AMDは4コア/8スレッドで1万5000円台前半という優秀なコストパフォーマンスで注目を集めている「Ryzen 3 3300X」を2020年5月下旬に発売。さらに、6月には次世代Ryzenへの対応はもちろん、インテルプラットフォームで対応が遅れているPCI Express 4.0(PCIe 4.0)をサポートするAMD B550チップセットを投入した。
さらに第3世代Ryzenの発売から1年となる七夕の7月7日には、最大ブーストクロックが引き上げられたMatisse Refreshを発売予定と、2020年もRyzenは絶好調だ。
そんなRyzenで、この夏に組むのにベストな最新構成を、秋葉原の中央通りにそびえる黒いビル「TSUKUMO eX.」に相談。PC一式購入のご相談フロアである6階スタッフで、2010年に発売されたAMD GPU「Radeon HD 6950」以来AMD GPUやCPUを愛用している川島さんに、おすすめの構成を考えてもらった。
構成案のターゲットは、フルHD(1920×1080ドット)、60fpsでのカジュアルゲーミングや、軽い写真の編集や管理、動画の編集、エンコードなどといったクリエイティブ作業を行なう人になる。そのうえで、8コアオーバーの第3世代Ryzenや、次世代Ryzen、ビデオカードなどのアップグレードも想定し、長く愛用できるマザーボード、ストレージ、PCケース、電源ユニットなどをチョイスしてもらった。もちろん、コストを抑えるという点も忘れずに選んでもらっている。
高コスパなRyzenで組んだ
15万円以下のゲーム&クリエイティブマシン
カジュアルゲーミングや、写真、動画の軽い編集作業を行なえるスペックをターゲットに、川島さんが提案してくれた最新のRyzen構成は、OS込みで14万7300円前後になっている。
CPUは、いま最も注目と言える高コスパの「Ryzen 3 3300X」で、そのスペックは4コア/8スレッド、定格で3.8GHz、最大4.3GHz動作と、ゲーミングや軽い編集系には十分なパフォーマンスを備えている。
そしてCPUとともにPCの用途に影響するビデオカードには、フルHD解像度&60fpsで「レインボーシックス シージ」や「フォートナイト」など、ライトからミドルクラスのゲームを楽しめるAMD「Radeon RX 5500 XT 4GB」搭載ビデオカードを選んでいる。
CPUクーラーは標準で冷却性能は十分な「Wraith Stealth Cooler」を付属しているので、今回は選択肢に入れなかった。
オススメ構成一覧 | 実売価格 | |
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CPU | AMD「Ryzen 3 3300X」 (4コア/8スレッド、3.6GHz〜4.1GHz) |
1万5500円前後 |
マザーボード | ASRock「B550 Steel Legend」 (AMD B550、ATX) |
2万3800円前後 |
メモリー | CFD「W4U3200CX1-16G」 (DDR4-3200、16GB×2枚) |
1万8000円前後 |
SSD | CFD「PG3VNF 1TB(CSSD-M2B1TPG3VNF)」(1TB、PCIe 4.0 NVMe) | 2万3000円前後 |
ビデオカード | ASRock「Radeon RX 5500 XT Challenger D 4G OC」 (Radeon RX 5500 XT、GDDR6 4GB) |
2万1500円前後 |
PCケース | Fractal Design「Define 7 Compact TG」 (PCケース、ATX) |
1万8000円前後 |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST75F-GS V3」 (80PLUS GOLD 750W、ATX) |
1万500円前後 |
OS | Microsoft「Windows 10 Home パッケージ版」 | 1万7000円前後 |
総額 | 14万7300円前後 |
最新のコスパ構成で長く使い続けられる!
低コストPC自作の鉄板候補トップと言える4コア/8スレッドのRyzen 3 3300Xも注目だが、CPU以外もポイントが満載だ。
マザーボードは、価格的には上位のX570マザーボードに届く製品もあるが、X570チップセットで必要だったチップセット冷却ファンが無くなっている点や、最新の2.5ギガビットLANを搭載するなど、X570マザーボードを上回っているモデルもある。
そんなB550マザーボードのなかから、川島さんが推したのが、高コスパ自作の定番マザーボードだったASRockの「B450 Steel Legend」の後継で、劇的進化を遂げた「B550 Steel Legend」だ。
8コアオーバーのCPUに加え、次世代のZen 3アーキテクチャにも対応できるハイエンドクラスの14フェーズ(B450 Steel Legendは6フェーズ)の電源回路に、増加したMOSFETの熱を効率よく排熱する大型ヒートシンクを採用している。
また、チップセットの仕様上「B550 Steel Legend」はPCIe 4.0対応のM.2スロットは1基だけになるが、従来のPCIe3.0×2 M.2スロットにもM.2ヒートシンクを搭載しているのもポイントで、NVMe M.2 SSDのみでストレージを構成する際も安心という。
そのほか、ASRockのX570を搭載したハイエンドモデルにも採用されている「50A Dr.MOS」や「Premium 60A Power Choke」、最低1万2000時間以上の寿命を誇る「Nichicon 12K Black Caps」などといったコンポーネントも備えているとのことだ。