映像のヌルヌル再生にチャレンジするも……
アニメでの効果絶大なAMDの映像補完技術のFluid Motion Videoは、AMD GPUを内蔵するAPUでも使用できるが、Windows 10と最新ドライバーですんなり使えるかと言うと、実はそうでもない。いつのころからか、AMD APUではRADEON SETTINGSに、肝心のFluid Motion Videoの項目が表示されなくなってしまった。
これは過去記事でも紹介したBluesky氏が公開しているFluid Motion Video対応のフレームレート変換用DirectShowフィルタ「Bluesky Frame Rate Converter」を使うことで有効化、「PowerDVD」で利用できるようになる。そのはずだったのだが……、最新ドライバーとDeskMini A300+Ryzen Gだと、どうしてもRADEON SETTINGSの「ビデオ」に、「AMD Fluid Motion Video」の設定項目が表示されない事態が発生した。
RADEON SETTINGSに設定項目が表示されなくとも、これまで通り、「Bluesky Frame Rate Converter」を使うことで「Media Player Classic – Homecinema」(以下、MPC-HC)や「Media Player Classic – BE」(以下、MPC-BE)といったメディアプレイヤーの外部フィルターとして利用でき、24フレーム・30フレームの動画ファイルやYouTube動画を60フレームに補完したヌルヌル映像で楽しめるのだが、「PowerDVD」のBD再生ではAMD「Fluid Motion Video」を有効にできなかった。
別のDeskMini A300とRyzen Gでも試しても同じで、どうもAPU&PowerDVDでの「Fluid Motion Video」はNGになっているようだ。この件については、各メーカーに問い合わせしても判然としない。
一応、RyzenやRadeon所有の編集部スタッフにも確認すると、Radeon RX400やRX 500シリーズ採用のビデオカードを搭載した環境でも、RADEON SETTINGSの「ビデオ」に、「AMD Fluid Motion Video」の項目が出てこない、設定で有効化できるが、PowerDVDで有効にするとエラーが出るなど、状況はバラバラ。
実際、筆者もOSやドライバーを導入してあるSSDを、B450チップセット搭載マザーボードとRadeon RX 570搭載の環境で、そのまま使うとドライバーを再インストールしても、RADEON SETTINGSの「ビデオ」に、「AMD Fluid Motion Video」の項目は出てこず、「Bluesky Frame Rate Converter」で一定の手順を踏む必要があった。
環境で挙動が変わるという非常に困った状態だが、OS、ドライバーを都度クリーンインストールして試してみると、Radeon RX 500シリーズのビデオカードを搭載していれば、「PowerDVD」でも「Fluid Motion Video」を活用できた。しかし、現状APUではMPC-HC・MPC-BEなどのメディアプレイヤーのみになるようだ。
以下が、今回試した組み合わせ。さすがに、原因となる箇所がドライバーなのか、ソフトとの相性なのか、どこにあるのかきっかけすらつかめなかったので、他のチップセットなどまでは試していないが、参考にして欲しい。もし、ビデオカードを搭載して動作しなかった場合は、ドライバーのクリーンインストールし、それでもダメな場合は「Bluesky Frame Rate Converter」の導入も試して欲しい。
Fluid Motion Video検証結果
APU | GPU | Adrenalin 2019 Edition 19.4.2 | Bluesky Frame Rate Converter | |
---|---|---|---|---|
PowerDVD | PowerDVD | MPC-HC・MPC-BE | ||
Ryzen 5 2400G | Radeon RX Vega 11 | NG | NG | OK |
Ryzen 5 2400G | Radeon RX 570 | OK | OK | OK |
Ryzen 7 2700X | Radeon RX 570 | OK | OK | OK |