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【注目Radeonピックアップ!第5回】

付属アプリで5つの動作クロックを切り替え!ゲーマーだけでなくクリエイターにも向けたMSI「Radeon RX 5700 XT EVOKE OC」レビュー(2/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

多くの場面でRTX 2070 SUPERを凌駕
ゲームによっては4Kでも満足な性能を発揮

それでは、5700 XT EVOKE OCのパフォーマンスを確認していこう。今回は、比較対象にAMDがRX 5700 XTの競合製品と位置付ける「GeForce RTX 2070 SUPER」(以下、RTX 2070 SUPER)を用意。ライバルに対して、この5700 XT EVOKE OCが、どの程度の位置付けに置かれるのか明らかにしようというわけである。なお、5700 XT EVOKE OCは、デフォルトのBalanced設定でテストを行ない、そのほかのテスト環境は表のとおりとなる。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-8086K」(4.0GHz、最大5.0GHz)
マザーボード MSI「MPG Z390 GAMING PLUS」(Intel Z390)
メインメモリ DDR4-2666 8GB×2
ビデオカード MSI「Radeon RX 5700 XT EVOKE OC」(Radeon RX 5700 XT)、GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition
SSD SAMSUNG「SSD 850 EVO」(Serial ATA 3.0、500GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit版

まずは、「3DMark」(Version 2.10.6799)の結果からだが、5700 XT EVOKE OCはFire Strikeの3つのテストにおいて、RTX 2070 SUPERを4~6%上回るパフォーマンスを発揮。その一方で、DirectX 12のテストとなるTime Spyでは、RTX 2070 SUPERに6~11%ほど遅れを取る形となった。3DMarkにおいては、5700 XT EVOKE OCはクロックアップによる高クロック動作が、DirectX 11環境のFire Strikeで功を奏したと言ってよいだろう。

続いて「F1 2019」では、超高プリセットを指定し、ゲームに用意されたベンチマークモードを利用。その結果から平均フレームレートと最小フレームレートを取得している。その結果だが、5700 XT EVOKE OCとRTX 2070 SUPERは、まさに横並びといったところでいい勝負を演じている。また、3840×2160ドットにおいて、5700 XT EVOKE OCは、平均フレームレートが60fpsを超えており、快適にプレイできることは間違いない。

「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)では、1920×1080ドットの結果に着目してほしい。ここでは、プリセットからウルトラ設定を選択したうえで実際にプレイし、1分間の平均フレームレートと最小フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得した。5700 XT EVOKE OCは、2560×1440ドット以上の解像度ではRTX 2070 SUPERの後塵を拝してしまっているが、1920×1080ドットでは最小フレームレートで10fps以上もの差を付けた。つまり、高リフレッシュレートの液晶ディスプレイと組み合わせて、より有利に立ち回れるのは5700 XT EVOKE OCのほうだと言える。

「Far Cry New Dawn」では、5700 XT EVOKE OCが優勢の結果を残した。ここでは、最高設定を選択したうえで、ゲームのベンチマークモードを実行している。その結果だが、すべての解像度において、5700 XT EVOKE OCがRTX 2070 SUPERを上回る結果を残しており、とくに1920×1080ドットや2560×1440ドットで、最小フレームに6~8fpsも引き離している点は評価できるポイントだ。

最後に、Radeonシリーズでは分が悪い戦いとなる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。今回は、もっとも描画負荷が大きくなる最高品質を選択しているが、5700 XT EVOKE OCはRTX 2070 SUPERに届いていないものの、3840×2160ドットで、スクウェア・エニックスが指標で最高評価であるスコア7000を上回っており、5700 XT EVOKE OCで快適にプレイできることは間違いない。

価格は5万1000円~5万8000円
RTX 2070 SUPERより高いコスパが光る

以上のテスト結果からも明らかなとおり、5700 XT EVOKE OCのポテンシャルはかなり高い。ゲームによって向き不向きがハッキリしているものの、タイトルによっては4K解像度でも快適なプレイを実現しており、競合製品にまったく引けを取らない出来だ。また、Creator Modeにより、ゲーム以外の用途でも高パフォーマンスの恩恵が享受できる点も好評価だ。

5700 XT EVOKE OCの価格は5万1000円~5万8000円と、RX 5700 XT搭載のオリジナルデザインモデルとしては標準的。それに対して、RTX 2070 SUPER搭載カードは、ようやく6万円を切る製品が出てきたぐらいで、両者の価格差はかなり大きく、5700 XT EVOKE OCのコスパの高さが光る。

ゲームを快適にプレイしたいのはもちろんのこと、ゲーム以外にも活用しようと考えてるユーザーにとって、この5700 XT EVOKE OCはかなり魅力的な1枚ではないだろうか。


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