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【AMDチップセットマザーボードレビュー第13回】

唯一無二の最上位マザーボード、ASUS「ROG Zenith II Extreme Alpha」は個性を極めたい人にオススメ!(1/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

製品名:ROG Zenith II Extreme Alpha
メーカー:ASUSTeK
実売価格:7万3000円前後

ASUSの「ROG」ブランドの製品にもいくつかグレードがある。今回紹介する「ROG Zenith II Extreme Alpha」の“Zenith”は、Threadripper向けのROGシリーズでは最上位となるモデルだ。STRIXがゲーミングエントリーを支えるのに対し、Zenithは最上位でゲームもオーバークロックも、そして水冷やライティングといったエンスージアスト向け要素をすべてカバーする。

「ROG Zenith II Extreme Alpha」の主なスペック
対応ソケット Socket sTRX4
チップセット AMD TRX40
フォームファクター Extended-ATX
メモリースロット DDR4×8(最大256GB)
対応メモリークロック DDR4-4733(OC)~3400(OC)、DDR4-2800~2133
拡張スロット PCI Express 4.0 x16×4
(x16、x16/x16、x16/x8/x16、x16/x8/x16/x8)
ストレージインターフェース SATA3(6Gbps)×6、M.2(PCIe4.0x4/SATA3)×3、M.2(PCIe4.0x4)×4(M.2 XPANDER-AERO Gen4)
ネットワーク 10ギガビットLAN(Aquantia AQC107)、1ギガビットLAN(Intel I211-AT)、Wi-Fi 6(Intel Wi-Fi 6 AX200)
サウンド 7.1ch HDオーディオ(SupremeFX S1220)
リアインターフェース USB3.2 Gen2x2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×3、USB 3.2 Gen1×4、オーディオ端子×5、SPDIF端子×1、USB BIOS FlashBackボタン、CMOSクリアボタン
M/B上インターフェース RGB LEDヘッダー×2、アドレサブルLEDヘッダー×2、USB2.0ヘッダー×2、USB3.2 Gen1ヘッダー×2、USB3.2 Gen2 Type-Cヘッダー×2、電源ボタン、CMOSクリアボタンなど

ROG Zenith II Extreme Alphaには豊富な機能が搭載されており、それは第3世代ThreadripperおよびTRX40チップセットが利用可能なPCI Expressの限界に挑戦しているかのようだ。現在のマザーボード上のインターフェースの多くはPCI Expressレーンにつながっている。

ROG Zenith II Extreme Alphaの場合、10GbEやWi-Fi 6、USB 3.2 Gen2x2や豊富なM.2スロットなどでこれらを利用している。もちろん拡張スロット自体もPCI Express 4.0 x16×4(レーン構成はx16が最大2本+x8が最大2本)。豊富な拡張性・接続性があり、これを生かすハイエンドシステム向けがもっともふさわしいだろう。

拡張スロットはPCI Express 4.0 x16×4

バックパネル。USB Type-C×2やWi-Fi 6アンテナ、10GbEなどここを見ただけでも多機能なのが分かる。オーディオジャックにはLEDも仕込まれている

まずM.2。ROG Zenith II Extreme Alphaが利用できる最大スロット数は5基だ。TRX40クラスの製品であれば、マザーボード上に3基搭載している例は多い。本製品も基本的には同じだが、ほかの製品の多くが拡張カードとして4スロット等を追加しているのに対して、本製品は独自の「DIMM.2」を利用して2スロットを追加できるので、拡張スロットを塞がない。その上で、別売りとなるがASUSTeKも拡張カード型のM.2追加カードを展開しているので、さらにストレージを拡張することが可能だ。

そもそもROG Zenith II Extreme Alphaのマザーボードは、以前紹介したTRX40マザーボードのROG Strix TRX40-E Gamingより幅広だ。27.7cm対24.4cmと、3.5cm弱大きい理由がDIMM.2。DIMM.2はDIMMと同じ端子をしたM.2拡張カードとイメージすればよい。DIMM.2上には2基のM.2 22110スロットがあり、NVMe対応、PCI Express 4.0×4接続が可能になっている。つまるところ、形状が違うだけでPCI Expressであることは同じだ。ただし、実装位置や設計上(配線や信号品質面など)で有利になることはあるだろう。

一見すればOCメモリのような基板だが、M.2 SSDを搭載できるDIMM.2。実際にほぼ見た目がDIMMのスロットを介して搭載する

マザーボード上にはそのほか3つのM.2スロットがあるが、うち1つはざっくりとスペックを読んだだけでは見つけづらいかもしれない。マザーボード裏面にあるからだ。ROG Zenith II Extreme Alphaの裏面にはバックプレートが装着されているが、M.2スロット部分は露出しているので装着の手間は少ない。

拡張スロットの間にM.2スロットを2つ搭載している

M.2スロットのうち1基は基板の裏面。PCI Express拡張スロットの裏面付近にある

冒頭で触れたネットワークは、現在のマザーボードで一般的な1GbEに加え、Aquantiaの10GbEが1ポート、そしてIntelのWi-Fi 6が搭載されている。現在はまだ1GbE、Wi-Fi 5が主流かもしれないが、今後Wi-Fi 6を導入すれば1GbE級の無線接続が利用でき、10GbEを導入すれば一気に10倍のネットワーク帯域が利用できる。アップグレードパスとしてのメリットは大きいだろう。

Aquantiaの「AQC107」で10GbEを実装している

こちらは1GbEチップのIntel「I211-AT」

USB 3.2 Gen2x2は背面バックパネルに搭載されている。形状はUSB Type-C。USB 3.2は少々分かりづらいが、Gen2x2が20GbpsでGen2(=USB 3.1 Gen2)が10Gbps、Gen1(=USB 3.0またはUSB 3.1 Gen1)が5Gbps。チップセットやCPUでサポートされているのはUSB 3.2 Gen2までなので、現状USB 3.2 Gen2x2は追加チップで実装される。

バックパネルのUSB 3.2 Gen2x2はASmediaの「ASM3242」チップで実現。この周辺には同じASmediaのUSB Hubチップ「ASM1074」も実装されていた

また、ROG Zenith II Extreme AlphaではフロントUSB Type-C(USB 3.2 Gen2)を2ポート搭載している。現在のPCケースでは1ポートあればよいというくらいだが、オープンベイを利用して追加したり、今後2ポート対応のケースが登場したりすれば、これを生かすことができる。

フロントパネル用のUSB 3.2 Gen2内部端子を2つ搭載しているのはめずらしい

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