日本時間2021年10月14日、AMDの新型ミドルレンジ向けGPU「Radeon RX 6600」(以下、RX 6600)の販売が始まった。このRX 6600は、「Radeon RX 6600 XT」の下位に置かれるモデルで、RDNA 2アーキテクチャを採用ながら購入しやすい新型GPUとして、市場の注目度は高い。
今回紹介するのは、そんなRX 6600を採用したASUSのグラフィックスカード「Dual Radeon RX 6600」(型番:DUAL-RX6600-8G、以下DUAL-RX6600)である。果たして、このDUAL-RX6600はどのようなカードなのか、テストを踏まえて詳しく見ていきたい。
動作クロックはリファレンスどおり
GPU Tweak IIでオーバークロック動作も可能
まずは、DUAL-RX6600の動作クロックから紹介していこう。DUAL-RX6600のゲームクロックは2044MHz、ブーストクロックは2491MHzとリファレンスどおり。メモリークロックも14Gbpsと、こちらもリファレンスから変わりはない。
ただし、DUAL-RX6600は付属アプリケーションの「GPU Tweak II」(Version 2.3.7.1)を用いることで、「OC mode」「Gaming mode」「Silent mode」の3つの動作プリセットが利用可能。工場出荷時設定はGaming modeで、その動作クロック設定は前述のとおり。OC modeは、ASUSのWebサイト上ではゲームクロックが2064MHz、ブーストクロックは2491MHzと記載されている。一方GPU Tweak II上の設定を見ると、Gaming modeからGPU Clockが20MHz上がり、Power Targetが106%に引き上げられている。
Silent modeはASUSのWebサイトには説明はないものの、実際に動かしてみたところ、Gaming modeからGPU Clockが20MHz低下し、Power Targetも94%に低下するのを確認した。なお、どの動作モードでもメモリークロックは14Gbpsから変わりはない。
さらに、GPU Tweak IIのAdvanced Modeでは、各種オーバークロック設定が利用可能。具体的には、ブーストクロックを1MHz刻みで2409~2709MHzに設定できるほか、CPUのコア電圧も1mV刻みで773~1150mVに変更可能だ。さらに、メモリークロックも4Mbps刻みで13.4~14.6Gbpsに設定できる。
カード長は実測で約242mm
Axial-tech Fans仕様のGPUクーラーを搭載
それでは、DUAL-RX6600のカードそのものを見ていこう。カード長は実測で242mm(※突起部除く)だが、基板自体は200mmほどしかないので、カード後方にGPUクーラーが約42mmはみ出た格好だ。また、マザーボードに装着した際、垂直方向に28mmほどブラケットからはみ出すため、コンパクトなPCケースに搭載する場合、干渉しないよう注意が必要だ。
GPUクーラーは、2.5スロット占有タイプで100mm角相当のファンを2基搭載。このファンは、バリアリングとブレードが一体化した「Axial-tech Fans」仕様。ASUSによると、この仕様によりエアフローの収束度が増し、風圧が向上するという。さらに、「0dBテクノロジー」と呼ばれるGPUコアの温度が52℃を切った場合に回転を停止する機能も用意されている。
GPU Tweak IIを用いれば、1%刻みで回転数を0~100%に固定できるのだが、実際に0%に指定してもファンは回転し続けたので、一定数以下には下げられないようだ。また、GPUコアの温度とファンの回転数を示したグラフから、ユーザーが任意の温度における回転数を自由に設定することも可能だ。
カードを横から覗き込むと、ヒートシンクに6mm径のヒートパイプが3本用いられているのが確認できる。これらのヒートパイプが、GPUベースから放熱フィンへと続く構造だ。なお、GPUだけでなく電源部やメモリーチップにもヒートシンクが接しており、冷却にも配慮されている。
補助電源コネクタは8ピンを1本装備。映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4が3つに、HDMI 2.1が1つ、最近の製品では標準的な構成だ。