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同じGPUでもfpsが30向上!? 「R6S」はAPIを「Vulkan」に変更するのがオススメ (1/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部
今回検証に使用したAMD「Radeon RX 5700 XT」のリファレンスカード

 2015年12月に発売されたユービーアイソフトのFPS「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)は、5人が1チームとなり、2チームで対戦を行なうマルチプレイモードが好評を博し、日々熱い戦いが繰り広げられている。

 そんなR6Sだが、2020年1月28日に公開されたY4S3.4パッチで、グラフィックスAPIに従来のDirectX 11(以下、DX11)に加えて、新たに「Vulkan」を利用するテストモードが実装された。ユービーアイソフトの説明では、Vulkanを利用するとCPUとGPU両方の負荷を最適化でき、パフォーマンスが向上するという。つまりは、Vulkanを利用した方がメリットが大きいというのだ。

 では、実際にグラフィックスAPIを変更すると、どの程度フレームレートが上昇するのか。AMDのハイエンド向けGPU「Radeon RX 5700 XT」で確かめてみたいと思う。

CPUのオーバーヘッドを低減するVulkan
R6Sで利用するにはランチャーからVulkanを選ぶだけ

 まずは、Vulkanが一体なんなのか説明していこう。Vulkanはクロノス・グループが策定したグラフィックスAPIで、プラットフォームの枠組みを超え、さまざまなOSで動作するクロスプラットフォームを念頭に置いて開発されている。そのため、Vulkanはオープンスタンダードで誰でも利用できるうえ、ロイヤリティフリーとなっているのが特徴的だ。

 Vulkanは、AMD独自のローレベルAPIである「Mantle」をベースに開発されており、それゆえAMDは同社のGPUであるRadeonシリーズとの親和性が高いと謳っている。

 グラフィックスハードウェア層に近いローレベルな制御を実現しているため、CPUのオーバーヘッドが小さく、ゲームにおけるCPUのパフォーマンスを引き出しやすいとのこと。Windows 10はVulkanを標準でサポートしており、AMDは20.1.4以降で、NVIDIAは441.87以降、Intelは26.20.100.7755以降のグラフィックスドライバでVulkan対応を果たしている。

 2016年8月からはAndroidもVulkanに対応し、スマートフォンの分野でもVulkanの採用が進んでいる。このように、OSやドライバが標準で対応しているため、GPUがVulkanに対応しているのであれば、ユーザーは別途何かを用意することなく、Vulkanを利用できる。

 R6SにおけるVulkanの利用方法はいたって簡単だ。Steamからゲームを起動するとDX11とVulkanのどちらを利用するか選択画面が表示されるので、そこでVulkanを選ぶだけ。ちなみに、R6SがなぜDirectX 12ではなくVulkanをサポートしたのか疑問に思う人もいるかもしれないが、DirectX 12の性能評価も行なったが、内部テストの結果ではVulkanのほうがCPU性能が優れていたからということらしい。

 さて、R6SではVulkanに対応することで「非固定レンダリング」「レンダリングターゲットによるエイリアス処理」「非同期演算」という3つの新機能が利用されている。順に説明していくと、非固定レンダリングは従来CPUが担っていたオブジェクトを描画させる命令の一部分をGPUに割り振るというもの。これにより、CPUのオーバーヘッドが減少し、CPU性能が向上する。

 続いて、レンダリングターゲットによるエイリアス処理は、レンダリング解像度を動的に変更するというもので、これにより処理負荷が重い場面などはレンダリング解像度を低下させることでフレームレートが安定するようになっている。最後の非同期演算は、レンダリング処理をより並行化するというもので、これによりアンビエントオクルージョンなどのグラフィックス処理の最適化が図られている。

 これらの新機能により、DX11よりVulkanを使ったほうがR6Sのパフォーマンスが向上するというのがユービーアイソフトの主張だ。ただし同社によると、ゲームの設定や解像度によってはグラフィックスカードに実装されている以上のメモリ容量が必要となる場合があり、その際の対処はDX11が非常に優れているとのこと。一方、Vulkanを利用した際は、同様の場合に画面のカクつきなどが発生する事があると注意点を挙げている。

SteamからR6Sを起動すると、グラフィックスAPIにDX11とVulkanのどちらを利用するか選択画面が表示される
R6Sでは、設定画面で使用されるメモリ容量が表示される。なお、最高設定では1920×1080ドットで4054MB、2560×1440ドットで4224MB、3840×2160ドットで4707MBのメモリ容量が必要だった

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