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3D V-Cache搭載「Ryzen 7 7800X3D」はコア数は控えめだが最高のゲーミングPC向けCPUだった!?(1/7)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

 2023年4月6日22時、AMDは3D V-Cacheを搭載したゲーミングに特化したCPU「Ryzen 7 7800X3D」の販売をグローバルで解禁する。1ヶ月ほど前に流通が始まった「Ryzen 9 7950X3D」の下位モデルであるが、本邦での発売はグローバルよりもさらに遅く、4月14日午前11時解禁、予価7万1800円となる。販売解禁の遅延理由についてはAMDより「物流の事情」という回答のみが寄せられている。

 Ryzen 9 7950X3Dおよび姉妹品である7900X3Dは、物理コア数がそれぞれ16基、12基となっているが、内部構造は3D V-Cacheを搭載したCCD0 (CCD:CPU Compute Die)と、3D V-Cacheを搭載しないが高クロック動作が可能なCCD1のデュアルCCD構成となっている。

 CCD0、いわば“ゲーミングコア”側でゲームを動作させることで、ゲームではライバル「Core i9-13900K」を大きく超えるフレームレートを叩き出せる。3D V-Cache搭載のRyzen 9 7950X3DとRyzen 9 7900X3Dはゲ ームも快適に遊びつつ、動画編集なども快適に処理したい、あるいはゲームの裏でいろいろなアプリやツールを動かしたいクリエイターやエンスージアスト向けのCPUとして誕生した。

Ryzen 9 7950X3DおよびRyzen 9 7900X3Dの内部構造。上部に2個あるのがCCD0とCCD1だが、左側のCCD0側にのみ3D V-Cacheが上積みされている。Ryzen 7 7800X3Dは右のCCD1がダミーのダイに置換されていると思われる

 ゲームの処理は3D V-Cacheを搭載したCCD0で確実に実行させるために、AMDはさまざまな工夫(と実に頭の良い手抜き)を凝らした。だが、結果として最初のセットアップを間違えると、折角の3D V-Cacheの威力を活かせないという弱点も抱え込んでしまった。手順は筆者のRyzen 9 7950X3Dレビュー記事前編をご一読頂きたい。

 ところがRyzen 7 7800X3Dは、Ryzen 9 7950X3Dから3D V-CacheのないCCD1を取り除いた、“ゲーミングコアのみ”で構成された“ゲーミング全振りCPU”である。物理8コアなのでマルチスレッド性能はRyzen 9 7950X3Dなどよりも劣るものの、コアの使い分けを意識しなくてもよい。そしてコア数が少ない分、安価という大きなメリットもある。3D V-Cacheはゲームにしか効果が期待できないもの、7万円台前半で販売されるRyzen 7 7800X3Dは、Core i9-13900Kに対する強力なライバルになるだろう。

 今回筆者は幸運にもRyzen 7 7800X3Dをテストする機会に恵まれたが。前回にも増して厳しい時間的制約下におけるレビューとなった。果たしてRyzen 9 7950X3DやRyzen 9 7900Xと比べどの程度性能が違うのか、そしてコア数で大きく勝るCore i9-13900Kを倒しジャイアントキリングを達成できるのか? 簡単ではあるが検証していきたい。

今回入手したテスト用サンプル。形状は既存のSocket AM5版Ryzen 7000シリーズと全く同じである

パッケージはRyzen 9 7950X3Dなどと同じ“少し高級感のある”厚紙のパッケージが採用されている。CPUクーラーは別売なのでAM5対応クーラーを別途購入しておこう

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