ゲーミング向けブランドとして「ROG」(Republic of Gamers)ブランドを展開するASUSだが、その中でもSTRIXシリーズは、高品質と安定性を兼ね備えながらも、クロックアップモデルとしてはリーズナブルな価格を実現していることから市場での人気は高い。そんなSTRIXシリーズに、GPUにRadeonのNavi世代のエントリーモデル「Radeon RX 5500 XT」を採用した「ROG-STRIX-RX5500XT-O8G-GAMING」(以下、STRIX RX 5500 XT)が登場した。
果たして、STRIX RX 5500 XTはどのようなカードなのだろうか。また、そのパフォーマンスはどの程度なのかも気になるところ。そこで、いくつかのテストを通じてSTRIX RX 5500 XTが持つポテンシャルに迫りたい。
3つの動作モードと2つのVBIOSを搭載
搭載LEDはもちろんAURA SYNCに対応
まずは、STRIX RX 5500 XTの動作クロック設定から説明していこう。STRIX RX 5500 XTは、最近のASUS製品らしく、「Gaming Mode」「OC Mode」「Silent Mode」といった3つの動作モードを有している。これらの動作モードは、付属アプリケーションの「GPU TweakⅡ」(Version 2.1.3.2)から切り替え可能で、工場出荷時設定はGaming Modeとなっている。そのGaming Modeの動作クロック設定は、ベースクロックは非公開ながらも、ゲームクロックが1737MHzとリファレンスから20MHz高い一方で、ブーストクロックは1845MHzとリファレンスから変わりはない。
続いてOC ModeではゲームクロックはGaming Modeと同じ1737MHzだが、ブーストクロックは1865MHzと、Gaming Modeから20MHz上昇する。さらに、Silent ModeではブーストクロックがGaming Modeから20MHz下がり、Power Targetも90%に抑えられている。なお、メモリクロックは、どの動作モードとも14Gbpsで、リファレンスから変わりはない。
STRIX RX 5500 XTがユニークなのは、2つのVBIOSを搭載した「Dual BIOS」仕様である点。パフォーマンスを優先する「P(Performance) MODE」と、静音性を高める「Q(Quiet) MODE」の2つの異なるVBIOSが用意されており、補助電源コネクタのすぐ横に搭載されたディップスイッチで切り替え可能。工場出荷時設定はP MODEで、先の3つの動作モードと合わせて、ユーザーは計6通りの設定を利用できるというわけだ。
カード長は実測で約280mm(※突起部除く)で、基板自体は268mmほどなので、GPUクーラーがカード後方に10mm強はみ出ている格好だ。カード裏面には、補強用としてバックプレートを装着。補助電源コネクタは8ピン×1で、外部出力インタフェースはDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.0b(Type A)×1で、最近のカードとしては標準的な構成だ。
GPUクーラーは2.9スロット占有タイプで、100mm角相当のファンを2基搭載。これらのファンは、羽根を一体成型した「Axial-tech Fan Design」を採用しており、ASUSによると、このデザインによりエアーの拡散を抑え、風圧の向上を果たしているという。また、「0dB Technology」により、GPUの温度が58℃を下回った際にはファンの回転が停止する。なお、この0dB Technologyは、GPU TweakⅡから無効にし、常時回転するように設定することも可能だ。
(※カードを横から見たところ) カードを横から見たところ。2.9スロット占有タイプだけあって、かなり厚い印象を受ける
電源部には同社独自の品質規格「Super Alloy PowerⅡ」を満たした高品質な部材を採用するほか、ヒートシンクには6㎜径のヒートパイプを5本使用。さらに、このヒートシンクはメモリチップや電源部にも密接しており、冷却面での抜かりはない。また、GPUクーラーの中央上部にはROGロゴがあり、そこにLEDが内蔵され点灯するようになっている。このLEDは、Aura Syncに対応しており、付属アプリケーションの「AURA RGB」(Version 0.0.6.3)から光り方や色をカスタマイズすることが可能だ。