初代Ryzenとゲームに強いと言われるRyzen 7 5800X3Dを比べてみよう
月日の流れは早いもので、初代Ryzenの国内発売日が2017年3月3日だったので既に5年以上が経過している。(筆者はもちろん深夜販売に参加したゾ)
そこで初代Ryzenの最上位モデルであるRyzen 7 1800XとAM4でゲームに強いと言われているRyzen 7 5800X3Dとの性能と比べてみよう。共に8コア16スレッドのCPUである。グラフィックスにはRadeon RX 6800を使用して新旧のCPUでどれだけ性能が違うのか試してみた。
主な構成は以下の通り。
種類 | 今回組んだマシン | 初代Ryzenマシン |
CPU | Ryzen 7 5800X3D | Ryzen 7 1800X |
CPUクーラー | Wraith Prism | Wraith Prism |
メモリ | CFD Crucial W4U3200CM-8GB(3200MHz, 8GB×2枚) |
CFD Crucial W4U3200CM-8GB(3200MHz, 8GB×2枚) ※但し2666MHz駆動 |
SSD | Western Digital WDS500G2B0C(NVMe, 500GB) |
Western Digital WDS500G2B0C(NVMe, 500GB) |
マザーボード | BIOSTAR B550MXC PRO |
MSI B350 PC MATE |
グラフィックスカード | 玄人志向 RD-RX6800-E16GB/TP(Radeon RX 6800) |
玄人志向 RD-RX6800-E16GB/TP(Radeon RX 6800) |
ケース | ENERMAX Fulmo Q |
ENERMAX Fulmo Q |
電源 | ENERMAX EMB650AWT(650W 80 PLUS Bronze) |
ENERMAX EMB650AWT(650W 80 PLUS Bronze) |
OS | Windows 11 Pro 22H2 | Windows 10 Pro 22H2 |
まだ初代Ryzen 7 1800Xも普段使いには十分な性能を持っているのだが、残念ながらWindows 11はサポートされないのでそろそろ買い替えを検討するタイミングなのかもしれない。
■BIOSを見てみよう
BIOS設定画面は黒とグレー色のシンプルでシックなデザインとなっている。設定項目が非常に見やすい。BIOSは派手にするよりもこのように見やすい方が良いと思う。
CPUの電力などの設定項目は豊富である。筆者は省電力設定が好みなので電力リミット(PPT Limit[W])を下げて運用できるのは嬉しい。市販の大型CPUクーラーよりも簡素なCPU付属のクーラーの回転数を下げて運用するのも良いだろう。
オーバークロック向けのマザーボードでは無いが、Tweakerのタブにはオーバークロック向けの向けの項目もある。自己責任にはなるがCPU、メモリとも弄れるのでより高い性能を引き出すことができるだろう。
次からはベンチマークの結果を見ていこう。
■CPU性能はシングルスレッドもマルチスレッドも1.5倍!!
定番のCPU性能測定ベンチマークソフトであるCINEBENCH R23で比較してみた。
結果はRyzen 7 5800X3Dの方がシングルスレッドもマルチスレッドとも約1.5倍高いスコアとなった。どちらのCPUも8コア16スレッドなのでシングルスレッドの性能向上がそのままマルチスレッドに恩恵を与えた形なのだろう。
■3D関係のベンチだと同じグラフィックスカードでも1.9倍速くなるパターンもあり
Ryzen 7 5800X3Dは3Dの名を冠するだけありゲームに強いCPUと言われている。3D Markとファイナルファンタジーシリーズのベンチで比較してみた。
こちらでももちろんRyzen 7 5800X3Dが優位となるが3D MarkはFire Strikeにおいては約1.5倍のスコアとなった。特にファイナルファンタジーXIVの解像度1920×1080のスコア向上幅が大きく、実に1.9倍となっている。逆に言えばRadeon RX 6800クラスのグラフィックスカードを生かすためにはこのクラスのCPUが欲しいということだ。
古いマシンに最新のグラフィックスカードを使用しても性能が発揮できないので勿体ないのである。目安としてミドルレンジクラス以上のグラフィックスカードを購入を検討しているならCPUのアップグレードも検討して欲しい。
なお、3840×2160の4K解像度となるとグラフィックスカード側がボトルネックとなり、CPU性能の違いだけではスコアに大きな差が出なくなる。
ストレージをたくさん積みたい人には特にオススメ。
後発ならではのCPUのBIOS対応も安心だ。
BIOSTAR B550MXC PROは拡張性の高さが特徴的なマザーボードで、SATAデバイスでファイルサーバーにしたり、PCIeカードをガシガシ増設したりしたい人など用途がガッチリハマる人には特にお勧めだ。しかし、そうでない人には・・・と思われるかもしれないが、予想販売価格が16980円と昨今のB550チップセットマザーでは比較的安価なのである。(更に安価もの存在するのだが、メモリソケットが2本であったり拡張性が控えめなエントリーモデルであったりすることが多いのだ。)
また、AM4マザーボードとしては後発で登場したこともあり初期バージョンのBIOSでCPUサポートリストに載っている全てのCPUに対応しているというのもメリットだ。もちろん、今回ベンチマークを実施したAM4向けCPUとしては最新となるRyzen 7 5800X3Dにも対応している。
これらのCPUが発売する前に登場したマザーボードはBIOSのバーションが古い場合があり、新しいCPUを動かす為には新しいBIOSに書き換えなければならない。その為に古いCPUを用意する必要があるので対応CPUを持っていない方には敷居が高いだろう。(高価な上位モデルならBIOSのFlash Back機能のようなものが搭載されているが・・・)
そういう意味では初めてAM4で組む人も安心だ。もちろん、AM4は成熟期にあるのでセカンドマシンや保守用にも最適だと思う。是非、このB550MXC PROで快適なAM4ライフを満喫してほしい。
■関連サイト
BIOSTAR B550MXC PRO 製品情報(BIOSTAR代理店:アユート)
BIOSTAR B550MXC PRO 製品情報(英文)