追加機能も豊富
ネットワークも次世代規格をサポート
B550 Taichiは機能面もハイエンド寄りだ。ネットワークは、有線LANが刻印「SLNJX」のIntel I225-Vで2.5GbE、無線LANがWi-Fi 6対応のIntel製チップを採用しているとされる。1GbEやWi-Fi 5といった現在主流と言われる規格の1つ上、1つ先のものを装備している。
2.5GbE対応ハブやルータはまだ少なく、やや高価とはいえ、これから先3年を見越したPCならば備えになるだろう。また、X570 Taichiは1GbEだったので、より新しいB550 Taichiのアドバンテージでもある。
M.2スロットは2つ。X570 Taichiは3つだったので1つ減っているものの、X570 Taichiの3番目スロットは拡張スロットと排他利用だったのに対して、B550 Taichiはそうした制限がないようだ。CPU直結でPCI Express 4.0 x4対応のスロットは上側のもの。下側のものはチップセットに接続されたPCI Express 3.0 x4/Serial ATA 3.0対応のものだ。
チップセットヒートシンクは「Unbeatable Heatsink Armor」と呼ばれるもの。M.2ヒートシンクとはいちおう分割されているが、それでもかなり大型だ。そしてファンレスである。
ほか、基板上には多数のASMedia Technology製チップが散りばめられている。「ASM1074」はUSB 3.0ハブ、「ASM1184e」はPCI Express 2.0 x1をPCI Express 2.0 x1×4として利用するスイッチ、そして2つ搭載された「ASM1061」はPCI Express x1からSerial ATA 3.0×2ポートへ変換するチップだ。ASM1184eはおそらく、追加のSerial ATA 3.0ポート含む多彩な機能を実現するためには、PCI Expressレーン数が足らなかったのだろう。
OCやゲーマー向けの機能も充実
OC向けと言えるのが基板上右下にあるスイッチ類。POSTコード表示パネルや電源/リセットスイッチが並んでいる。また、バックパネルにもあったCMOSクリアスイッチがここにもある。
LEDイルミネーションを見てみよう。B550 Taichiは一体型シールドカバー部分、チップセット、そして基板の右側面裏側にRGB LEDを搭載している。シールドカバー部分は、おそらくその横の部分に光が回り込むのだと思われるが、陰陽のロゴ部分も光って見える。全体的に見れば、Steel Legendシリーズよりも発行箇所が多く、よりハデな魅せ方が可能と言える。
オーディオはRealtek Semiconductor「ALC1220」をコーデックに、ヘッドホンアンプとしてTexas Instruments「NE5532」を搭載する。コンデンサはニチコン製オーディオグレード。また、今世代より3DサウンドテクノロジーのNahimicオーディオを利用可能になった。
新しい「Taichi」であって
B550にとらわれるべきではない
もちろん、B550でここまで高価なマザーボードはどうなのかという悩みはあるだろう。B550 Taichiはまぎれもなくハイエンドだ。ミドルレンジの枠は超えている。B550 Taichiの場合はチップセットのグレードにとらわれるのではなく、最新の「Taichi」として考えるべきなのだろう。
真のハイエンドを担うのはX570チップセット搭載マザーボードであることは覆らないとしても、B550 Taichiで可能なシステムはハイエンドニーズの多くと競合する点は紹介してきたとおり。強力な電源回路、より新しいインターフェースで、OCやゲーミングといったニーズをカバーできる。