解像度はフルHD、画質設定はプリセットの一番下の設定とした。フレームレート計測は全て「FrameView」を使用し、フレームレートと同時にベンチマーク実行中に消費されたCPUの電力(CPU Package Power)も取得している。

今回のテストでは現時点で最速のRadeon(RX 7900 XTX)を使っているが、CPUパワーの差がどの程度ハイエンドGPUのパフォーマンスに影響を与えるかという視点でご覧頂きたい。

最初に「Overwatch 2」は画質“低”、FSR 1はオフに設定。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。

Overwatch 2:1920×1080ドット時のフレームレート

今回のように性能の近いCPUの検証ではデータがブレやすくなるが、Ryzen勢はコア数やクロックにあまり関係なくほぼ450fps付近に集まっているのに対し、第13世代Coreはコア数とフレームレートが激しくリンクし、下位モデルであるほど落ち込みが激しい。

平均フレームレートでのトップはMTP無制限設定のCore i9-13900だったが、MTPを制限した際のCore i9-13900はRyzen勢と大差ない結果になった。言い換えれば予算をCPUに多く割けない場合では、Ryzen 5 7600の方がCore i5-13500よりも「Overwatch 2に関しては」より費用対効果の高いPCになる。

「F1 22」では画質“超低”、異方性フィルタリングは16x、アンチエイリアスは“TAA+FidelityFX”に設定。ゲーム内ベンチマーク(条件は“モナコ”+“ウエット”)再生中のフレームレートを計測した。

F1 22:1920×1080ドット時のフレームレート

このテストでは第13世代Coreのアドバンテージは消失し、平均フレームレートはもとより最低フレームレート(正確には下位1%以下の平均値)においてもRyzen勢の方が優秀である。トップを獲ったのはRyzen 7 7700Xで、コア数の多いRyzen 9 7900は7700Xよりやや下になっているのは、CCD1基で済む8コアRyzenのメリットが活きたからと考えられる。

「Cyberpunk 2077」では画質“低”、FSR 1は無効化。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Cyberpunk 2077:1920×1080ドット時のフレームレート

ここでもRyzen勢、特にCCDを1基しか持たないRyzen 7やRyzen 5の平均フレームレートが安定して高い(最低フレームレートが仲良く低い理由は不明)。このグループに唯一食い込めているのがMTP無制限設定のCore i9-13900だけで、それ以下のCPUは大きくフレームレートを下げている。MTPを定格に絞るとCore i9-13900でも第2グループに降格してしまう点にも注目したい。

「Forza Horizon 5」では画質“最低”、MSAAはx2に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Forza Horizon 5:1920×1080ドット時のフレームレート

ここでもRyzen勢がトップ集団を形成。TDP 65W版RyzenはX付きのフレームレートとほとんど差がない。第13世代Core勢はCore i9-13900がRyzenに近い性能を発揮しているが、Core i7やi5のフレームレートはRyzenよりも大幅に下がってしまう。

Ryzenのコア/スレッド数は第13世代Coreよりも少ないため、ゲームの裏でDiscordやOBSで並列処理させたいという人にはやや辛い部分もあるが、逆にゲームの処理のみに集中させる前提であれば、Ryzen 7や5は値段が安い割に優秀といえる。

ここまで試した4本のゲームにおいて、ベンチマーク中に消費されたCPU電力、すなわちCPU Package Powerの平均値を比較する。

Overwatch 2:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

F1 22:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

Cyberpunk 2077:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

Forza Horizon 5:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

第13世代Coreの消費電力は後ほど解説するが、ゲーム中におけるCPU Package Powerは実はそれほど高くはない。実際にMTP無制限時の第13世代Coreの消費電力はCPU負荷が特別に高いCyberpunk 2077で165Wだが、大半のCPUでは50~60W、Ryzen 7 7700X~Ryzen 9 7900Xクラスで80W~110あたりとなる。MTPを絞れば第13世代Coreの消費電力も全体に低く抑えることができるが、そうするとフレームレートが大きく下がることは前掲の結果から分かっている。

各CPUのワットパフォーマンスを見るために各ゲームの平均フレームレートをベンチマーク中のCPU Package Powerで割り10倍した値、つまりCPU Package Power 10Wあたりのフレームレートも見ておこう。

Overwatch 2:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

F1 22:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

Cyberpunk 2077:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

Forza Horizon 5:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

第13世代CoreのうちCore i7-13700の方がCore i9-13900よりも消費電力が増えるケースがあったため、所々i9とi7のワットパフォーマンスが逆転している部分がある。全体の傾向でいえばCPUコア数が増えるほどワットパフォーマンスは悪くなる傾向にあるが、第13世代CoreでMTPを絞った場合はコア数が増えるほどワットパフォーマンスは向上する。

Ryzen勢とMTPを絞った第13世代Core勢がオーバーラップするのがRyzen 7~5になるので、ゲームのワットパフォーマンスの観点ではRyzen 7 7700はかなり良好なチョイスであることが示されている。

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