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【注目Radeonピックアップ!第5回】

付属アプリで5つの動作クロックを切り替え!ゲーマーだけでなくクリエイターにも向けたMSI「Radeon RX 5700 XT EVOKE OC」レビュー(1/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

ゴールド一色のGPUクーラーが印象的なビデオカードがMSIから発売された。「Radeon RX 5700 XT EVOKE OC」(以下、5700 XT EVOKE OC)という本製品は、「Radeon RX 5700 XT」(以下、RX 5700 XT)搭載のオリジナルデザインを採用したモデルである。この5700 XT EVOKE OCがユニークなのは、ゲーミング用途はもちろんのこと、レンダリングなどを行なうクリエイター向けにパフォーマンスの高さを訴求している点だ。では、この5700 XT EVOKE OCは、一体どのような製品なのか、詳しく見ていこう。

ブースト最大クロックは1945MHz
クリエイターに向けたCreator Modeを搭載

冒頭でも述べたとおり、GPUにはRX 5700 XTを採用し、グラフィックスメモリにはGDDR6を8GB搭載する。気になる動作クロック設定は、ベースクロックが1690MHz、Gameクロックが1835MHz、ブースト最大クロックが1945MHzと、リファレンスクロックから順に85MHz、80MHz、40MHz引き上げられたクロックアップモデルとなっている。一方、メモリスピードは14Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりはない。

Radeon Settingからカードの概要を見てみると、コアクロックとしてGameクロックの1835MHzが表示されているのがわかる

カード長は実測で232㎜(※突起部除く)で、リファレンスカードが同273mmであったのに比べると、40mmほど短くなった格好だ。コンパクトに収まった2.5スロット占有タイプのGPUクーラーには、90mm角相当のファンを2基搭載。これらのファンは、「TORX FAN 3.0」と呼ばれる2種類の異なる羽を交互に組み合わせた構造を採用しているほか、「Zero Frozr」という機能により、GPUコアの温度が60度を下回るとファンの回転を停止する機能を備えている。また、MSIの説明によると、ヒートシンクには6㎜径の4本のヒートパイプが用いられ、メモリチップや電源部についてもヒートシンクと密接する構造を採っているとのこと。

カード裏面には補強用のバックプレートが装着されているが、GPUクーラーと一体化され、基板やヒートシンクなどを包み込むような形になっている点はユニークだ

エアフローの向上を図るため、途中から傾斜が変わる羽と、突起物が装着された羽が交互に組み合わさった構造であるTORX FAN 3.0を採用している

補助電源コネクタは8ピン+6ピンという構成で、このあたりはリファレンスカードと同じ。映像出力インターフェースもDisplayPort 1.4×3、HDMI 2.0b×1が並び、こちらもリファレンスカードから変わりはない。

補助電源コネクタは1段低い箇所に実装されているため、コネクタがPCケースに干渉しないよう配慮されている

映像出力インターフェースは、リファレンスカードと同じDisplayPort 1.4×3、HDMI 2.0b×1という構成だ

さて、この5700 XT EVOKE OCで特に注目したいのは、付属アプリケーションの「Dragon Center」(Version 2.0.05.0)である。このDragon Centerには、「Extreme Performance」「Balanced」「Silent」「Creator Mode」「Customize」といった5つの「User Senario」が用意されている。つまり、動作クロック設定が異なる5つのプロファイルが用意されているというわけだ。

デフォルト設定はBalancedで、Extreme Performanceではベースクロックが1427MHzに下がる一方でブースト最大クロックが2054MHzに上昇。Silentではベースクロックが1372MHz、ブースト最大クロックが1944MHzに抑え、消費電力の低減や静音性の向上が期待できる。また、Creator Modeでは動作クロック設定はデフォルトから変わりはないものの、「Adobe Premiere Pro CC」や「AutoCAD 2019」、それに「Maya 2019」などの最適化が自動で適用されるようになる。つまり、このCreator Modeが、5700 XT EVOKE OCがクリエイター向けも謳っている所以というわけだ。なお、最後のCustomizeではユーザーがブースト最大クロックとメモリクロックを1MHzきざみで調節することが可能となっている。

各動作クロック設定は、Dragon CenterのUser Senarioから選択するだけと簡単だ

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