次世代LANやUSB 3.2 Gen2など
充実したインターフェース
インターフェースや機能面は、追加チップによる実装こそ少なめだが、CPUやチップセットの持つ機能をフルに活用する方向の設計と言える。
バックパネルはハイエンドモデルと比べると空間が多いものの、一般的な端子類に加えて、PS/2端子やFlash BIOS Buttonを備えている。この価格帯の製品で、CPUやメモリ要らずでBIOS更新できるFlash BIOS Buttonの搭載は、なかなかポイントが高いかもしれない。
USBもUSB 3.2 Gen2 Type-A/Cを各1ポートずつ搭載しているので、高速のUSB外付けドライブなどを接続できる。一方、マザーボード上にあるフロントパネル用のUSB Type-CヘッダーはUSB 3.2 Gen1である。
ネットワークは、有線が2.5GbE、無線がWi-Fi 6。有線LAN側はRealtek「RTL8125B」チップ。無線LAN側は「Intel Wi-Fi 6 AX200」だ。オーディオ回路はチップにRealtek「ALC1220」、コンデンサは日本ケミコン製のオーディオグレードを採用している。
LED不要派にオススメしたい
ハードウェアLED消灯スイッチ
ゲーミングマザーボードと言えばPCI Express x16スロットを金属カバーで補強しているものが多い。MPG B550 GAMING EDGE WIFIも#1スロットは「PCI-E Steel Armor」が施されている。巨大で重いGPUクーラーを搭載するハイエンドビデオカードもしっかりと受け止め、破損を防いでくれる。
一方、#2スロットに関しては、前後にアンカーを用いた簡易な補強にとどまる。これでも十分に効果はあると思われるが、基本的にビデオカード1枚、製品的にはCrossFireXのマルチGPUにも対応するといったところだ。ほか、メモリやEPS12Vなどは金属補強を用いていない。通常の用途、通常の耐用年数においてはこれで問題ないためだろう。
M.2スロットは2つ。片方はCPU直結のPCI Express 4.0×4対応で、もう1つはチップセットにぶら下がるPCI Express 3.0×4対応のものだ。2つスロットを搭載しているが、ヒートシンクが用意されているのはPCI Express 4.0×4側のみ。このクラスの製品では標準的なところといえる。
Serial ATA 3.0ポートは6つ。そしてその部分はPCB基板をカットして一段引っ込めている。ケースによってはATX規格ギリギリの設計で、裏面配線用のケーブル引き込み穴がSerial ATAポートに近く、ケーブルやコネクタ部分に負荷がかかるものもある。少し引っ込んだこのデザインなら、その負荷を和らげることも可能だろう。
LEDはチップセットヒートシンクの外周部分にいくつか搭載されているのみだ。追加のヘッダーは計4つ。RGB LEDヘッダー2つ、アドレサブルLEDヘッダー2つで、ハデな電飾も可能だ。もちろん同社の「Mystic Light」から設定できる。
LEDがあまり好みではない方には、「EZ LEDコントロールスイッチ」機能がおすすめポイントだ。従来、LEDを消灯するにはBIOSやOS上のユーティリティから設定を行なう必要があったのに対し、EZ LEDコントロールスイッチはマザーボード上の物理スイッチで、これ1つで済む。もちろん完全にOFFにしたい方のみで、シチュエーションに合わせてON/OFFを楽しみたい方は従来どおりのほうが現実的なのだが、これはこれで分かりやすくてよい。
ハデさよりも安定性を重視する堅実モデル
MPG B550 GAMING EDGE WIFIはシンプルなミドルレンジモデルだ。シンプルさと価格をとればTOMAHAWKをはじめとするMAGシリーズがあるのだが、MPGシリーズのMPG B550 GAMING EDGE WIFIは、電源回路など安定性に関わる部分が強化されている点が異なる。長期に渡って使うという目的ならば、こちらを選んで安心化を取ることができる。
シンプルさについては、機能面もそうだがデザイン面にも言える。たとえばMAG B550 TOMAHAWKはそこまで大きく変わらない価格帯だが、MPG B550 GAMING EDGE WIFIよりも少し見た目がハデだ。魅せるケース、魅せるマザーボードの組み合わせならばそうしたモデルのほうがベターなのだろう。ただし、非クリアパネルのケース、クリアパネルでも中身をシンプルに見せたい場合はMPG B550 GAMING EDGE WIFIが向いているのではないだろうか。