フレームレートが落ち込むポイントを可視化してみる
漆黒のヴィランズベンチで提示される快適度と実際のフレームレートには乖離があるようだが、実際重いシーンはどの程度で、CPUパワーがどの程度影響するかもう少し詳しく見ていこう。
次の2つのグラフは、Radeon VII環境で漆黒のヴィランズベンチを回した時のフレームタイムを「OCAT」で追跡したものだ。フルHD&最高品質設定でRyzen 7 2700XとRyzen 3 2200Gそれぞれ比較する。
フレームタイムとは「1フレーム描画するのにかかった時間」なので、このグラフでは縦軸が下になるほど軽いシーン、上に伸びるポイントが重いシーンであることを示す。
横軸は時間で、左がベンチ開始(実際に絵が出る瞬間)、一番右がファンファーレとともにスコアーが出るシーンとなる。
途中、いくつかバーが天井に達している部分があるが、これはシーンの切り替わりのローディング画面となる。
どちらにグラフにおいても、左端(開始時点)から10分の1のところ(およそ20秒位のところ)に重いシーンが出現し、ローディング画面を2つ挟んだ後のシーン(シーン3)でフレームタイムが全体に高くなる。
このシーン3が漆黒のヴィランズベンチにおける難所だ。バトルシーンが重くてミスしたくない人は、画質設定を調整する際はシーン3の重さを重点的にチェックしたい。
幸いRadeonにはドライバーに組み込まれた“パフォーマンスメトリクス”機能にフレームレートを表示する機能があるので有効活用するとよいだろう。
ちなみに上のフレームタイム推移を重ねたのが次のグラフだ。Ryzen 7 2700Xの方がパワーがあるため、より多くのフレームを描画できる。Ryzen 7 2700Xのグラフがやや横に伸びているのはそのためだ。どちらのCPUでも、シーン3のフレームタイムは長くなる(Y軸方向に高くなる)。
現行AMD製CPU/GPUなら
高スコアー獲得は難しくない
以上で漆黒のヴィランズベンチの検証は終わりだ。FFXIVの採用するゲームエンジンの仕様からRadeonでは高フレームレートが出しにくいという歴史的経緯はあるが、現状のRadeonはパワーも上がっており、現行モデルを組み合わせれば高スコアー獲得も意外と優しい。
ただ原稿執筆時点では第3世代RyzenやRadeon RX 5700シリーズといったAMD期待の新ハードでは試せていない。これが漆黒のヴィランズベンチにおいてどの程度威力を発揮するかは、今後の発売を待ちたいところだ。