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世界初7nm GPU「Radeon VII」で、AMDは再びGPU性能競争の最前線に立てるか?(2/14)

シュリンクしてクロック増し増し、メモリー帯域激増

ではRadeon VIIのスペックやカードの外観等を眺めていこう。下にスペックを表にまとめてみたが、前世代には存在していた“Liquid Cooled Edition”、つまり水冷バージョンのようなバリエーションはなく、空冷仕様のモデルのみが当面提供される。また、メーカー独自設計のクーラーを搭載したモデルについて言及しているメーカーはまだ存在せず、Vega56/64のように登場しても少数派になる可能性もある。Vega 64は空冷バージョンのスペックで比較した。

主なスペック
Radeon VII Radeon RX Vega 64 Radeon RX Vega 56
製造プロセス 7nm FinFET 14nm FinFET
Compute Unit数 60基 64基 56基
→ストリーミングプロセッサー数 3840基 4096基 3586基
Compute Unit数 60基 64基 56基
ベースクロック 1400MHz 1274MHz 1156MHz
ブーストクロック 1800MHz 1630MHz 1590MHz
テクスチャーユニット数 256基
POP数 64基
メモリー速度(相当) 2Gbps 1.89Gbps 1.6Gbps
搭載メモリー HBM2 16GB HBM2 8GB
メモリーバス幅 4096bit 2048bit
消費電力(Board Power) 300W 295W 210W
外部電源 8ピン×2

Radeon VIIのアーキテクチャーは従来と同じVega系列だが、“Vega 20”という開発コードネームが示す通り“Enhanced 2nd-Generation”、つまり第2世代Vegaと位置づけられている。ただ第2世代VegaはGCNの世代的には先代Vegaと同じ第5世代なのか、プロセスが変わったから第6世代になるのかまでは名言されていない。

スペック表で注目したいのはCU(Compute Unit)がVega 64よりも4基少ない60基になる代わりに、ブーストクロックが1750MHzと高めにに設定されている点だ。7nmプロセスでCU60基、メモリー周りの仕様などから、Radeon VIIはAMDがディープラーニングやレンダリングシステム向けに昨年より提供しているプロ向けのビデオカード「Radeon Instinct MI50アクセラレーター」にグラフィク出力機能を付け、より高クロック動作に仕上げたものといえる。ただし、MI50に搭載されていたマルチGPU用のInfinity Fabricは削除されていると推測される。

やや細かいがAMDは、Radeon VIIより“ピーククロック”というスペックも公開している。これは読んで字のごとくGPUクロックにブーストがかかったときの最大値となるが、これは持続することを意図せず瞬間的に出せるクロックであるとAMDは解説している。クリエイティブ系アプリのGPU支援のパフォーマンスを効率よく得るためのもの、としている。このピーククロックは旧世代のVega 56/64にも存在するということは、単純に隠しパラメーターが公表されただけのもの、と考えて良さそうだ。

「GPU-Z」でRadeon VIIカードの情報を拾ってみた。まだデータベースに入っていないらしく、空欄だらけだがVRAM容量は16GB確認できた

Radeon設定からはクロックやメモリーバス幅等のスペックが確認できる

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