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【注目Radeonピックアップ!第16回】

高い冷却性能でOC用VBIOSも用意されたGIGABYTE「Radeon RX 5600 XT GAMING OC 6G」の実力を検証(2/2)

文● 宮崎真一 編集● AMD HEROES編集部

解像度が上がるにつれて強みを見せる結果
2560×1440ドットで真価を発揮する傾向

それでは、RX 5600 XT GAMING OCのポテンシャルをテストにより明らかにしてみたい。今回、比較対象にはAMDがRX 5600 XTの競合製品に置く「GeForce GTX 1660 Ti」(以下、GTX 1660 Ti)を用意。そのほかのテスト環境は表のとおり。なお、RX 5600 XT GAMING OCはより高いパフォーマンスが期待できる、バージョンFA0のVBIOSを適用した状態でテストを行なっている。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-8086K」(4.0GHz、最大5.0GHz)
マザーボード MSI「MPG Z390 GAMING PLUS」(Intel Z390)
メインメモリ DDR4-2666 8GB×2
ビデオカード GIGABYTE「Radeon RX 5600 XT GAMING OC 6G」(Radeon RX 5600 XT)
ASUS「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1660 Ti)
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit版

まずは「3DMark」(Version 2.11.6866)の結果からだが、Fire Strikeにおいて、RX 5600 XT GAMING OCはGTX 1660 Tiより27~54%高いスコアを発揮。とくに、4K解像度のテストとなるFire Strike Ultraで両者の差が最大となっており、RX 5600 XT GAMING OCが高解像度で強みを見せている。一方のDirectX 12のテストとなるTime Spyでは、その差は12~14%程度に縮まっているものの、同テストで好結果を示すTuring世代のGPUをしっかりと上回っている点は評価できよう。

では、実際のゲームにおける両者の関係はどう変わるのか、「F1 2019」の結果から見ていこう。ここでは、超高プリセットを適用した状態でゲームに用意されたベンチマークモードを実行したが、RX 5600 XT GAMING OCはGTX 1660 Tiに大差を付け、格の違いを見せ付けている。とくに、4K解像度でもRX 5600 XT GAMING OCは最小フレームレートが50fpsを上回っており立派の一言。RX 5600 XT GAMING OCで快適にプレイできることに疑いの余地はない。

続いて「Borderlands 3」では、プレイアブルなフレームレートを考慮して、中プリセットでベンチマークモードを実行した。その結果だが、平均フレームレートを見ると、1920×1080ドットではRX 5600 XT GAMING OCはGTX 1660 Tiに5%ほどの差しか付けていないが、3840×2160ドットではその差が25%にまで広がっており、3DMarkと同様に高解像度でRX 5600 XT GAMING OCが好結果を残している。

それは「Far Cry New Dawn」でも同様だ。ここでは、最高プリセットに指定したうえでベンチマークモードを実行しているが、1920×1080ドットにおいては、RX 5600 XT GAMING OCはGTX 1660 Tiに届いていない。しかし、2560×1440ドットでは逆転を果たし、3840×2160ドットではその差を24%にまで広げている。とくに、2560×1440ドットでは常時60fps以上のパフォーマンスを発揮しており、ゲームの快適性は申し分ない。

最後にRadeonシリーズにとっては苦しい戦いとなる「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見ておこう。ここでは、描画負荷が最大となる最高品質でベンチマークを実行しているが、Far Cry New Dawnと同様に、1920×1080ドットではRX 5600 XT GAMING OCは伸び悩んでいる。

しかし、解像度が上がるにつれてRX 5600 XT GAMING OCはGTX 1660 Tiに対して差を広げ、3840×2160ドットにおける両者の差は10%ほどにまで達している。さすがに3840×2160ドットでは、スクウェア・エニックスの指標で最高評価となるスコア7000に達していないものの、2560×1440ドットではそれを優に上回る11000台のスコアを発揮し、同解像度で快適にプレイできることは間違いない。

GPUクーラーの冷却性能の高さは魅力
価格は3万8000円から4万4000円と若干高め

以上のテスト結果から明らかなとおり、RX 5600 XT GAMING OCのポテンシャルはかなり高い。1920×1080ドットこそGTX 1660 Tiに並ばれる場面も見られるが、2560×1440ドットであればかなり快適なゲームプレイが実現できそうだ。

また、RX 5600 XT GAMING OCのGPUクーラーであるWINDFORCE 3Xの冷却性能は高く、バージョンFA0のVBIOSでも余力があるように見受けられた。ユーザーの自己責任にはなるのだが、オーバークロックを試してみたいと考えるユーザーにとっても、このRX 5600 XT GAMING OCは魅力的ではないだろうか。

RX 5600 XT GAMING OCの価格は、3万8000円から4万4000円とRX 5600 XT採用モデルの中でも若干高めなのは確か。しかし、品質の高さやGPUクーラーの冷却性能の高さを考慮すると納得のいく価格で、長期間安定して使い続けることを考慮すれば、十分お買い得なカードと言えるのではないだろうか。


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