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【AMDチップセットマザーボードレビュー第19回】

B550だが高品質設計でハイエンドPCを実現する新しい“Taichi”、ASRock「B550 Taichi」(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

追加機能も豊富
ネットワークも次世代規格をサポート

ハイエンド寄りでも映像出力端子はDisplayPort、HDMIともに搭載。CLR CMOSやBIOS Flashbackボタンなども備えてかなり高密度

B550 Taichiは機能面もハイエンド寄りだ。ネットワークは、有線LANが刻印「SLNJX」のIntel I225-Vで2.5GbE、無線LANがWi-Fi 6対応のIntel製チップを採用しているとされる。1GbEやWi-Fi 5といった現在主流と言われる規格の1つ上、1つ先のものを装備している。

2.5GbE対応ハブやルータはまだ少なく、やや高価とはいえ、これから先3年を見越したPCならば備えになるだろう。また、X570 Taichiは1GbEだったので、より新しいB550 Taichiのアドバンテージでもある。

Intel「I225-V」2.5GbEチップ

バックパネルには無線LANアンテナ端子があり、外部アンテナを接続して利用できる

M.2スロットは2つ。X570 Taichiは3つだったので1つ減っているものの、X570 Taichiの3番目スロットは拡張スロットと排他利用だったのに対して、B550 Taichiはそうした制限がないようだ。CPU直結でPCI Express 4.0 x4対応のスロットは上側のもの。下側のものはチップセットに接続されたPCI Express 3.0 x4/Serial ATA 3.0対応のものだ。

M.2スロットとヒートシンク

M.2ヒートシンクの固定はトルクスネジ。ASRock印の工具も付属する

チップセットヒートシンクは「Unbeatable Heatsink Armor」と呼ばれるもの。M.2ヒートシンクとはいちおう分割されているが、それでもかなり大型だ。そしてファンレスである。

PCMark 10実行中のチップセット部分の表面温度を計測したが、およそ41℃だった(無風、室温27℃時)

ほか、基板上には多数のASMedia Technology製チップが散りばめられている。「ASM1074」はUSB 3.0ハブ、「ASM1184e」はPCI Express 2.0 x1をPCI Express 2.0 x1×4として利用するスイッチ、そして2つ搭載された「ASM1061」はPCI Express x1からSerial ATA 3.0×2ポートへ変換するチップだ。ASM1184eはおそらく、追加のSerial ATA 3.0ポート含む多彩な機能を実現するためには、PCI Expressレーン数が足らなかったのだろう。

ASMedia「ASM1074」USB 3.0ハブ。フロント端子用に利用している

ASMedia「ASM1184e」はPCIe 2.0 x1からPCIe 2.0 x1×4を分岐させるスイッチ

ASMedia「ASM1061」は、PCIe x1からSerial ATA 3.0×2ポートへ変換するチップ。2つで4ポートを追加している

フロントUSBはUSB 3.2 Gen1とUSB 3.2 Gen2 Type-Cに対応

Serial ATA 3.0ポートはチップセットと2基のASMedia ASM1061で合計8ポート

OCやゲーマー向けの機能も充実

OC向けと言えるのが基板上右下にあるスイッチ類。POSTコード表示パネルや電源/リセットスイッチが並んでいる。また、バックパネルにもあったCMOSクリアスイッチがここにもある。

パワー/リセットのオンボードボタンのほか、CMOSクリアスイッチ、そしてPOSTコード表示パネルを搭載

LEDイルミネーションを見てみよう。B550 Taichiは一体型シールドカバー部分、チップセット、そして基板の右側面裏側にRGB LEDを搭載している。シールドカバー部分は、おそらくその横の部分に光が回り込むのだと思われるが、陰陽のロゴ部分も光って見える。全体的に見れば、Steel Legendシリーズよりも発行箇所が多く、よりハデな魅せ方が可能と言える。

LEDヘッダーはアドレサブルLED、RGB LED用が各2つ

通電時のLED発光

POLYCHROME SYNCで発光色の制御を行なう

オーディオはRealtek Semiconductor「ALC1220」をコーデックに、ヘッドホンアンプとしてTexas Instruments「NE5532」を搭載する。コンデンサはニチコン製オーディオグレード。また、今世代より3DサウンドテクノロジーのNahimicオーディオを利用可能になった。

Realtek「ALC1220」をコーデックに採用

TI製のヘッドホンアンプ「NE5532」も搭載

Nahimicオーディオにも対応した

新しい「Taichi」であって
B550にとらわれるべきではない

もちろん、B550でここまで高価なマザーボードはどうなのかという悩みはあるだろう。B550 Taichiはまぎれもなくハイエンドだ。ミドルレンジの枠は超えている。B550 Taichiの場合はチップセットのグレードにとらわれるのではなく、最新の「Taichi」として考えるべきなのだろう。

B550 Taichiはそもそもパッケージからして大きい

真のハイエンドを担うのはX570チップセット搭載マザーボードであることは覆らないとしても、B550 Taichiで可能なシステムはハイエンドニーズの多くと競合する点は紹介してきたとおり。強力な電源回路、より新しいインターフェースで、OCやゲーミングといったニーズをカバーできる。


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