クリエイティブ用途に適した最新高速インターフェースが充実
マザーボード上で、I/Oパネルの下に小さなヒートシンクがある。これは10GbE LANのためのヒートシンクだ。10GbEは、処理が重いためにマザーボード上のチップのなかでもやや発熱が大きい。そこでヒートシンクを搭載しているわけだ。搭載チップはAQUANTIA「AQC107」。また、これとは別にRealtek 「Dragon RTL8125AG」も搭載しており、こちらは2.5GbE。1GbEのためのチップは搭載しておらず、これら10GbEと2.5GbEの機能でマルチギガ対応する。個人ではまだマルチギガへの移行は早い印象だが、業務効率を考える小規模事務所などではそろそろといった段階。より速い規格に対応していることは、今後のアップグレードに向けた備えとしてメリットがあるだろう。
ほか、無線LANとしてWi-Fi 6機能も搭載している。型番を確認できなかったが、Intel製チップとのことだ。
インターフェースでは、TRX40 Taichiにも搭載されていたUSB 3.2 Gen2x2 Type-Cも搭載している。20Gbpsの帯域を持ち、データの持ち出し、持ち込みを高速化してくれる。データサイズの大きなクリエイティブ用途ではこれも重要な機能と言えるだろう。
オーディオ機能は、Realtek ALC4050HとALC1220を組み合わせている。同社Purity Sound 4に準拠し、DTSコネクトにも対応している。コンデンサは100μFのものを5つ並べている。
昨今のマザーボードと言えばLED演出も特徴だが、TRX40 Creatorはボード上にはほぼLEDのない設計だ。もちろん、光らせたい用途に向けては、RGB LEDおよびARGB LED用のピンヘッダをそれぞれ2つずつ搭載している。一方、ケース組み込み前のチェックや、トラブルが生じた時の解決のために、電源/リセットボタンやPOSTコード表示LCDなどを搭載している。
安定性重視のVRMと冷却設計がクリエイティブ用途にまさにぴったり
TRX40 Taichiがオーバークロックというさらに上を目指す製品のため、それと比べるとTRX40 Creatorは大人しい設計だ。しかし、8フェーズ&90A対応のMOSFETとチョークという必要十分なVRM回路を備え、定格での安定性を追求している。各所の冷却設計も、安定動作向けと言えるだろう。
インターフェースもTRX40 Taichiとある程度被るが、2系統の高速LANは、今後のマルチギガ時代を見据えたものだ。一点、そう言えばThunderbolt 3が搭載されていないことに気づいたが、クリエイティブ用途でこれをどう捉えるか、それぞれの事務所によって異なるかもしれない。公開されているスペック表でもThunderbolt 3の表記はないため、搭載していないと考えてよいだろう。