戦闘は避けてもOK
リロードの独特な挙動には注意が必要
本作は難易度も選択可能で、それによって戦闘の困難さが変わってくる。マップ上には複数のゾンビが徘徊しているが、遭遇した場合は倒すか、あるいは攻撃を避けつつやり過ごすことになるだろう。難易度を上げた場合、マップで拾える銃の弾薬はかなり少なくなってしまうため、なるべく温存しておきたいところだ。
ゾンビをある程度ひきつけてからダッシュで横をすり抜けるのが最も効果的だが、中には移動の速いゾンビもおり、狭い部屋の中で鉢合わせるような場合もある。近づかれると回避は難しいので、そういう場合は頭を狙って撃ち倒すのがいい。ときにはボスのような強力な敵も登場するため、そういった場面では弾薬を出し惜しみせず活用しよう。
射撃の操作自体はオーソドックスなTPS系ゲームと考えてよいが、気をつけなければいけないのがリロード関係の操作だ。そもそも、本作ではマガジンひとつひとつが独立したアイテムとして認識されており、アイテム画面から弾丸と組み合わせる(COMBO)操作を行なうことで、初めて「弾丸が装填されたマガジン」になる。
撃ち切った後は、くれぐれもインベントリから弾とマガジンを組み合わせるのを忘れないようにしたい。インベントリ画面でもゲーム時間は止まらないため、戦闘中にこうした操作をするのは難しい。事前に準備しておいたインベントリに入っているマガジンの総数が、連続でリロードできる限界数と考えていいだろう。マップ上でマガジンを見つけた場合は必ず拾っておこう。
肝心のリロード動作は2種類あり、「リロード」と「クイックリロード」に分かれている。リロードでは装填中のマガジンをインベントリに戻し、あらたなマガジンを装填する。対してクイックリロードは、装填速度が速い代わりに、装填してあったマガジンをその場に落としてしまう。そのため、戦闘後に回収しなければマガジンをひとつ失ってしまうことになるわけだ。
いずれにせよ、交換したマガジンはインベントリから再度弾丸を装填しないとリロードに使えない。このあたりはあまり他のゲームでは見ない仕様なので、うっかり装填を忘れたり、マガジンを放置したりといったことがないようにしよう。
なお、アイテムの使用や組み合わせは同じようにインベントリ画面から可能だ。使用(USE)するか組み合わせる(COMBO)か、あるいはその場に落とす(DROP)かを選択でき、たとえば回復アイテムは組み合わせによる効果アップや複数効果の同時適用が可能になる。
体力やスタミナなどの回復アイテムが個別にあるため、インベントリを圧迫しないよう、ある程度は組み合わせてしまうほうがいいかもしれない。ただし、一部の薬は摂取しすぎると「過剰摂取」状態となり、一定時間ダメージを受け続ける状態になってしまう。
クセのある登場人物が織りなすストーリー展開の魅力にも注目
本作のストーリーはウィルスの蔓延と巨大な陰謀を軸に展開される点については、やはり「バイオハザード」に近いものだが、それだけに留まらない魅力もある。特に、それぞれの登場人物が持つ背景の複雑さ、人物の関係性がゲームの進行により大きく変化していく要素は、「バイオハザード2」よりもはるかに現代のゲームらしいと言えるだろう。
チャプター1の主人公である特殊部隊員「リーヴ」を操作してみれば、すぐに彼が一癖あるダーティな人物だということが分かる。彼は潜入した研究所でガスのサンプルを探すのだが、基本的に仲間や生存者たちに対しても態度が悪く、人間に対して平気で銃を向けるような人間だ。忠実な「バイオハザード」の焼き直しを期待していると、いい意味で裏切られるはずだ。
一方、チャプター2の主人公となるサム(サミュエル)は、キーンサイト近くで森林レンジャーを務める一般人だ。彼は腐食性ガスを運ぶヘリの墜落前の姿を目撃し、キーンサイトの街に戻ったところでゾンビ騒動に巻き込まれてしまう。
他のキャラクターと異なり、悪夢や幻覚に悩まされる謎の疾患「デイメア・シンドローム」を抱えているため、ときおり見える幻覚がプレイ上の障害となるのもひとつのポイント。一般人でありながら、ある強い動機により積極的にアウトブレイクの渦中へ飛び込まなければいけなくなる彼の物語も、非常に先が気になるものだ。
チャプターごとのボリュームは1時間から2時間程度で、それぞれ舞台となるマップもほどよい広さなので、謎解きに手間取るようなことさえなければ、プレイ自体はかなりスムーズに進んでいくはず。前述のような戦闘・アイテム管理のシビアさはあるものの、ゲームシステムそのものに慣れてしまえば、プレイ時のストレスはあまり感じないはずだ。